混合ワクチン接種って必要なの?

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前回は、犬の狂犬病ワクチンについてお話ししましたが、今回は犬猫の混合ワクチン接種の必要性に関して、解説していきたいと思います。

混合ワクチンとは?

まず、混合ワクチンとは複数の感染症の病原体(細菌やウイルスなど)を1度の予防接種で予防できるように混ぜて作製されたものです。
予防できる病気の数が異なり、その組み合わせによって以下のようなものがあります。
犬であれば1種・2種・3種・5種・6種・7種・8種・11種混合ワクチンなどが存在します。
一方で猫用の混合ワクチンは、3種・5種の2つが一般的です。

どんな病気が予防できるの?

<犬の混合ワクチン>
①犬ジステンパー
②犬伝染性肝炎
③犬伝染性喉頭気管炎
④犬パラインフルエンザ
⑤犬パルボウイルス感染症
⑥犬コロナウイルス感染症
⑦犬レプトスピラ感染症(約250種類の血清型があり、イクテロヘモラジー・カニコーラなど)

<猫の混合ワクチン>
①猫汎白血球減少症
②猫ウイルス性鼻気管炎
③猫カリシウイルス感染症
④猫白血病ウイルス感染症
⑤猫クラミジア感染症

混合ワクチンの種類によって、犬猫それぞれこれらの病気の中から複数を組み合わせたものを選択して接種します。

健康な犬の場合は、5種・6種混合ワクチン、健康な室内猫の場合には3種混合ワクチン、外出して野良猫との接触が起こりうる猫の場合には5種混合ワクチンを接種されることが多いでしょう。

混合ワクチンの接種は必要?

とくに犬を飼い始めた方は混同しがちですが、混合ワクチンの接種に法律的な縛りはありません。
つまり、混合ワクチンの接種は飼い主の義務ではありません。

しかし、予防接種により他の犬猫から愛犬・愛猫に感染しうる病気を防ぐことができます。
イメージとしては、人がインフルエンザの予防接種を受けにいくのと一緒でしょう。

中でも仔犬・仔猫の場合は必要性が高いと考えられます。
具体的には1ヶ月ごとに1回2〜3回の接種が推奨されています。
混合ワクチンで予防できる病気のいくつかは、仔犬・仔猫の時に発症しうるものであり、発症してしまうと成長を遅らせたり、最悪の場合亡くなってしまうことがあります。

健康な成犬・成猫では年1回〜数年に1回の接種が推奨されています。
数年に1回の接種を行なう場合、1年ごとに抗体検査を実施して免疫状態を確認した上で判断する方が安心です。

混合ワクチンの副作用は?

ワクチン接種後、アレルギー反応が起こることがあります。
一時的に具合が悪くなってしまったり、お顔が腫れてしまったりすることで見つかることが多いです。

とくに強いアレルギー反応の場合、アナフィラキシーショックとなり、治療が遅れると命の危険があります。

また、1度アレルギー反応が出た動物では、同じ種類のワクチンを接種すると再度アレルギーが生じやすく、以前よりも強い反応が生じる傾向にあるため、注意が必要です。

予防効果と副作用のリスク、どっちを取るべき?

繰り返しになりますが、混合ワクチンは義務ではありません。
そのため、かかりつけの獣医さんと相談した上で最終的には飼い主が判断すべきと考えています。

仔犬や仔猫の場合は、免疫力を維持した上で健康に成長させるために混合ワクチンは必要です。

健康な成犬の場合には、やや必要性は下がります。
しかし、普段近所の犬猫と接触する機会があったり、日常的にペットホテルドッグランペットサロンを利用していたり、動物病院に預ける機会がある時には事前の接種が推奨されます。
施設内・院内感染を防ぐことが目的です。

ただし、高齢の犬猫持病を持っている場合ワクチンアレルギーの既往歴がある場合などは要相談です。
ワクチンの必要性よりも副作用の負担の方が大きいでしょう。


このように、混合ワクチンの必要性はペット、飼育環境、ご家庭によって様々です。
もし、みなさんの愛犬・愛猫に混合ワクチンが必要なのかどうか、悩まれているのであればご相談下さい。

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