ものすごく当たり前のことですが、「少子化」が叫ばれて子どもの出生数が減ってゆくと、「名字」「苗字」あるいは「氏族」というものの数は、物理的に減ってゆきます。
考え方としては、子どもがたくさんできると、「その苗字や名字・氏族を継承してゆく人たちが増える」ということなので、名字の数は維持されます。
(ここで間違ってはいけないことがひとつあります。明治に苗字を名乗るように法律ができてから、新たに「新しい苗字」ができることはほとんどありません。なので、数はあまり増えません。
たまに新しい苗字が増えるのは「外国人が帰化した場合」などです)
さて、
国土交通省が公開している上の図では、2010年ごろからすでに人口が減少していっており、今は2023年ですから、まさに
”名字や氏族が減り始めた”
スタート地点にあたります。
なので、名字調べやルーツ調べは、今後「どんどんと辿りにくくなる」「だんだんと消えてゆく」方向にあります。
普通の日本の家庭だと、男子が名字を継承することが多いので、男の子が1人生まれればその名字は残ります。
ところが女の子の場合は、結婚して名字が変わってしまうことが大半と思うので、「名字が今後増えない」ということを前提にすれば、基本的には名字は減少してゆきます。
こどもがどんどん増えて、なおかつ男の子が2人以上ずつ増えるということがない限りは、名字は減少してゆくのが当然ということになるでしょう。
この話は、皇室の皇位継承者がどんどん減ってゆくことにも似ています。天皇になれる継承権は、「男子」にしか与えられていないので、おなじことが起きるんですね。
ほかにも氏族やルーツがたどりにくくなる事情があって、実はこれまで戸籍を保存する期間が80年と決まっていました。
なので、お役所は80年経てば戸籍のデータを破棄してしまってもかまわなかったのですが、それではまずいと
「平成22年に戸籍の保存期間を150年にする」
ように変更されました。
ところが、問題なのは「80年でよかった時代に捨ててしまった戸籍」です。
いくらあとから150年に変更しても、すでに捨てられてしまったものは取り戻せませんから、みなさんのおうちの先祖の戸籍が残っているかどうかは
「戸籍の記録を取得してみないとわからない」
ことになってしまいます。
この意味でも、まさに林先生のことばではないですが、先祖調べをするなら
「今でしょ!」
ということになるのです。
もし、ルーツについて知りたいと漠然と思っている方がいれば、ぜひお早めに取り組まれることをお勧めしています。