複線的キャリア構築を考えるようになった経緯

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ビジネス・マーケティング
 この10年強の間に東電、ソニー、東芝、、、かっての名だたる大企業が、いろいろな背景、理由はあれど、不祥事、業績不振などで大規模なリストラを行い、世間を騒がせ、社員や取引先などの関係者を大いに不安にさせてきました。 

  そして、足元のコロナ騒動での倒産リスクの増加、、、 

 「新卒で入社すれば、定年まで安泰」と言われてきた大企業の社員でも惰性で、会社に所属していれば、何とかなるとは安心できないシビアな時代になってきているのは、皆さんも日々、いろいろ見聞きされると思います。 

 こんな時代に我々は、一個人として、どのような考え方、スタンスで自らのキャリア構築をしていけばいいか、、、悩ましいですね。 


 私は新卒で入社した会社時代の30代前半に社内留学制度を利用して、米国のビジネススクール(いわゆるMBAです)に2年間、留学していました。 

 私は社費留学でしたが、周りの同級生は、ほとんど、私費留学(前職を退職して留学)の世界各国から集まった面々で、年齢も20代後半から30代前半が中心で、将来のキャリアアップを目指していました。そういう仲間と2年間を海外で過ごし、帰国後、元の会社に復職することを当たり前に考えていた自分の価値観は大きく揺さぶられることになり、いろいろ刺激多き2年間でした。 

 当時、クラスメートからは、「お前は、卒業後、元の会社の戻るなら、幹部に登用されるのか?」とよく聞かれ、「休職扱いで留学しているので、昇進どころか、同期から2年昇格が遅れる(日本の会社の人事制度上はよくあるのですが)」と説明したら、「信じられないし、ナンセンスだから、転職して絶対にキャリアアップを狙うべき」とお酒を飲みながら、こんこんと説教?されたことも,ありました。(相手は私よりも5歳下の仲の良い友人でしたが。) 

 そんな忌憚のない意見を聞いたこともあり、留学2年目の夏休みは、某戦略系コンサルの東京オフィスで2週間ほど、サマーインターンも経験しました。今にして思うと、採用目当てというよりは、帰国後にコネクションとするための“お客さん”扱いでしたが、短い期間とはいえ、別の会社のオフィスで、社員の方々と朝から晩まで一緒に働く機会を得たのは、貴重な体験でしたし、転職を選択肢として考えるきっかけにもなりました。(ただ、聞いてはいたものの、コンサルの世界の厳しい知的肉体労働ぶりを目の当たりにして、30代半ばに近い年齢の自分が今から働くのは厳しい職場だなとも感じました。) 


 キャリアアップのために会社を辞めて大枚をはたいている留学生を世界中から集めて、人脈と知識と箔(MBAの学位と学校のブランド)をつけさせて、社会に送り出すビジネススクールはキャリア構築を意識した授業内容を組んでいて、学生課のキャリア相談(卒業後のキャリア相談やサマーインターン先の紹介等)もかなり力を入れてやっていました。 

 背景としては、卒業生の入学前と卒業後の給与上昇額や転職成功率などが数値化されて、ビジネススクール間で比較されて、毎年発表される学校ランキングなども決まるので、ある意味、死活問題で、学校も目の色を変えて、学生の就職先探しをサポートする構図になっていることがありました。 

 そんなビジネススクールでは、授業で、学生に対して、ビジネスや生活における様々な意思決定において、常に①現状の維持、②現状からの改善、③Exit(現状から脱却し、新しい道へ)の3つの選択肢を比較検討しろとしつこく教えていました。 

 皆さんも聞かれたことがあると思いますが、ハーバードなどで有名ないわゆるケーススタディ手法は、ほとんどのビジネススクールで採用されていて、私の留学先でも各学期でいくつかはケーススタディの授業を受講しました。 

 ケーススタディは、日本の受験問題のようにこれという明確な正解はなく、問題の条件設定、登場人物や会社の置かれている内外の環境分析を行いながら、ベストあるいは、ベターと思われる選択肢を各自が考えてきて、クラスメートと議論しながら、教授の助けも借りて、多面的に思考し、整理していくものでした。(だいたい、各ケースの後日談があり、自分たちがこれがベストだろうと考えた選択肢を選んでいた場合に会社や搭乗人物がどうなっていたのか、思いをめぐらせて、余韻を残しながら、授業が終わる感じでした。) 

 そして、ケーススタディでは、まさにこの3つの選択肢(①現状の維持、②現状からの改善、③Exit)の長短比較を頭に汗(冷汗)をかきながら、ひたすら繰り返し、試行錯誤を続けている感じでした。 


 少々、専門的ですが、ファイナンス理論では、上記の①、②、③の3つの選択肢のそれぞれが、今後将来にわたり、どれくらいのお金がどれくらいの期間、どれくらいの確率で稼げそうかという定量的な観点(専門用語では、「現在価値評価」と言ったりします。要は、今すぐ稼げる10万円と1年後に手にすることができる10万円は同じ10万円でも時間的な価値をかんがえると前者の方が価値が高いという考え方です。マイナス金利でない世界であれば、感覚的に分かりますよね。)で評価し、常に比較して、ベストな選択肢が何か考え、機会を逃さないように行動しろという教えです。 


 長くなりましたので、本記事はここまでにします。


 次回もご期待下さいね!!!


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