内向型の原因は「HSP」だからではない⁉【家庭環境の影響】【場面緘黙・アダルトチルドレンについて】

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コラム
こんにちは。
HSPおじさんのながいみつるです。

私は、幼少期から中学生まで、人前で話すことや自己主張することが出来ない「内向型」の性格で悩んでいました。

本日は、その経験をもとに、
私がどのような理由で「内向型」になり
どのようにして「内向型」を克服したのかについてブログを書いていこうと思います。


【私が内向型になった原因と考察】

内向型になるかならないかは、生まれついて共感性があるか(HSP)には関係なく、どんな気質の人でも共通して、家庭環境での親の接し方に原因があると考えます。


私が、いわゆる内向型と呼ばれる性質になった理由は、両親が厳しく親が子供のすべてを決めるという家庭環境が原因でした。

特に私が生まれた40年以上前の昭和の時代は、
実家を長男が継ぐという意識が強く、「長男の嫁」であった母にとって、
跡取りで最初の子であった私の子育ては、相当なプレッシャーだったのだと思います。

当時は学歴社会、受験戦争などの名残が強く、スパルタ教育、塾や習い事など親が子供に「期待」を過度に背負わせていた時代。

そんな中、私の母親も例外なく教育ママとなり、特に私に対しての接し方はヒステリックで、現在では虐待と言われるような暴力や人格否定などの罵詈雑言を受けて育ちました。

その為、私はそんな家庭環境の中、親に意見を言えば否定され叱られたため、幼少期から「自分から意見が言えない子供」に育っていったのです。

もちろん、親から意見を求められることはありましたが、
基本は「母の中に答え」があるので、それにそぐわない意見をしてしまうと「違う」と否定され、何度も正解が出るまで問答の繰り返し。

頑張って、母の期待に応えようと意見を恐る恐る話したものの、自分の意見が間違っていると言われ責められることで、さらに自分から話すことが出来なくなっていく悪循環。

さんざん言葉に詰まり悩んだ後、最終的に「母の意見」に従う。

この為、私は
「自分から意見を言うことが怖い」
「自分の考えは間違っているから自分から決めてはいけない」
「意見を言うと相手に怒られる」
「自分の意見は聞いてもらえない」という認識を持ち、
結果、自己否定的(自信がない)な性格になり、親の許しや人の意見にあわせて判断するようになったのです。

これらの要因が、
親から注意や指摘(自分の選択を否定されてきた事)が『ネガティブ思考』
親が子供の意見を聞かずに行動選択を決めていた事が『内向型』
なった原因と自己分析しています。


【人前で話せない事で場面緘黙に】

小学校に上がる頃、周囲が活発に「自分のやりたい事」「やりたくない事」を自己主張する中、自分から話せずに、いつも人の意見に合わせていた私。

相手から話しかけられれば、
うなずく事や「うん。」「ううん。」などの簡単な返事などは返せるのですが、どうしても「意見を求められる」と答えられない。

同年代の友達から「何がしたい」かを聞かれ『何ていえばいいのか』考えているうちに、時間が過ぎ、ほかの人が意見を言ってくれるのを待ってしまう。

いわゆる、特定の場所、相手、場面、人前でしゃべれない
「場面緘黙」という状態になりました。

この頃になると、両親や学校の先生からも
自分の意見を言いなさい。」「どうして自分から意見が言えないの?」
と聞かれるようになったのですが『何を言えば正解なのか』を考えて迷っているうちにあきれられて終わってしまう。

その為、子供の頃は周りの大人たちからは
「気が弱い。」「人の顔色ばかりうかがっている。」「自分の意見がない。」とレッテルを張られるようになりました。

私は、親や周囲の期待に応えられない自分が嫌で、何度も「自分の気持ち」を言えるように、「何を言えばいいのか」言葉を探していたのですが、
親に植え付けられた不安がどうしても付きまとうのです。

当時は、家庭環境や親の接し方を人と比べることが出来なかったので、自分がなぜ意見を言えないのかその原因を理解出来ませんでした。

ですので、人から意見を求められてもやはり話せない。

自分の意見を言わないといけないと思い、気持ちが焦れば焦るほど、何を言ったらいいのか考えや感情が頭の中にあふれ、のどが詰まって声が出なくなるのです。

しかも、私は子供の頃「吃音」も強かったため、話そうとして焦るほど「吃音」が出てしまい、周囲からからかわれ、また話す自信がなくなる。

なので、小学生時代の私は、周囲に意見を言うことが苦手という事を、どのように理解してもらえばいいのか悩み「なぜ自分から意見が言えないのか」という理由を頭の中で探していました。


【内向型が原因でいじめに】

小学校高学年に上がる頃になると、実家で両親から受ける虐待やプレッシャーが辛くなり、自宅に安心できる居場所がなかった為、祖母の家や友人たちの中にいる事で精神的な安心を得ていました。

しかし、「人の意見を断らない」事と「自分から意見を言わない」事で、クラスメイトから目をつけられ、いじめなどや「からかい」を受けることもあったことを記憶しています。

もちろん、いじめがエスカレートしても、親には心配をかけられないですし、いじめられていると知られれば、私が責められることはわかっていたので親は頼れませんでした。

結果、内向的で自分から思っている事を話せない事が原因で、いじめを受けても親に相談できない状態に陥りました。


【内向型・場面緘黙の克服のきっかけ】

ある日、私が小学校でいじめを受けていることに気が付いた担任の先生が
気にかけ話しかけてくれたのですが、なかなか言葉が出てこない私を見て
「もしかして自分から話せない?」と尋ねられました。

それまでは「どうしたの?」「なんで話せないの」「自分の言いたいことは自分で言いなさい」と「自分から話すこと」しか求められず、相手の決めたことに従うことが出来なかった私は、

初めて人に「自分から話せない」ことに気が付いてもらえた事でホッとしたことを覚えています。

その時に、私は初めて「うん。」とうなずいて、涙があふれました。

先生が優しく「本当は話したいことがあるんだよね?」と一つ一つ聞いて確認してくれることで「うん。」とうなずく。

その後、「無理して話さなくてもいいから、話したいことがあったら話していいよ。」と言われ、そこで初めて母が厳しい事、親に相談できない事を先生に打ち明けました。

その後、三者面談で先生が、私の代わりに母に
「この子は、自分の言いたいことはあるんです。ただ、お母さんや周りに気を遣って言えないだけ。悩んでいる時は、焦らせずに、お母さんから優しく聞いてあげてください。」と言ってくださいました。

そして、先生に促され母に直接「母が怖くて相談できないこと」「自分から話すことが苦手な事」を打ち明けることが出来たことで自分の伝えたいことが理解されたと感じました。

その経験から、徐々に「自分から話せないこと」の理由を考えることがなくなり「自分は自分から話すことが苦手なだけ。人から聞かれたことには答えられる。」事を受け入れたことで
「自分は決して話せないわけではない」という自信をつけることが出来ました。

この時の出来事と、あの先生と出会えたことが、
私にとって最初の「自分の得意・不得意」を認めることが出来るようになったきっかけです。


【内向型・場面緘黙の克服の自主トレーニング】

私の場合、内向型・場面緘黙(人前で話せない・コミュ障)になったのは、家庭内での親の教育が原因でしたが、

話せない理由は「自分から話せない」「自分発信で意見が言えない」「意見を求められても何を言っていいのかわからない」という事だと認識し、

「相手から話しかけられたこと」や「相手に決められたこと」については、会話することが出来る事を自覚しました。


そこで、自分からの感情表現をその場で言葉にすることは難しいので、周囲の人のやり取りを見て「どういう時」に「どう返すのか」、周囲の話し方や返し方をパターンで覚え、返せる言葉の種類を増やしていきました。

TV(ドラマ・映画・お笑い番組・アニメ)の人のやり取り、親や周囲の友人の話し方、内容などを意識的に覚え、脳内で「話しかけられた場合」のシミュレーションを何パターンも繰り返し練習。

鏡の前で、自分一人でゆっくりと自分の声を確認しながら、言葉を声にする訓練を自主的に行い

中学校を卒業するまでには、人前で会話する為に、本来の内向的で引っ込み思案な自分とは違う明るいキャラを作り出すことで、「場面緘黙」と「吃音」は克服できました。

今では、もともと内向的である事や「人前で話すことが苦手である事」「自己主張が苦手である事」「何をしていても自信がない事」を一見して気づかれることはありませんが、人前に立つことに苦手意識と緊張、不安がある事に変わりがありません。

ただし、「好き嫌い・苦手得意」『出来る・出来ない』を分けて、「苦手でもできる」ようになったことで、今では「自分は自信がなくても出来る事」が「私にとっては普通」という新しい自信を持つようになりました。

これが、現在の私の考える克服です。


【子供への接し方の注意点】

様々な要因で内向的になる人や、緘黙になる人はいると思います。

しかし、私のように家庭環境、特に親が子供の行動選択を決め、子供の自由な意見を尊重せずに、否定されて育つことで、その子が自分に劣等感を抱くようになってしまう(内向型・場面緘黙)原因になってしまうことがあります。

『親の意見を押し付ける』
『親が期待を押し付ける』
『子供の意見を押しつぶす』
『子供の意見を頭ごなしに否定する』

親からすれば我が子が心配だからこそ、「失敗をさせたくない」「ちゃんと育って欲しい」と思い、子を守ろうとする親心なのかもしれません。


しかし、その結果、その子が抱える心の傷は計り知れないものがあります。
「自分を好きになれない。」
「自分が嫌い。」
「自分が悪い。」
「味方がいない。」
親に見棄てられることが怖いから、親に相談できない。

決して、大人しいから自分から言うことを聞いているわけでもなく、親の言うことに従う事で安心感やうれしさを感じたことはありません。

ただ怖いから、期待にそぐわなかったらと緊張し不安を抱えているのです。

きっと、虐待や親の過干渉を受けて育った子供は、大人になってもそのような気持ちを引きずってしまうのです。

だからこそ、本当に子供の事を思うなら、同じ「守る」でも「自分の価値観の保守」よりも「子の成長を見守る」事を優先してあげてください。

このような経験をしてきた私だからこそ、人を育てるには「否定する」よりも「その子の気持ちや存在を認める」事が大切だと強く思います。


【まとめ】

ネガティブ思考や内向型(自己肯定感が低いく引っ込み思案・人見知り)という性質は、私の経験上、生まれつき共感性が強く「察する」というHSPの気質とは無関係です

親に否定されたり認められなければ「ネガティブ思考(自己肯定感が低い・自信がない)」

親が子供の行動を先に決め、子供の意見を聞かないことで「内向型(自己主張でコミュニケーションなどの意思疎通が苦手)」
といった、生まれた後の家庭環境の影響が原因


そして、内向型の人
人前で話さなければいけない時に「話せない理由」を話そうと探してしまうと、
様々な理由を考えてしまう事で場面緘黙になりやすい傾向があります。

そんな時は、まず、なぜ話すことが苦手なのか理由を考えるよりも
自分から話すことが苦手」
「自分で話す内容を決めることが苦手」
「目立つことが苦手」
など、事実をそのままに伝えてみて下さい。

「自分から意見することが苦手」だと理解されれば、意見を求められる状況を防ぎ、また、自分の意思でつたえたい事を伝えられたことで、少しづつ「自分の意思表示」を言語化できるようにすることが出来るのではないでしょうか。

答えはとてもシンプルなものだと思います。

事実を「認められる」ことで、どうすればいいのか「改善策」を模索できる。
「嫌いを好きになる」事が克服ではなく、「嫌いでも出来るようになる」事が克服です。

克服とは「弱点の理由」を認めることで「不足を補う」思考を持つことです。

もし、周囲で人前で話すことが出来ず迷っている子供がいたら「どうしたの?」「自分から話すことが苦手?」と聞いてあげてください。

もしかしたら、その子は「話せない」のではなく「自分から話せない」ことに気づいてくれるのを待っているのかもしれません。

今後も、気質をベースにした性格の違いなどの話や、自身の経験をもとにしたブログ等を更新していく予定です。

また、ブログ内容を見てご自身の悩みなどに当てはまると感じた方に向けた、電話相談窓口を開設していく予定ですので、ご興味がございましたら、今後そちらもご利用くださいね(^^)/

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