2020.4.7 名前の意義

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小説
今日は自分で描いたイラストを使って、短いお話を1つ書いてみた。
春の風.PNG

この前日記に記したものとは別のイラスト。
根を詰めすぎるのもイヤだったので雑に描いたけれど、
いい気分転換になった。
やっぱ淡い色が好きなんだなぁ。
短編の題名は「ヒーロー」というやつ。

名前を呼ぶという行為に関して色々と思い入れがあって、
ある演劇のワークショップ中に、
I love youの意味を込めて互いに相手の名前を言い合う
というゲームをした。
初めましてから3日目くらいの1つ年上の男性とペアで、互いの名前を敬称なしで言い合った。最初はとても恥ずかしくて照れ笑いが多かったけれど、相手の言葉を聴いているうちにじんわりと身体に沁み込んでいく感覚になった。
そして、名前を言ううちに、名前を呼ばれるうちに涙が流れだした。
単純に嬉しくて、泣けてきてしまった。

名前というのは「その人を指す第一の言葉」だ。

たとえば、
サッカー元日本代表で、左利きで、フィジカルが強くて、海外の強豪チームで10番を背負ったことのある金髪の大阪出身の男性

といってもぱっと浮かばない人が大半だと思うけれど、

本田圭佑 選手

と言えばだいたいの人が「あぁ、あの人かな」となるような感じ。
名前を呼ばれなくなった時ほど寂しいものはないのでは。

ワンピースのドクターヒルルクも言っている。
「人はいつ死ぬと思う? ―――人に、忘れられた時さ」
リメンバーミーの死者達も、忘れられた時に消える。

名前を呼ぶ、呼ばれる時。
自分や相手の存在を確かめる。受け入れる。
そして自分と相手との関係が深くなっていくほど
相手の名前を愛おしく思える。
そう思えた時に、その人を呼ぶ声はとても中身の詰まったものになる。
想い出の詰まった価値のあるものになる。


名前の意義は、きっとこういうところにもあると思う。
(note掲載 2020.4.7)
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