自分は大卒から4年間、学校・養成所と通って、
プロ側に来ることが出来ました。
合否の連絡が来る前日までは、
「来年がんばろう」と計画していたことを思い出します。
目指す気持ちが切れるのが一番怖かったのですね。
「合格」は封書で来ましたが、まさに青天の霹靂。
嬉しすぎるとこうなるのですね、声が全く出ない。
事務所では簡単な契約に関する話がありましたが、
それで終わり。
「…これから、どうすればいいの?」
と、なってしまった訳です。
その後「芸事とは何か」について、
本質を学ばせて頂いた「先生」とも言える方と出会いますが、
それはまた機会があったときに書きたいと思います。
当時、事務所の社長からは「数合わせで取った」などと言われ、
どうしたら良いか、分からなった時期が続きました。
今振り返ってハッキリ言えるのは、下積みが足りなかったということ。
がむしゃらに頑張っていられるのは、むしろプロに上がる前までです。
プロ側に来ると、見える景色は一変します。
周りにいる連中が生徒では無く、プロばかりだからです。
「理想」が「現実」に変わる瞬間。
自分がどれだけ「溜めてきた」か、まざまざと思い知らされます。
「自分は最大限、誰よりもやってきた」
プロを目指す人間は、もれなく持っている自負だと思います。
しかし、プロ側に来ると、そうではない。
「出来るか、出来ないか」
ただ、それだけです。
これをアフレコの現場で思い知った時、
もっともっと下積みが欲しい、と心から思ったものでした。
<続く>