誤嚥性肺炎-老年期-入院10日目‐ゴードン-1-アセスメント-看護計画

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【今回の情報】

〇基本情報
・氏名:A氏
・性別:男性
・年齢:85歳
・現病歴:誤嚥性肺炎
・既往歴:脳梗塞(右半身麻痺)、高血圧、肺炎
・身長:165cm
・体重:63kg
・家族構成:妻(82歳)、息子(60歳、既婚、子供2人)、娘(57歳、既婚、子供1人)
・職業:元教育者(中学校の理科教師)
・性格:穏やかで理論的、人の話をよく聞く
・嗜好:好奇心旺盛で、新しいことを学ぶのが好き。科学雑誌を読むのが特に好き。
・飲酒:飲酒は過去に頻繁だったが、高血圧のため現在は週1回のみ、量も少なめ。
・喫煙:若い頃はタバコを吸っていたが、60歳で禁煙した。
・趣味:自然散策(特に鳥の観察)、読書(科学、自然、歴史)、囲碁
・食事:A氏は食事摂取量が8割程度で、主に介助を受けて食事を摂取している。妻が小さく切った食物をスプーンで口元に運ぶ介助を行っている。入院後は食事量が5割程度と低下している。
・水分:1日の水分摂取量はおおよそ1200mlで、自身でコップを持ち上げることが可能。ただし、注ぎ込むのは介助が必要で、妻が手渡している。
・嚥下力:一部の食物でむせこむことがあるため、食物はなるべく柔らかく、小さく切ることで対応している。
・認知機能:A氏の認知機能は概ね保たれており、日常会話や状況把握に問題は見られない。
・睡眠:A氏は毎晩7時間程度の睡眠をとっており、睡眠剤は使用していない。
・服薬:高血圧の薬を日々服用しており、飲み忘れることはほとんどない。必要に応じて妻が確認している。
・コミュニケーション:会話能力は保持しており、家族や訪問者と頻繁にコミュニケーションを取っている。
・歩行 移乗:右半身の麻痺の影響で歩行が困難で、移乗時には家族の完全な介助が必要である。
・排尿:1日に約5回、合計で約1500ml程度の尿を排尿しており、尿は透明で異常はない。しかし、トイレまでの移動が困難なため、尿器を使用し、家族が介助している。
・排泄:1日に1回程度、形状正常の便を排泄している。トイレへの移動が難しいため、介助が必要で、便器を使用している。
・入浴:週2回、家族の介助で風呂に入っており、シャワーで体を洗うことが多い。
・着脱:衣服の着脱は右半身麻痺の影響で困難で、家族が全ての手続きを支援している。
・アレルギー:特定のアレルギーは報告されていない。
・信仰:特定の宗教に対する信仰はないと報告されている。

〇入院経緯
A氏の今回の入院は、急性誤嚥性肺炎の発症によるものである。家族からの報告によれば、A氏は夕食中に突如として咳き込むようになり、その後熱が出始めた。翌日、近所のクリニックでX線を撮影したところ、肺に浸潤陰影が確認され、即座に地元の病院へ搬送された。病院でのCTスキャンと血液検査の結果、誤嚥性肺炎の診断が確定され、抗生物質による治療が開始された。

〇治療経過
"治療の経過については、抗生物質の投与により体調が順調に改善し、肺炎の症状は数日で収まった。しかし、嚥下障害の問題が依然として残存していたため、栄養状態とリハビリテーションの見通しを考慮し入院を継続することとなった。入院中は専門の言語聴覚士による嚥下訓練が行われ、食物の形状や固さを工夫を検討している。食事量がなかなか増えない状況である。現在入院10日目であり、今後食事状況をみて退院に向けて調整中である。

〇バイタルサイン
(入院初日)
体温37.8℃、脈拍92回/分、呼吸数22回/分、血圧142/88 mmHg、SPO2 93%

(入院10日目)
体温36.7℃、脈拍86回/分、呼吸数18回/分、血圧135/80 mmHg、SPO2 98%

〇言動
入院初日、A氏は「元気が出ない。食事もあまり進まないんだ」と医師に語った。妻は医師に対し、「私がいつものように介助できると良いのですが、少し心配です。彼の食事量が減っていることが気になっています」と話していた。
入院後1週間、A氏は看護師に対し、「ここ数日は少しだけ食欲が戻ってきたような気がする。でもまだ元気が出ないな」と話していた。

〇内服薬
・ロサルタン:1日1回、朝食後に服用
・アスピリン:1日1回、朝食後に服用
・アトルバスタチン:1日1回、夕食後に服用
・ワーファリン:1日1回、朝食後に服用
・フロセミド:1日1回、朝食後に服用

〇採血データ
・総蛋白:6.2 g/dL
・アルブミン:3.6 g/dL
・BUN:23 mg/dL
・GFR:52 mL/min/1.73m2
・K:4.6 mEq/L
・Na:140 mEq/L
・Hb:12.5 g/dL
・WBC:6000 /μL
・血糖値(空腹時):110 mg/dL
・HbA1c:6.1%
・クレアチニン:1.2 mg/dL
・AST:25 U/L
・ALT:20 U/L
・LDLコレステロール:130 mg/dL
・HDLコレステロール:50 mg/dL
・トリグリセリド:150 mg/dL
・CRP:0.2 mg/dL
・血小板数:250,000 /μL

【アセスメント】

1.健康知覚-健康管理

〇健康状態、受診行動、疾患や治療への理解、運動習慣、服薬状況、身長、体重、BMI、飲酒、喫煙の有無、既往歴
●健康状態
A氏は85歳の男性で、現病歴に誤嚥性肺炎を持つ。既往歴としては脳梗塞による右半身麻痺、高血圧、肺炎がある。現在、入院中であり、誤嚥性肺炎の治療を受けているが、食事量の減少と嚥下障害が問題となっている。嚥下障害によるむせ込みが誤嚥性肺炎の引き金となったと思われる。身体的な活動は右半身麻痺により限定され、家族の介助が必要となっている。一方で、認知機能は概ね保たれており、会話能力も保持している。

●受診行動、疾患や治療への理解、服薬状況
A氏は自身の健康状態について理解しており、治療や服薬についても適切に対応しているよが自宅では妻の見守りで内服管理をしていた。治療の経過については抗生物質の投与により体調が順調に改善しており、抗生物質の理解と服用状況は良好と思われる。しかし、嚥下障害が依然として問題となっており、今後のリハビリテーションの進行と結果次第では、生活習慣の変更や新たな介助が必要となる可能性がある。

●身長、体重、BMI、運動習慣
A氏の身長は165cm、体重は63kgである。これに基づきBMIは23.2であり、日本の基準に照らすと適正な範囲内にある。しかし、入院後の食事量の低下が報告されており、栄養状態の低下や体重減少が懸念される。また、右半身麻痺の影響で運動能力に制限があり、全般的な活動量が低下していると思われる。

●呼吸に関するアレルギー、飲酒、喫煙の有無
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