愛犬が何か飲んでしまった!自宅で吐かせるべき!?

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第3回になりました。
本日は愛犬が何かを飲んでしまった時に自宅で吐かせるべきか、についてお話していきたいと思います。
結論から言いますと
ご自宅で吐かせるのは、正直どの方法もオススメしません!!

もちろん、何かが一番重要なのですが、
ここでは...
・チョコレートや玉ねぎなど、中毒を引き起こす食物
・ボタンやヘアゴムなど、消化されないものの吐かせる際に食道や喉に詰まりそうではない物質
などを想定して、解説していきます。

自宅で吐かせる方法

はい、あることはあります。
でも獣医師としてはあまり勧められません。
インターネットで調べてみるとたくさんヒットしますよね。
・食塩を舐めさせる(目安は、体重4~5kgあたりティースプーン1杯の塩。だそうです)
・過酸化水素水 3%を体重1kgあたり1mlほど飲ませる
・頭を下にして持ち上げて背中を叩く など
でも、正直どれもデメリットの方が起こりやすく、命の危険が及ぶことまであります。

食塩は舐めさせることで確かに犬が吐き気を催すことはあるのですが、副作用として塩分の過剰摂取が起こり得ます。
それにより、高ナトリウム血症になると浸透圧の影響で脳細胞から水が浸み出し脱水することで神経症状(発作や昏睡など)が生じることがあります。
理論的には、ナメクジに塩をかけるのと一緒です。。。

過酸化水素水(=オキシドール)は少量飲ませると、犬の胃に刺激が加わり吐かせることができます。
が、その際に胃の粘膜を荒らしてしまい、胃炎になることがあります。
もっとひどい場合、胃の粘膜に穴が空き(=穿孔)、胃酸がお腹の中に漏れて腹膜炎を起こします。
こうなってしまうと、入院治療が必要ですし、最悪数日以内に亡くなってしまう可能性があります。

じゃあ、お家で中毒物質を飲んだらどうしたらいいのでしょうか?

何かを飲んだ時に望ましい対応

まずはお近くの動物病院へ電話で相談して下さい。
そして今から診てもらえる病院を全力で探しましょう。
夜だとしても最近では24時間診察をしている救急病院が増えてきました。
その上で、飲み込んでしまったものや大きさを出来るだけ"正確に"伝えましょう。

診てもらえるようであれば、すぐに向かってもらいたいですが、その際にもしておくといいことがあります。
・本当に飲み込んだのか、もう一度家の中をチェックする
・飲み込んだものと同じものがあれば持参する
この2点は押さえておくと獣医さんも診察をする上ですごく助かります。

動物病院では薬物を使って比較的安全に吐かせることができますが、それでも副作用がないわけではありませんので、
本当に飲んでしまったのか、
お腹のどの位置にあるのかレントゲンやエコー検査で映るものなのか、
を確認した上で相談して吐かせる処置(=催吐処置)を行います。

また、動物看護師や獣医師の指示で診察は必要ないと判断された場合には、数時間くまなく様子を見ましょう。
様子の変化があればもう一度同じ動物病院に連絡して指示を仰いで下さい。

まとめ

食塩やオキシドールを使ってご自宅で吐かせるのは大変リスクを伴います。
吐かせる時に誤嚥してしまう可能性もあり、ご自宅ではすぐに治療に移れません。
動物病院で診てもらえるのであればそれに越したことはないです。

何か飲み込んでしまった場合には、時間の勝負になることがありますので、タイムラグが生じる相談はあまり望ましくありませんが、
今回の内容について、分からないことがあればご相談頂ければお分かり頂くまでご説明させて頂きたいと思います。

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