2020年1月に、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」にかかった日本人が確認されてから早くも2年が経ちました。
緊急事態宣言や、まん延防止措置など政府からさまざまな対策がとられ、私たちの生活は一変しました。
コロナ禍により外出・会食・帰省など自粛が求められています。日常生活の行動制限を強いられ思うようにストレス発散ができず、我慢をしている方も多く見受けられると推測されます。
この記事は、「やる気がわかない」、「何をしていても楽しめない」など、メンタルヘルス不調を訴える人が、どのような精神疾患の可能性があるのか、メンタルヘルス心理カウンセラーの資格保持者のカウンセラーが説明していきます。
不調を訴える人が増えたワケ
以下、NTTデータ経営研究所調査報告抜粋
■労働者の約2人に1人は精神的に健康度が低く、うつ病や不安障がいなどの精神疾患を発症するリスクが高い
■新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置以降ストレスや悩みが増加し、メンタルヘルス不調をきたしていると回答した人は6割にも上る
現在抱えている不安の多くに、
■自分や家族、大切な人の健康についての不安や心配
■イライラや焦燥感
■気分の浮き沈み
■過度な飲酒・喫煙
などがあげられています。
ストレスが影響する病気~4つの症状~
コロナ禍ということもあり、
「緊急事態宣言で思うように外出ができない」
「時短営業ばかりで外食も思うようにできない」
「将来どうなるかわからない不安」
など、先の見えない不安や環境の変化によりストレスを感じている方は少なくないでしょう。
ストレスによる身体の不調を感じた場合は、以下の4つの可能性がありますので、早めにチェックしましょう。
うつ病(コロナうつ)
メディアなどで最近よく聞く「コロナうつ」という言葉は医学的に定義されたものではありません。新型コロナウイルスに関連したストレスによる、気分の不調をきたしている状態を指します。
「気分が落ち込んでいる」「何をしていてもやる気が起きない」といったような状態は、実は精神症状の1つです。
そんな状態を放置し安易に考えていると、そのうち睡眠障害や食欲不振、疲れやすくなり、思考や集中力が落ちるといった身体症状もあらわれてくる場合もあります。
うつ状態では、物事の捉え方が否定的になり「自分はダメな人間だ」と感じてしまうこともあり、ストレスが原因でメンタルヘルス不調の発症要因になると考えられます。
うつ病のサイン
■やる気が出ない
■自分を責めてばかりいる
■落ち着きがない
■食欲がない
■眠れない、逆に過度に寝てしまう
■体がだるい
■動悸がする
■めまい
■口が乾く
など、上記の「うつ病のサイン」に1つでも当てはまる、身体的にいつもと様子が違うようなことがあればメンタルヘルス心理カウンセラー(当方)への受診をおすすめします。
うつ病の場合はストレスが改善されてもうつ状態は続きますので注意が必要と言えます。
強迫性障害
新型コロナウイルスとは関係ないのではないかと思いがちですが、強迫性障害は不安障害の一種です。
「何度も同じことを繰り返す」、「特定のある行動をしないといられない」などあります。
家族や周囲の人たちとの関係が悪化する二次的な問題が生じるケースも少なくないとされています。
症状はさまざまありますが「肌荒れするまで手洗いや消毒を繰り返す」などコロナ禍において「不潔恐怖」の方が増えてきました。
「洗っても洗っても、まだ汚れていると気になって過度に手を洗ってしまう」
「蛇口やドアノブに触れただけで不潔と思い、また手を洗ってしまう」
今のご時世確かに手洗いやうがいは大切ですが、、、
「石けんがなくなるまで洗ってしまう」
「手荒れするほど過度に洗ってしまう」
不安を解消しようと過度に続ける行為は、強迫性障害かもしれません。
適応障害
「今まで楽しんでいた趣味への興味が湧かなくなった」、「何をしていても楽しくない」などイライラ感が募り、物事を悪い方へと考えてしまうなど、ストレスによって気分の落ち込みや意欲の低下、不眠など心身に不調があらわれる症状です。
特に「適応障害」では、「精神面」、「行動面」、「身体面」の3つに症状があらわれます。
□精神面 憂うつ感、怒りや焦り、集中力の低下
□動面 喧嘩など攻撃的な行動や暴飲暴食、無断欠勤
□身体面 発汗、めまい
などがあげられます。
適応障害は特定の状況から離れると緩和される傾向にありますが、コロナ禍という状況を変えることは難しいため、うまく対処しつつ日常生活を送ることが求められます。
自律神経失調症
ストレスなどで交感神経と副交感神経のバランスが崩れさまざまな症状を引き起こします。
交感神経とは活動する神経であり、副交感神経はリラックスの神経です。交感神経が高ぶっている状態なので動悸やめまい、不眠などの症状をもたらすとされています。
自律神経失調症の症状
■動悸
■めまい
■不眠
■倦怠感
■胃もたれ
■便秘や下痢
など、自律神経失調症は周りから気づいてもらえないことが多いので、他の人に相談できたときには、すでに症状が悪化していることもあります。
上記の「自律神経失調症の症状」に1つでも当てはまる場合は、注意が必要です。
メンタルヘルスカウンセラーへの受診も視野にいれよう
誰でも不安や落ち込むことはあるでしょう。
眠れない、食欲が湧かないと思う日もあると思います。
しかし2週間以上経っても改善されない場合は、メンタルクリニックへの受診をおすすめします。
「メンタルクリニック」というと、怖いイメージや周りの人にばれたくないと思う方も多いかと思います。
また精神疾患には根強い偏見もあり、患者さん本人も家族も病気だと認めたくない傾向にあります。
周囲の人も本人に伝えづらいというのが実情でしょう。
しかし、「うつ病」や「うつ状態」の人の割合はコロナ前と比べて2.2倍に増えたとの調査結果が出ています。
メンタルに症状をきたしている人は、『あなただけではない』ということを決して忘れない安心して、ご連絡(メッセージ)してくださいね。
「ココナラ」のオンライン診療でしたら、、周りにバレたくないという人でも自宅で簡単に診察が受けられます。
1日でも早く多くの人が元の生活に戻れるようになることをお祈り申し上げます。
「幸せホルモン」で元気に!
あなたは最近、日光浴や運動はいつしましたか?
太陽の光を浴びたり、軽い運動をすることはストレスを軽減させるためのセロトニンの分泌を増やす働きをしてくれます。
セロトニンとは、脳にある神経伝達物質のひとつで別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
日光浴や適度な運動でセロトニンが増え、ストレス解消やポジティブな気持ちになるなどの効果が期待できるとされています。
日光浴の方法
目が覚めたらカーテンを開け10分~30分程度、太陽の光を浴びる。
そうすることで目の網膜から光を浴びることにより、セロトニンが活性化されます。寝ている間はセロトニンの分泌がストップするので、起きたら太陽の光を浴びて元気スイッチを入れてあげましょう。
適度な運動
一定のリズムを繰り返し行うウォーキングやジョギングなども効果的です。5分~30分程度「集中して」行うことでセロトニンが活性化するといわれています。
音楽を聴きながら、考え事をしながら運動するのではセロトニンの活性化に繋がりません。ながら運動するのではなく、「集中」して、運動してくださいね。
【あなたは大丈夫?】コロナ禍で生じるメンタルヘルス不調④選。まとめ
コロナ禍で疲れも溜まりストレスも多いですが、人とのかかわりは無くさないようにしましょう。
1人で解決できないことは、専門のカウンセラーに悩みを打ち明けてみることが大切です。
話すことで気持ちが軽くなることもあります。
また太陽の光を浴び、軽めの運動をしてリフレッシュしてみてくださいね。
「こんな時代もあったね」と笑って話せるような、明るい未来を想像して乗り越えていきましょう。