【双子の姉弟で違う産土神社】
ある男性の産土神社鑑定をしたところ、
その方には双子のお姉さんがいらっしゃいました。
双子の姉も同じ産土大神様なのか?
というご質問がありました。
答はノーです。
産土大神様は二人以上の人を受け持つことはありません。
なぜなら、その人だけの専任の神様だからです。
なので、兄弟や姉妹でも違う神様ですし、双子だったとしても産土大神様は
別々に担当されています。
では、産土神社も異なるのかというと、イエスともノーとも言い切れません。
産土神社は同じ場合もあれば、違う場合もあります。
こればかりは鑑定をしてみないと、何とも言えないところなのです。
後日、お姉さんの産土神社鑑定のご依頼もいただきましたが、男性の産土神社とは違う神社でした。
【産土神社はどこを基準にして探すのか?】
産土神社を探すための必要な情報は、その人がまだお腹にいるとき(妊娠6~7ヶ月頃)に母親が住んでいた住所です。
神様が胎児に魂を吹き込むのがその頃といわれているからです。
その役目は母親が住んでいた土地の神様が担当し、この神様こそが産土大神様というわけです。
なので、出産と静養でしばらく里帰りした実家とか、出産した産婦人科ということではありません。
あくまで母親が妊娠中に生活の拠点としていた場所です。
その場所を基準にして、都市部だと半径2~3km、地方だと3~4kmの範囲から探すことが多いです。
たいていこの中で見つかりますが、この範囲で見つからないときはさらに範囲を拡大して探すことになります。
ちなみに、これまでで一番遠かった産土神社は、生誕地から10km離れた神社でした。
近隣にいくつも神社があるのになぜ?
と思いながら調査・鑑定を進めていくうちに理由がわかりました。
江戸時代の文献を調べたところ、もともとは住所に近いところにあった産土神社が、遠くの大きな神社に合祀されたという記述があったのです。
合祀とは、今で言う吸収合併のようなものです。
この合祀によって、もともとの場所には神社がなくなっていたということがわかりました。
このように、住所から一番近い神社が産土神社だとも一概に言い切れません。
ときには土地の歴史的背景などを考慮しないと産土神社にたどり着けないこともあります。
このときは非常に苦労し、この鑑定だけで10日間費やすことになりました。
しかし私自身、大変勉強になる貴重な体験をさせたいただきました。
当時のその地域の状況や情勢に思いを馳せたり、人々の暮らしぶりを想像するのも楽しいものです。
神様のことだけじゃなく、歴史や考古学も好きじゃないとこの仕事はできないですね。