パーキンソン病-老年期-入院後数日-ゴードン-1-アセスメント-看護計画

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【はじめに】

このブログでは、アセスメントの見本をご紹介していきます。
私が看護学生や新人看護師の時、看護過程の展開をするにあたって、どのように記載したら良いか分からずに困った経験があります。
そんな時、先生や先輩のアセスメントの見本を確認させて頂き、
「なんだこんな風に書けばよかったのか!」と今まで悩んでいた書き方が、
一気に整理できるようになりました。

「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、
書き方の見本を参考にすることで、理解が進み、自分の知識も広がります。
また、日本語の使い方や言い回しについて、学習することができるので、文章力をつけることにも役立つと考えています。

ぜひこのブログを参考にして、ご自身のアセスメント力の幅を広げる糧にして頂ければ幸いです。


当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです。ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用するようにしてください。

当ブログの内容を無断で複製・転用することは、許可していません。
著作権侵害に当たるので、他の方に見せたり、コピーして配布することは禁じます。

注意点を守って活用していただければ幸いです。


内容は適宜、最新の内容に更新します。
看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なりますので、確認する方によっては、一部不十分な部分がある場合があるかもしれません。

【サービス紹介】

事例の見本を作ってほしい!
アセスメントの書き方がどうしても分からない!
といったお悩みの方は、こちらのサービスを利用もございますので、
興味がある方は、気軽にご相談ください。
※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。

【今回の情報】


〇 基本情報

・氏名 年齢 性別:S氏 男性 65
・現病歴:パーキンソン病 右下肺誤嚥性肺炎
・既往歴:パーキンソン病(55歳) 高血圧症 ・脳梗塞(約5年前)
・身長(㎝)体重(㎏):170㎝ 68㎏
・家族構成:配偶者と二人の子供がいる、4人家族
・職業:無職 
・性格:明るく社交的で、周囲の人々とコミュニケーションをとることが好き。寛大な性格で、他人の意見にも耳を傾けるように心がけている。
・嗜好 趣味:甘いものが好きで、よくケーキやアイスクリームを食べる。コーヒーや紅茶が好き。ボランティア活動が好きで、地元の高齢者施設でボランティア活動をしている。また、読書が趣味で、特に歴史小説を好んで読んでいる。

〇 ADL・食事など
・歩行 移乗:入院前は、歩行自立。入院後は肺炎のために体力が落ちたため、歩行ふらつきがありつかまり歩行または歩行器見守り。
・排尿:通常に排尿、排泄ができている。入院中は500~600ml/日排尿量が少なくなっている。
・排便:もともと2~3日に一回 入院後酸化マグネシウム内服を開始して毎日排便あり
・食事:健康的な食生活を心がけており、バランスの良い食事をとるようにしていた。肉や魚、野菜など、幅広い食品を食べるように心がけていた。入院後5日間は絶食、6日目から食事を再開。7日間ビーフリード輸液1000mⅼ/日施行。
・水分:水分補給には、水やお茶をよく飲む。入院してからは多くても500ml。
・嚥下力:時々食事中にむせることがあった。水分ではむせなく飲めている。
・睡眠:健康的な睡眠を心がけており、毎晩7~8時間の睡眠時間。入院後も同様に眠れている。
・入浴:入浴は好きで銭湯にもよく行っていた。肺炎のために入院中は倦怠感から入浴に介助が必要。 ・着脱衣:入院前は、自立。肺炎のために体力が落ちたため、入院中は自分での着脱が困難になり、看護師が一部介助。
・服薬:高血圧の既往があるため、降圧剤を毎日自己管理で内服している。入院中に処方された薬も自己管理で、看護師が内服後に確認をして間違いなく内服できている。
・コミュニケーション:周囲の人々とコミュニケーションをとることが好きで、入院中も看護師や医師と話をすることを楽しんでいる。
・社会参加:高齢者のボランティア活動に参加
・アレルギー:なし
・信仰:なし

〇 入院経緯
〈初期症状〉
・55歳の時につまずきやすくなり、パーキンソン病と診断され内服治療をしていた。
・S氏はしばらく前から、疲れやすくなり食欲も落ちていた。
・最近食事中にむせやすくなっており、息苦しさや咳が出やすくなっていた。
・数日前から微熱~高熱が続いていた。
〈受診〉
・心配になった家族ととも近くの病院を受診した。診察では、痰の色が黄色っぽく右肺の呼吸音が弱いことが確認された。
・胸部X線写真では、右肺下葉に炎症所見が認められた。
・血液検査では白血球数、CRPが上昇していた。

〈緊急入院〉
・鈴木さんは誤嚥性肺炎の診断を受け、緊急入院となった。
・入院当初は、熱や咳などの症状が強かったため、酸素吸入や抗生物質の静脈内投与が行われた。

〇 治療経過
・入院して絶食となり一日1000mlの点滴と一週間の抗生物質の指示があり、点滴終了後は炎症が軽快しており経口の抗生物質に切り替えられた。入院6日目から食事を再開している。
・入院後から酸素投与を3Lで開始。入院3日目までは動いたり、酸素を外すとSPO2が95%以下まで低下し呼吸苦の症状があった。発熱も治まり、酸素吸入の量を徐々に減らされ入院5日目には酸素を中止。
・点滴中はほぼ寝たきりの状態で、体力が低下し車いすを使用していたが、歩行器や手すりにつかまり見守りで移動できるようになってきている。症状が軽快し、退院に向けて運動療法を開始することになった。
・定期的に身体検査を受け、症状の改善が確認されたため、2週間後には退院が検討されることになった。

〇 バイタルサイン(入院時)
体温 :39.1℃ 血圧:140/90㎜Hg 脈拍 :110回/分 SPO2 :93% 酸素:カヌラ3L 呼吸数 :25回/分

〇 本人の言動
(S氏)「肺炎になってから体がだるくてしんどい。でも、頑張って治療を受けて早く元気になりたい。家族のことも心配だし、一日でも早く退院したい」
(妻)「家族全員が心配しているので、早く治療が終わって元気になって欲しい。入院中は、何かあったらすぐに連絡してほしい。家族でしっかりサポートしていきたいと思っている」
患者と電話で話した時には、声をかけて励まし家族みんなで患者を支えようと話していた。

〇 内服薬
・抗生物質: ジスロマック錠 500mg(1日1回、朝食後に服用)
・解熱鎮痛剤: カロナール錠 500mg(発熱時、6時間あけて服用)
・酸化マグネシウム: マグミット錠 1000mg(1日3回、食後に服用)
(入院時持参薬)
・ドパストンカプセル250mg(1日3回、食後に服用)
・イーシードパール100mg(1日1回、朝食後に服用)
・アムロジピン錠5mg(1日1回、朝食後に服用)
・シロスタゾール錠50mg(1日2回、朝夕食後に服用)

〇 採血データ
白血球数 12,000 /μL 赤血球数 4.0 × 10^6 /μL Hb 11.5 g/dL Hct 34.5 % PLT 300,000 /μL TP 6.5 g/dL Alb 3.5 g/dL AST 45 IU/L ALT 35 IU/L Na 140mEq/L K 4.0mEq/L CRP 12.0 mg/dL BUN 18mg/dL CRE 1.2mg/dL


【アセスメント】

1.健康知覚-健康管理


〇健康状態、受診行動、疾患や治療への理解、運動習慣、服薬状況、身長、体重、BMI、飲酒、喫煙の有無、既往歴

 パーキンソン病とは、脳の中にあるドーパミン神経細胞が死滅することにより、運動機能の障害を引き起こす病気である。主な症状は、身体の震え、筋肉の硬直、運動の鈍さ、バランスの悪化などで、進行すると日常生活に支障をきたすことがある。発症年齢は、50歳以上の男性に多く見られる。パーキンソン病の原因は、不明だがドーパミン神経細胞の死滅が起こると、脳の中にある基底核という部位が正常に機能しなくなり、運動制御がうまくいかなくなるとされている。また、一部の遺伝的な要因によっても発症することがあるとされている。現在、パーキンソン病に対する治療法としては、症状を軽減するための薬物療法が主流である。具体的には、ドーパミン補充療法やドーパミン作動薬、抗コリン薬などが使用される。これらの薬剤は、脳内のドーパミン神経細胞を活性化し、運動機能の障害を改善する効果がある。一方、パーキンソン病の予防については、現在のところ特に明確な方法はないといわれている。しかし、健康的な生活習慣や、適度な運動などが、病気の発症を遅らせる効果を発揮できる可能性がある。
 S氏は、パーキンソン病と右下肺誤嚥性肺炎を患っている。55歳でパーキンソン病と診断され内服治療をしていたが最近むせやすくなっており、咳嗽と発熱を主訴に受診し緊急入院となっている。既往の脳梗塞による麻痺の情報はないが、パーキンソン病による嚥下機能の低下からの誤嚥性肺炎と考えられる。右気管支は左気管支よりも太く、肺への気管支の角度が鋭角であるため誤嚥による気管支から肺への流れ込みやすい構造である。そのため、今回は右下肺誤嚥性肺炎を発症した可能性が考えられる。入院時には高熱が続いており、SPO2が93%と低下していたため入院後酸素療法が開始された。入院時の血液データでは白血球数12,000 /μL、CRP12.0 mg/dLと炎症反応が上昇しており、肺炎による炎症反応に対して、抗生剤の点滴が開始された。入院後3日目までは呼吸苦症状やSPO2の低下があったが、5日目には症状は治まり酸素は中止、発熱も治まっている。治療方針として、抗生剤の点滴から抗生剤を内服薬に変更し治療の継続をして経過をみていくこととなった。S氏はもともとの内服管理を自己管理できていたため、入院後も体調が落ち着き新しく処方された抗生剤の内服も自己管理をしている。内服後に間違いがないか看護師が確認する対応としているが、間違いはなく内服管理ができている。(S氏)「肺炎になってから体がだるくてしんどい。でも、頑張って治療を受けて早く元気になりたい。家族のことも心配だし、一日でも早く退院したい」と話しており、今後は2週間ほど経過をみて退院の方向となっている。入院中に体力が低下し、歩行状態が不安定なため運動療法も開始となった。
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