ツイノベ 401-405

記事
小説
妻が事故にあって記憶を失ってしまった。思い出のバックアップをするために、IDを打ち込んでダウンロードを始めると認証エラーを起こす。何度も、何度も。誰かのIDを奪えば、「誰か」として意識は取り戻す。でも、奪われた「誰か」は。逡巡する。IDをもう一度入力する。入力した。妻が――/№401 Unauthorized

記憶バックアップのIDが盗まれる事件が多発してから、思い出の移植には高額な費用と複雑な手続きがかかることになった。お金を支払うことができない人達は、記憶を、約束を、人格を、願いを引き継げないまま、他の「誰か」になることも叶わず、存在を失っていく。犯人の行方は未だ不明だった/№402 Payment Required

記憶図書館の管理を行う。今、人々の記憶はバックアップすることができて、思い出が欠損したときにはダウンロードして取り戻せる。私の仕事は保存された記憶の中に未解決事件の手がかり、歴史的情報が埋もれていないか調べることだ。『アルマ』と命名された記憶を調べると、閲覧禁止になった/№403 Forbidden
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ /№404 not found

『迷子の言葉を探しています』と貼り紙が貼ってあった。なんでも「作品の感想を伝えたのに『誰からも感想をもらえない』と言われた」とか「創作物が好きだと話したのに『誰にも読んでもらえない』と呟いていた」そうだ。応援の言葉を届けたはずなのに、どこかで迷子になってしまったという/№405 迷子の言葉

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す