スピリチュアルを学ぶにおいて、絶対に知っていたほうがいい歴史があります。まずは、その世界的な始まりから見ていきましょう。
最近、スピリチュアルは日本でよく知られるようになりましたが、近代スピリチュアリズムの歴史を振り返ると1848年にニューヨーク州の片田舎ハイズヴィルで起こった事件が原点になっています。
事件が起こる前年、ジョンとマーガレット夫妻と娘マーガレットとケイトの四人家族のフォックス家はハイズヴィルに引っ越してきました。
引っ越してきた家は以前から幽霊が現れるといううわさがありましたが、一家が引っ越してくると誰もいないのに壁をコンコンと叩くような音が頻繁に聞こえるようになりました。
ある時、娘ケイトが「自分と同じように指を鳴らせるかしら」と幽霊に挑戦しました。
すると、幽霊はケイトが鳴らした指の音の数だけラップ音を返してきたのです。
それを見ていた母親のマーガレットは幽霊に「二人の子供の年齢を当てられるかしら」
と幽霊に挑戦しました。すると幽霊はそれにも正確な年齢をラップ音の数で返してきたのです。
驚いたマーガレット夫人はこのことを近所に知らせに行くと、隣近所から大勢の人が押し寄せてきて夜を徹して幽霊と通信をすることになりました。
その後、ある男がアルファベットの文字盤を使って通信を試みると、幽霊が以前この家で殺された行商人だったことがわかりました。
そして、幽霊が言ったとおりに地下室の壁を壊してみると、そこから行商人の遺体が出てきました。
この事件以降、ニューヨーク州で霊の存在の議論が巻き起こり、それがアメリカ全土、イギリス、フランス、イタリア、日本など各国にわたり、降霊会が行われるようになり、スピリチュアル運動の体系化、組織化が起こりました。
ですから、この事件はスピリチュアルの歴史を語る上で原点と言える、とても重要な出来事なのです。
それは、当時、ハイズヴィル事件の時に少女だったマーガレットとケイトが世界で初めてのミディアム(霊媒)になったことからもわかります。
ラップ音は最初マーガレットとケイトについてまわり、その後、多くの人にも起こるようになりました。
この時期に起こった心霊現象はラップ音、イスや机が持ち上がるという物理的なわかりやすい現象が主でしたが、それは、スピリチュアル黎明期においては、人々に霊というものがあるということを短期間に知ってもらうためでした。
その後、時代とともにこのような物理的な心霊現象はあまり見られなくなり、現代においては、亡くなった方からメールが届いたり、ホワイトノイズから故人の声が聞こえたりするようなかたちで心霊現象が起こっています。