今回は以下の問題を解説します!
高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、高性能AE減水剤の使用量を増やして単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくした。
↑一級建築士施工令和2年No.11で出題されています
この問題文はわかりやすくすると
コンクリートが自分で小さくなるのを止めるために、コンクリートとしての性能が発揮される範囲で、コンクリート中の水分を減らす薬品の使用量を増やしてコンクリート中の水分を減らしたうえで、コンクリートに含まれるセメントの量を出来るだけ小さくした。
以上のようになります。
問題文で問われているのは
高性能AE減水剤の使用量を増やして単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくした。
の箇所です!
単位セメント量、単位水量に関しては以前記事にしているのでそちらを見ていただけますと幸いです。
高性能AE減水剤を使用するとその名の通り減水=水が減ります。
ですので当然単位水量は減ることがわかるかと思います。
では単位セメント量を減らすことはできるのでしょうか?
ここで、水セメント比という言葉を知っている方は
「水が減ったらセメントは増える!」
と勘違いされてしまったかもしれません。
ここで実際の量に置き換えて考えてみましょう。
コンクリート中の
水:10
セメント:20
とすると水セメント比は10/20=0.5=50%となります。
減水剤を使用すると
水:5
セメント:20
になったとしましょう。
水セメント比は5/20=0.25=25%となります。
水セメント比は小さいほど望ましいです。
減水剤を使用したことにより水セメント比が50%→25%になったので
コンクリートの状態が良くなりました。
また高強度コンクリートの水セメント比は50%が上限値です。
問題文は「単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくした」
とあります。何故単位セメント量を小さくしたのでしょうか?
理由も問題文に書いてありますね。
「高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために」です。
単位セメント量の記事にも書きましたが、単位セメント量が大きいと水和熱が高まり乾燥によって収縮してしまいます。
ですので単位セメント量を小さくします。
水:5
セメント:10
まで下げたとしましょう。水セメント比は5/10=0.5=50%です。
単位セメント量を小さくしたことで水セメント比は大きくなりました。
まとめますと
収縮を抑制したいので単位セメント量を小さくしたい
↓
単位セメント量を小さくすると水セメント比が大きくなる
↓
水セメント比には上限値があり大きくしすぎてはいけない
↓
それならば水も減らそう!
↓
減水剤を使用
このような流れになっております。
水を減らしたからセメントは大きくなってしまうわけではない点にご注意ください。
過去問解説は以上になります!
今回の内容でわからないことがあったりもっと知りたいことがある方は建築士の学科試験勉強法を以下のサービスにて提供しておりますので見ていただけますと幸いです。
今回の内容は当サービス受講生からのご質問でした!
今後も不定期に配信していきますのでフォローなどしていただけますと建築士に関する知識が身につくかと思います。
来年度受験の方、私と一緒に頑張りましょう!