高齢ペットの麻酔は危険?麻酔のリスクを知ろう!

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コラム
日本では現在、人と同じように犬猫の高齢化が進んでいます。
高齢化が進むにつれて発症する病気もあり、その検査・診断・治療において全身麻酔が必要となるケースも少なくありません。
今回はそんな、高齢のペットにおける麻酔についてお話ししたいと思います。


犬猫も高齢化!?

その前に、犬猫における高齢化のデータをご紹介します。
とあるペットフード協会から報告されているものでは、
犬の平均寿命:14.44歳
猫の平均寿命:15.03歳
とされています。
10年以上前と比較しても徐々に犬猫の平均寿命が延びてきていることが明らかです。
そのため、犬猫でも高齢化が進んでいると言えるでしょう。


犬猫に対する麻酔ってどのくらい危険なの?

次に、犬猫全体に対する全身麻酔のリスクを知っていただきたいと思います。
日本における動物病院のうち、2次診療施設で集めたデータですが、
全身麻酔によって残念ながら亡くなってしまった犬猫の割合は
0.65〜1.05%
だったとされる報告があります。
対して人における同じデータでは0.05%以下とされます。
すなわち全身麻酔に関連した死亡率は、人の医療における割合と比べると、犬猫では10倍以上のリスクがあると言えます!

これを聞くときっと「思っていたより多いなぁ」「麻酔って怖いなぁ」と思われるのではないでしょうか?

しかし、今回紹介したデータは2次診療を担当する動物病院でのものです。
このような2次診療施設では健康な犬猫に全身麻酔をかけることは滅多にありません
そのため、日本全国の動物病院で行われている麻酔に関連した死亡率は本来はもっと低いと考えることができます。

それでも高齢の犬猫の全身麻酔では、人や若く健康な犬猫と比べると5〜10倍以上リスクがあると考えられます。


うちの子、高齢だけど麻酔は無理なの??

動物病院ではよくこのような質問を受けることがあります。
答えとしては、
「若い子・健康な子と比べると麻酔に伴う危険は起こりやすくなるものの、高齢だから不可能ではない」
が正しいかと思います。

一方で、高齢な犬猫に全身麻酔をかける上で大切なのは、
・持病の有無が分かっていること
・持病がある場合、その病気や症状を治療によりコントロールできていること
です。
この2つを重要視することで、獣医師はより安全に麻酔をかけることができます。

そこで大切になることが、健康診断・定期検査です。
犬猫は7〜8歳を過ぎると一般的にシニア期に入ったと考えられます。
シニア期では健康診断を半年〜1年に1度
もし持病があれば担当医の指示に従った定期検査を受けておきましょう。


高齢のペットを飼われている方は多くいらっしゃるかと思います。
高齢になったことでお悩みのこと、お困りのことがあればなんでも構いませんのでお気軽にご相談下さい。

また、本記事のようなブログ記事の原稿作成も行なっています。
ご希望の方はお気軽にご連絡下さい。

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