「遠近両用の累進帯はどうやって提案する?」を解説します

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みなさんは「遠近両用の累進帯」ってどう使い分けて提案していますか?

そもそも「累進帯って何?」という方のために説明すると、

遠近両用や中近両用には、「累進帯」と言われる
「遠方度数」の開始位置から「近方度数」の1番強い度数までの長さが
ある程度決まっていて、

実際には「遠方度数」を黒目の位置に設定することが一般的です。



累進帯とは?

累進帯には「ロング」と「ショート」と言われる2種類が一般的で、

メーカーによって累進帯の長さは微妙に違いますが、およそ14ミリが「ロング」、12ミリが「ショート」と呼ばれています。

テストレンズが用意されていれば、違いを体感しやすいですが、そもそもレンズを置いていないこともあるので知識として知っておいて損はしないと思います。



ロングタイプの特徴

ロングタイプは度数変化が緩やかなので、
累進レンズ特有の「歪み」が最小限になります。

フレームの天地幅、いわゆる縦の長さが30ミリ以上あるフレームが推奨です。

初めての累進レンズで眼鏡を作る方には、
比較的慣れやすい特徴が「ロングタイプ」です。

ショートタイプの特徴

度数の変化がロングタイプよりも「早い」ので、
目線を下に落とすのが苦手な方におススメです。

フレームの天地幅も26ミリぐらいまでは何とか入るので、
縦幅が小さいデザインのフレームが好みの方でも使うことが出来ます。

デメリットとしては度数変化が早いので、
少しでも顔を水平より上にあげてしまうと歪みを感じやすいことと、
足元のふわふわした感じが出やすい点です。

中近両用のロングタイプ

遠近両用よりもさらに累進帯は長く、
およそ23ミリぐらいが一般的です。

フレームの天地幅は35ミリぐらいないと
遠方度数がかなり切れてしまうので、フレーム選びは重要です。

中近両用のロングタイプは、遠近両用よりも中間度数の幅が広いので
室内などで使いやすく、

外出などで使いやすい遠近両用から室内に戻った時に
「かけかえ眼鏡」として使いやすい設計となります。

中近両用のショートタイプ

累進帯が20ミリ前後なので、
主にパソコン作業や数メートル先のモニターを見ることに特化しています。

遠近両用ではパソコン作業などが物足りない方に、
中近両用のショートタイプがオススメとなります。

遠近両用や中近両用などの提案方法や度数処方については、
別記事でも詳しく解説していますのでそちらも参考にしてみてください。

まとめ

遠近両用の累進帯はどんな人に提案するのかと言うと、

累進レンズが初めてで、加入度数が1.75までで見えやすく、
パソコン作業でも使いたい人には
遠方から中間視野が広めのロングタイプがおススメ。

目線を下げて見るのが苦手で、
中間視野でパソコンを見るよりも手元の見え方を重視する人
(特に遠近両用の加入度数が年齢以上に入っている高齢の方や遠視の方)にはショートタイプを提案すると使いやすいと思います。


遠近両用で加入度数が年齢の適正度数よりも入っている方には、
無理やり遠近で何とかするよりも、
中近両用を提案する方がほんとうは良いんですけどね、、


基本的にはロングタイプをおススメすることが多いですが、
目線を落とすことが苦手な方には、

1.75加入くらいまでならショートタイプから
体験してもらうことも有りだと思いますし、

中近への切り替えはどうしてもイヤで、
加入度数が年齢を上回っている場合には
ショートタイプはかなり有効な提案ですので、

処方の引き出しとして持っておくといいですね。

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