適応障害で、布団から抜け出せなかった私へ。

記事
コラム
「きたろーさんは、うちに戻るの、それとも戻らないの?」
画面越しに見える上司の表情は、穏やかだけど、声には圧を感じました。


休職中の上司との面談。
今後どうするかについて話し合う時間。


会社に残るか、退職するか、休職延長願いを出すか。
どうするか答えが出ないまま、面談当日を迎えた罪悪感、答えないといけない焦り、色んな感情がまざり合い、上司の問いかけに答えられないまま、面談は終了しました。


会話が終わった、ちょっとした安堵感と、申し訳なさの罪悪感が胸に広がりました。
「戻るの?戻らないの?」
上司の言葉が頭の中で、ぐるぐる回り、憂鬱。
そんな苦しさから、現実から逃避するべく、布団に潜り込みました。


-2年前-


新卒で採用支援会社に入社し、営業担当になりました。
求人媒体を企業に販売するお仕事です。


学生の母集団形成、選考率の低さ、ターゲット層の学生がエントリーしないなど、顧客のお悩みをヒアリングしながら、どうやったら解決するか、共に悩み、考えながら、サービスをご提案していました。


今でもご契約させていただいた時の喜び、顧客が自社サービスで採用が決まった時の嬉しさを覚えています。


しかし、半年以上が経過したある日。
「私がやりたいことは、本当にこれなのか?」
ふと、そんな疑問が浮かんできました。


ですが、まずは与えられた業務を精一杯こなすことが大事だ!と自分に言い聞かせ、働き続けました。
しかし、以前よりもエネルギーが湧いてきません。


小さなミスを何度も繰り返し、周囲にご迷惑をおかけしながら、働き続けました。
気づけば、心がボロボロに。


ああ。
このままだと壊れるな。
何となくですが、間違いなく壊れる。


今の状態が続けば、やがて壊れるだろう、そんな確信がありました。
このままではいけない。


現状を変えるため、悩みを聞いてほしい想いから、上司に相談を決意。
今の状況を一通り説明しました。


上司からのアドバイスはこうです。
「うーん。とりあえずさ。行動するしかなくないか?目標決めて、とにかく動かないとさ。まずはそういうところからじゃない?」
上司の回答に、完全に腹落ちしたわけではありません。
ただ、頭の中では理解していました。


「はい。分かりました。ご相談に乗っていただきありがとうございました。」
お礼を伝えて、その場から立ち去ろうとした時、上司から一言。


「あとさ。俺個人としての意見なんだけど、君がうち(会社)に来てくれて、良かったって思えないんだよね。あ、あくまで”まだ”そう思っていないってことだから。だから、本当に君が来てくれて、良かったと思える日を楽しみにしてるよ!」


その後、私は適応障害と診断され、休職することになりました。


布団から出られない日々が、3か月ほど経過。
溜まっていく2Lペットボトルや、Amazonの段ボールの束、黄ばんでいく洗面台など、私の内面を映したかのように、部屋は汚れていきました。


ペットボトルが100本超えたあたりで、掃除を決意。
重い腰を上げ、部屋を掃除していると、本棚に置いてある日記が、目に入りました。


大学生の頃から続けている日記。
あの頃は何を考えてたんだっけかな~、と思いながら、ページをめくると、就活のことについて書いてありました。


私が本当にしたいコト。
究極たった一つだけ、望むことがあるとするならば何か。
そこには、こんなことが書いてました。
『誰もが、自分の想いを持ち、才能を発揮しながら価値を生み出し、届けたい人に価値を届ける。』


あぁ。
そうだったな...
これを実現したかったから、採用支援の会社に決めたんだな。


働くという行為。
才能(スキル)を発揮し、他者・社会に価値を届け、対価をもらう活動。
誰もが”働く”を通して、自分も他者も満たしていく。


そんな情熱的でアツく、感謝で繋がり合える循環を広げたい。
だからこそ、納得のいくファーストキャリアを選択することが大切だと思い、採用領域に飛び込んだんだ。


過去の自分の熱さに嬉しさを感じつつも、今の自分のギャップに、胸がズキっと痛みました。


「求人媒体の営業が、”私”にとって、理想のキャリア支援なのだろうか。」
改めて、自分に問いを立てる。


私がやりたいこと。
それは、
「何者として、どこに向かうのか」、人生においてブレない軸をつくる支援
でした。


人は経験を通して学ぶ。
だけど、学ぶからこそ、迷うし、悩みが生まれて葛藤する。
初めは小さな歪でも、やがて大きなヒビになり、私が私を見失う。


そんな葛藤を抱えている人たちにとって、「何者として、どこに向かうのか」から始まる働き方を。人生においてブレない軸をつくる支援をしたいと、気づきました。


-現在-


現在はCordemiaという、人の可能性を支援する(したい)人、コーチ、カウンセラー、人材開発のプロが集い、セッション技術を学び合える場で、自分の在り方やセッション技術を磨いています。


そして、20~30代で「この会社で働き続けるか迷う。」と葛藤している方に対し、自己変容・自己実現のセッションをご提供しています。


最後に、夜も眠れないほど、苦しい期間を過ごした私へ。


心・身体がしんどかったと、伝えてくれてありがとう。
あの経験のお陰で、色んな方に支えながら、生きていることに気づくことができました。
また、辛いときには、布団に篭るかもしれないけど、その時はよろしく。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す