ルーツや先祖はどこまで辿ることができますか?

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 先祖調べや、ルーツ探しを希望なさる人にとっては「どこまで辿ることができるのか」ということは、興味深い質問だと思います。

 これは、その家によってまったく違うので、「調べてみないとわからない」という身もフタもない答えになってしまうのですが(苦笑)

 けれど、どんな風に過去へ調べが進んでゆくのか、そのあたりをお話しましょう。


<第一段階 明治から江戸末期まで>


 みなさんが一般的に「うちの先祖」とか「家系図が」といったイメージをお持ちになるのは、この段階です。
 実は戸籍をたどれば明治29年前後に存命だった人の先祖は誰でも辿ることができるので、自分で戸籍をとって家系図を作る人もたくさんおられます。

 行政書士資格を持っている人は「他人の戸籍を代理でとる」ことができるので、「家系図つくります」という業者さんは、その資格を利用して家系図にまとめて仕上げるサービスをしておられます。

 ですが、自分でもできるので、ご予算に応じてお好きなやり方で取り組んでみてください。

 とまあ、ここまでは一般的な話で、誰でもできるので当方では「家系図の作成」はやっていません。

 それよりももっと専門的なことに取り組んでいる、と考えていただければと思います。(全体的な氏族の歴史に着目して、進めます)

 わずかながら「明治の段階で発生した苗字・名字」があるので、その場合はそこでストップです。確率的には数%しかありません。9割方はもっと先へ行けます。



<第二段階 信長の時代くらい>

 確率でいえば7割〜8割くらいの「田舎の農家です〜」というおうちに多いのがこのパターンです。いまの田舎の地域に先祖がやってきたのが「戦国時代」というおうちがかなり多く、この頃に日本の農村の多くが形成されたように思います。

 この段階でわかるのは、「みなさんの先祖が、だいたいこのくらいの時期に、今の田舎の土地にやってきたよ」ということです。

 今、みなさんが「実家」や「本家」だと思っているおうちが、戦国時代くらいからあるよ、ということがわかるということですね。

 なぜ、明治からいきなり戦国時代に飛ぶのかというと、「江戸時代は移動や転居がきびしく制限されていた」からです。

 商人や武士などは、「移動」がありますが、「田舎の農家」と思っているおうちはほとんど移動がありませんので、「戦国武将だったときの領地」にそのまま江戸時代も、そこにいることが多いです。

 なので、いきなり戦国時代まで遡れるというわけです。

 ところが、ここまで来るともっと先へ遡れます。なぜかというと、その土地で「名字や氏族が発生した」ということはごく稀で、もっと別のどこかからかやってきてその土地を領有したパターンが圧倒的に多いからです。

 さすがは「戦国」時代ですから、氏族は土地を取り合って戦うし、新たな土地をめぐって移動します。元の場所からは離れていることが多いのですね。



<第三段階 室町時代から鎌倉時代>

 ほとんどの名字・苗字はおおむねこのあたりで発生しています。なので「うちの苗字の語源を探ってください」ということになると室町時代や鎌倉時代にたどり着くことが多いと思います。

 私の苗字についても父方が室町時代です。母方は戦国時代から室町時代の間くらいでしょうか。

 ただ、まだ先へ辿れます。「苗字」としてはこの時代に発生していますが、どこかの氏族の「分家」としてその苗字や名字が誕生しているので、おおもとの氏族はもっと先へ遡れるわけです。

 みなさんがいま名乗っている「苗字・名字」についてはここまでですが、属していた氏族や先祖はもっと先までいける、ということですね。



<第四段階 平安時代や奈良時代>

 この時期から「今の苗字・名字」が続いている人はガクッと減ります。

「源」さんや「平」さんがまわりにほとんどいないのはそのせいで、氏族としては当然この時代からいるのですが、自分の領地などの名前を「名字・苗字」としてつけてしまうので、いまみなさんが使っている苗字・名字とは直接リンクしなくなってきます。

 ただし、「ある名字・苗字がどの氏族から分かれたか」ということはわかってきますので、おおもとの氏族が平安時代や奈良時代に何をしていたかは、見えてきます。


<第五段階 豪族や神話の時代>

 ここから先は、平安時代などに活躍していた氏族が「古墳時代にどこの豪族だったか」とか「どの神様の子孫を名乗っているか」というレベルになってきます。

 平安時代くらいまで氏族を遡ることができれば、自動的に「神様の話」や「豪族の話」までたどり着きます。

 もちろん、このあたりになってくると史実という名の神話みたいなものなので、歴史的にはファンタジーの領域です。

 ただ、「どんな神様を信仰して、その子孫を名乗ったのか」みたいなことはわかってきますので、みなさんのお参りする「神社」への気持ちが大きく変化する可能性はあるでしょう。


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 実は、第三段階くらいまでいければ自動的に第五段階へは行けます(笑)

 それくらい氏族と神話は結びついているので、「室町時代や鎌倉時代に大名や武将だった」というところまでいければ、どこまでも遡れる、ということになります。

 ぶっちゃけ源氏や平氏であれば、もとは皇族なんだから、アマテラスまで自動的にいけますよね(笑)

 ひとつの分岐点はやはり「戦国時代にどこで何をしていたか」でしょう。

 そこが判明するかどうかで、先祖調査・氏族のルーツ調べは大きな山場になります。


 ご参考になさってくださいね。











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