自分自身の試行錯誤の振り返り

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ビジネス・マーケティング
 前回記事にも書いた社費留学から帰国し、結局、元の会社に復職したものの、2011年の震災を契機に思ってもみない形で転職も経験し、その後、子供も生まれるなど、この10年強の間、いろいろな環境変化を経験しました。  

  ビジネススクールで叩き込まれた上述の「3つの選択肢を常に比較検討せよ」という教えは、単にビジネスでの意思決定だけでなく、一個人としてのキャリア構築全般、それだけでなく、生きがいややりがい、家族、個人の生活と仕事のバランスなどの定性的な観点で、中長期で物事を考えていく上でも重要な考え方だと痛感しています。  

 一個人の立場で考えた場合、3つの選択肢のうち、「①現状維持」とは、今、所属している組織で、担当している業務を既定路線で行うこと、「②現状改善」は、現状で不満を感じていることを今の所属のまま、上司に働きかけをして改善したり、社内異動でやりたい仕事ができるポジションに就いたり、或いは、やりたいことができる新組織を立ち上げることなどが考えられます。そして「③Exit」とは、今の仕事を辞め、転職や起業するなどの道を選択することと整理できます。  

 少し前(だいぶ前(笑))に“ホリエモン”こと、堀江氏の「想定内」という言葉がはやりましたよね。  


 現在の仕事をしているだけというPlan Aしか選択肢がないと、冒頭でも書いたような企業の不祥事、業績不振でリストラというような話に直面した時に慌てふためいて、冷静な判断ができないということになりかねませんが、普段から、Plan B,Cも意識しながら、情報収集し、心の備えをしているといざという時にたいていのことは「想定内」として、対応できるように思います。  

 私は、過去二回の転職経験もふまえ、安易に転職をすることがいいとは考えていません。  

 それなりの会社に勤めている会社員の立場なら、会社の看板、使える経営資源はいろいろありますし、たとえ、今、この時点で担当している仕事が自分のやりたいものでなかったとしても、あきらめずに自分のやりたいことができるように社内で、影響力のある人に働きかけをするなどして、仕事のやり方、仕事自体を変えたり、それにとどまらず、新組織を立ち上げる経験を何度もしてきました。  

 一方で、自分のコントロール外の災難が降りかかることもあります。例えば、所属している会社や業界が不祥事を起こした、経営不振になり、リストラを始めた等々で、自分のやりたい仕事ができない環境となってしまうこともあるのが、現実社会です。  

 そうした会社レベルの話だけでなく、組織で働く以上は、上司や同僚との相性もあります。例えば、いわゆるパワハラ上司に遭遇して、どうしようもないところまで追い込まれる、、、なんてことは誰にでも起きると思います。  

 私も、二回の転職後、頑張って組織に溶け込もうと努力したのにパワハラ上司に数人、遭遇し、会社を辞めようと思うこともたびたびありましたし、私の周りでも、年下の上司の非常識なレベルのプレッシャーでうつ病になり、会社に来られなくなる50代の人もいました。見ていて、痛々しく、間に入ろうにも、弱い立場の人を守り切れる感じでもなく、無力感を感じました。この50代の方も嫌なら辞めて他の会社に行くという選択肢があれば、そこまで追い込まれることもなかったと思いますし、そういう現職にしがみつくしかないという弱みにつけこまれていたように思います。  


 私は、いざとなったら、辞めて他社に行くという選択肢を持っていたので、精神的な安定は保てましたが、他に行くところがないという状態で、自分に合わない仕事を続けないといけなかったり、パワハラ上司に遭遇して追い込まれていたら、逃げ場のない感じがより深刻だったと思いますので、いわゆる「辞表を胸に行動できる」というのは、とかく組織の歯車になりがちで立場の弱い個人を組織と同等のレベルに引き上げる強さを与えることにつながるように思います。  

 上記で書いてきたような厳しい現実を冷静に見つめた時に中長期的な観点で仕事、家族、プライベートの生活の理想と現実のバランスをいかにとっていくかということを考えると、やはり、今の仕事しか選択肢がないPlan Aの状態は、”危うい一本足打法”に感じられます。(逃げ場がなく、いざという時に強いことも言えず、組織にしがみつくしかなくなりますので)  

 その次の選択肢となる「今の仕事の改善」というPlan Bは、普段から意識して行うべきだと思いますが、現在の所属組織自体が想定外の事態に巻き込まれる可能性が高まっていることを考えると(今の会社が、20年後、30年後も今のまま、安泰と自信をもって言える人はいるものでしょうか?)それだけでは十分とは言えず、やはり、アンテナを立てて、業界情報を把握し、人脈形成も行いながら、社外のポジション、起業の機会なども探していくPlan Cを持つように意識して行動することが大切だと痛感しています。(もちろん、Plan Cにとどまらず、Plan D,E,F,,,とたくさん選択肢を持てるようにすることがよりベターなのは言うまでもありません。)  

 最近は、年金の受給開始年齢の引き上げの話もでてきていますし、超高齢化社会を迎え、 65歳の定年は70歳、75歳と引き上げられていくでしょうし、働ける人は生涯現役で働く(働かないといけない)時代となっていくでしょうから、1つの組織で働き続けるということはレアケースになるでしょうし、やはり、たくさんの選択を持つことがますます重要になっていくと思います。  

 では、複数の選択肢を考えていく上で、どんなアクションから始めればいいかということですが、まずは、これまで経験してきた仕事や人脈の棚卸しをしてみることをお勧めします。特に今は、コロナ騒動で自宅で過ごす時間も多いと思いますので、来し方行く末を考える好機かと思います。  

 棚卸の具体的な方法としては、転職活動でも、必要となる職務履歴書を書いて、過去のキャリアを自分で振り返りながら、自分のキャリアに関して整理した上で、転職エージェントさんにキャリア相談をしてみるといいのではないかと思います。  

 職務履歴書を書きながら、過去のキャリアを振り返ると、どんな仕事をしていた時がやりがいを感じていたかとか、「昔、仕事をご一緒して以来、ご無沙汰しているあの人は今はどうしているのだろうか?」と思いだしたりします。今は、SNSもありますので、久しぶりにそういう知人の方にコンタクトしてみるのも、今後の選択肢を考えていくきっかけになったりもします。  

 転職エージェントさんに関しては、また、別の回の記事でも書きたいと思いますが、転職が成立した場合に企業側から、年収の20-30%くらいを紹介料としてもらうビジネスモデルなので、転職候補者の立場では無料で相談できますし、平日のお昼に会社のそばでランチを取りながら、カジュアルな形でも相談できます。(お昼をご馳走してもらえるケースもわりとあります。)  

 海外では、ホームドクターなどと並んで、個人のキャリアのサポートをするキャリアコンサルタントは、重要な位置づけとなっていますし、とかく人材の流動性の低かった日本でもこれからは、キャリアコンサルタントとしての転職エージェントさんの活躍の場は広がっていくのではないかと思います。  
とはいえ、人と人の話なので、相性の合う、合わないもありますので、複数の転職エージェントさんに会って、ざっくばらんにキャリア相談をしてみてはいかがでしょうか。経験上は、今すぐに転職しなさそうだと感じると、やる気をなくしてしまう転職エージェントさんよりは、今すぐに転職するわけでなくても、自分のことをきちんと理解してくれて、数年くらいのスパンで腰を据えて、相談に乗ってくれる転職エージェントさんを複数、見つけられると非常に心強いと思います。  

 実体験に基づくマル秘レポート、よろしければ、ご活用くださいね!

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