ヒアリングのネタから少しだけ。
アイデア出しが苦手な人に対して定期的にヒアリングをしています。解像度を上げるためですね。お客様はアイデアが出しが苦手な人を想定しているのと、そういう人に発想法を売ると。といっても、発想法を買いたいのでなく、発想できる考え方やそもそもアイデアが出るようになりたいので、ここは間違えてはいけないところです(ドリルでなく穴が欲しいってやつですね)。
さてそういうところで、アイデアの解像度といいますか、粒度、期待値が高ければ高いほど、それは苦手なのではないか。これどこかで聞いたかもですが、多分関係あります。
場数や経験値があって見えているものは「過度な期待」はない
アイデア出しでいえば、僕は経験をしているというところで、そのアイデアがうまくいくことはあまりないというのが「分かって」いるんですね。だから、一喜一憂しない、うまくいかないこともある、そういうのが普通なんです。
では、アイデア経験が少ない人はどうなるかというと、そこが一回一回が重いというか、見えない部分が多い。探索が少ないダンジョンで暗い部分が多いというイメージですかね、ゲームでいえば。感覚的には「わからない事が多いのでわからないことが何かわからない」みたいな感じに近い。別にアイデア出しに限らずこうなるかなと。
過度な期待があるとは、それこそ初学者の証明でもある。逆に慣れている中級者以上はそれはなくなる。というのが僕の見立てです。
自分がどこでわからないかを明確にできるかどうか
初学者であれば、「アイデアが出ない」のはわかるけど、説明ができない事が多いのかなと。それを中級者なら割とわかるので、こうすればいいとかいえる。上級者は自分でなく人がどういう状態かが分かり教えられるわけです。なので言語化や体験とかが豊富でないと、出来ないはずです。
アドバイスができるとはそのようなことをいうのであって、良くわからないアイデアを放ってくる(笑)ということではないと。これは誰でも嫌なはずです。
明確にできるかどうかが目安でしょう。ここでいえばお客様となる人はそこが明確でない人となります。であれば、一旦お客様ではなくなるというわけですね。
期待値が高いと全て失敗になり、試行=思考数が減り筋が悪くなる
最後に期待値が高いことは良さそうな言葉ですが、それは自分が色々と考えたからどうとかってことではなく、単に高いだけということです。
本来そこまで高くない、つまりアイデアとは小さな工夫から始まると僕は考えているのですが、そういうものは「くだらない」ものなわけです。本当にそうなんですね。だから、アイデアが駄目とか、それだけでいいのでなく、そこから成長したり育てていくものなので、一発目でキレイな、誰もが良いというものが生まれるわけではない。
ここで期待値が高いからこそ、一手一手が慎重になり、これはだめかなといって引っ込める。するとやれない、やりきれない、試行が減る。頭で考えて駄目だなといって辞めてしまう。これってめちゃくちゃ良くないんですね。というか駄目といってもいい。
学習はそこでやってみて体験しないとものにならないんですね。だからこそ、悪いアイデアでも言ってみるわけで、やってみる。そこで駄目ならまた考えればいい。手数はそのまま経験値になるので、そのまま学びになるわけですから、そこを辞めてしまうことになる。
だから、期待値が高いのを下げること。そこが僕の仕事になるのだなと改めて感じたところでした。