ある自殺志願者とのチャットカウンセリング

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コラム
昨日、チャットカウンセリングに、Aさん(仮名)というある自殺志願者の男性の方からご相談を受けました。以下、その内容を一部割愛して、御紹介させていただきます。
何か感じること、学ばれることがあれば幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーAさん:私は精神障害者1級(うつ病・適応障害・自閉症スペクトラム障害)です。19歳の時に職場と信仰のギャップのストレスでうつ病を発症し、依頼、精神科に通院し、一昨年、精神障害者1級の認定を受けました。現在は無職で、障害年金で生計を立てています。私には予てから夢があり、それを叶えるために3年前、上京しました。しかし、コロナ禍の影響でそれが実現不可能になり、そのストレスと絶望感で希望を見失い、将来を悲観するようになり、精神症状は悪化し、重複受診を繰り返し、ODで薬物依存症になり、依存症専門の精神病院に入院しました。半年間の入院生活を経て、退院後、1年半かけて薬物依存症からは回復し、今のところスリップはしていません。しかし、障害等級が1級になり、就労困難になり(これまで15回も転職していて、適応障害の為、どこに勤めても長続きしません)、予てからの夢も諦めざるを得なくなり、このまま障害者として不毛な人生を送って、何の生きた証も残さず、自己実現の欲求の追及もできず、精神障害者という汚名を残し死んでいくのだと思うと、生きていくこと自体が非常に辛くなり、何か違う生き甲斐を探そうと試行錯誤しましたが、どうすることもできず、私自身が存在していることに違和感を感じ、この世から消えてしまいたい。死にたいという欲求が日に日に強くなってきました。自○は大罪で成仏できないと言われていますが、この際そんなことはどうでもよくて、とにかく死にたいという気持ちが常に脳裏から離れません。死に対しての恐怖感は全くなく、自分自身から逃げたいという気持ちで一杯です。

私:Aさん、お話にきてくださりありがとうございます。

Aさん:宜しくお願い致します。

私:夢があったけれど、コロナ禍の影響によってストレスや絶望感から希望を失ったのですね。
同時に体調も優れず、思うような時間を過ごしてこれなかったこと、お辛いことと思います。
薬物依存から回復されたとのこと、相当な努力とご自身の気持ちに向き合ってこられたお姿伝わってきましたよ。

生きていくのがつらい、と思うほどに苦しんでおられるのですね。

Aさん:1年半かかりましたが、薬物依存症からは回復し、それでもいつスリップするか分からないので油断ができない状態です。
今は、障害者一級で、将来に希望が持てず、家庭も持っていないので、先行きのことを考えると絶望感しかありません。

この世から自分を抹消したい。死にたいという思いが非常に強く、自分自身から逃げ出したい気持ちでいっぱいです。

私:油断できない緊張感をお持ちなのですね。。

将来に希望が持てず先のことを考えると不安な気持ちなのですね。
ずっと抱えてこられたのでしょう。

逃げ出したい、というお気持ち伝わってきますよ。

Aさん:重度の鬱病なので、抑うつ症状が強い時は薬への葛藤に苛まれます。依存症の時、かなりつらい経験をしてるので、あんなふうに、またなりたくないという理性で何とか抑えています。
健常者の時の自分と比べて、障害者になってしまって、でも知的障害ではなく、性格も変わっていないので、プライドとかが許さず、この先、障害者として不毛な人生を終えてしまうより、いっそのこと惨めな自分、壊れてしまった自分を消してしまいたい。障害者という自分から逃げたい。生き恥を晒しながら生きていくことは我慢できません。

なんしろ、疲れました。

私:そうだったのですね。
生き恥と感じるほどに苦しいのでしょう。

これまでたくさん、たくさんご自身の気持ちやうまくいかなさを抱えてこられたAさんを想像します。

今のままでは生きていくのは我慢できないお気持ちなのですね。。
障がい者になったことで惨めな気持ちになるのは、どんなお気持ちからですか。

Aさん:自分に負けたのです。自殺は成仏できないと言われていますが、この際そんなことは関係ありません。こんな生き恥を晒しながら、自己実現の追及もできない、孤独な人生を生きろというのは拷問ではないでしょうか?そんなら、自分のプライドを持ったまま、自殺した方が後悔はありません。誰も恨んではいませんし、思い残すこともありません。輪廻転生して生まれ変わった自分に希望を見出したいです。

私:自分に負けた、と感じでいるのですね。
孤独な人生と感じながら過ごしていくのは拷問と思うほどに、Aさんにとっては苦しいことと思います。
どんな未来であったら、と思われますか。

Aさん:健常者だった頃の、明日に希望を持ちながら自己実現の追及のために努力し続ける、夢を持った未来に生まれ変わりたいです。
今は、明日に絶望感しかなく、それを考えてると憂鬱しかなく、こんな自分から逃げ出したい。自分はこんな人間じゃないという違和感を感じます。
それを考え続けていると、もう諦めというか疲れてしまい、消えたい、死にたいという思いが脳裏から離れません。

私:そう思われるのですね。
自己実現の追求、Aさんは努力をし続けたい野望をお持ちの方なのだと伝わってきましたよ。
だからこそ、諦めないといけないといった状況に耐えられないほどのしんどさなのでしょう。

Aさん:野望?そうなのでしょうね。
健常者だった頃は、夢に向かって努力することに、様々な試練はありましたが、諦めずに乗り越えてきました。培ってきたもの、学んだ事、得られたスキルや成果は、そんな反骨精神から生まれバイタリティとなって勝ち取ってきたものだったと、いまになってはそう思います。
でも、精神障害者1級というハンデはあまりにも重すぎる。太刀打ちできない。自分じゃない自分が常にネガティブに引きずり込む気がする。
それを足掻き、薬の力を借りながらも戦ってきた。でも、勝てない。堂々巡り。限界を感じました。もう、疲れた。解放されたい。

私:そういった気持ちを抱えて乗り越えられたのですね。
精神障害者1級とつけられても、Aさんというお人は、評価できないほど素晴らしいお方だと私は思っていますよ。

一方で、ずっと戦ってこられたのですよね。
限界を感じてしまうのも、ご無理ないと思います。
疲れてしまいましたよね、解放されたいですよね。

同時に、自分が思うAさんでいてほしいと思いましたし、うまくいかなさを感じることが増えたかもしれませんが、負けたとは思いませんよ。
人間だれしも休憩の時間は必要ですからね。

Aさん:そう自分に言い聞かせてきたときもありました。
でも、堂々巡りなのです。
休めないのです。
はい、解放されたいです。
逃げてもいいじゃないですか。
死ぬことも、確かに自殺は大罪でしょうが、死んだ後に生まれ変わった自分に、一分の望みくらいあるでしょう?

私:何度も何度も乗り越えようとされてこられたのですね。
逃げても良いと、私も思います。
今日のようにお気持ちをこれからも吐き出していってほしいと思っていますよ。
Aさんがどんな気持ちで、どうやって過ごしていくのか一緒に考えていきたいですし、これからもみていきたい、って思っていますよ。

そろそろお時間になってしまったのですが、お話されてみていかがでしたでしょうか。

Aさん:負け犬の遠吠えですが、少し熱くなれた自分がよかったです。
どこか、近くに話を聴いてくれるカウンセラーさんがいる機関はありませんか?

私:負け犬の遠吠えとは思いませんよ。
お話してきてAさんが抱えてこられた情熱や信念も感じました。
今も感じるのはAさんがそういう心をお持ちの方ということです。
100%だし続けるのは難しいですから、波があっても仕方のないことだと思いましたよ。ここに素直に吐き出せることも、素敵だなと思いましたよ。
お話を聞いてくれる人ですね。
お調べしてみますので、お住まいの地域を教えていただけますでしょうか。

Aさん:ありがとうございます。
○○○○です。

私:○○○○ですね、少々お待ちくださいね。

お待たせいたしました。
こちらのサイトに相談できる窓口がのっています。
お時間あるときに見てみてくださいね。

(URL)

Aさん:ありがとうございます。
相談して見ます。
今日は、ありがとうございました。

私:こちらこそありがとうございました。
またお話しましょうね。

今日はご相談ありがとうございました。

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以上です。
如何でしたでしょうか?

自殺を思い詰める人は、当人以外は想像もできないくらいの苦しい葛藤の中で戦っていて、それでも生きていきたいと、心休む暇もなく自分と戦っているのだと、そう感じます。
とりわけ、障がい者というハンデキャップをお持ちの方は、それにも増して自分の意思とは関係なく、症状に苦しめられ、筆舌に耐え難い生きづらさや苦しみを背負いながら、生きるか死ぬかの瀬戸際を彷徨い、障がいと自分の絶望感や悲観と戦い続けているのです。

カウンセラーとしてできることは、その苦悶をしっかりと傾聴し、受容と共感・比喩表現の土台を基礎に希望を問い掛け、存在を承認し、誉めて差し上げることで心を開き、抑え続けてきた負の感情を表現してくれる場合が少なくありません。

言いたかったことを吐き出してくれた方は、Aさんのように冷静になって、再び救いの道を模索し始めようとする方もいらっしゃいます。

カウンセリングでは、クライアント様が、本当は何を訴えたいのかしっかりと洞察し、「私はあなたの味方ですよ。決して孤独ではありませんよ」と寄り添う姿勢で話を傾聴することで、本能的に安心感を得られ、ニュートラルな感情を取り戻すことも少なくありません。

そうすることによって、希死念慮から緩和され、癒されることも可能だと思います。

このブログをご覧のカウンセラーの方、そして今、とてもお辛い悩みに苦しまれている方、私が少しでもお役に立ってたらと切に願っています。
あなた様からのご相談をお待ちしています。

最後まで、ご高覧ありがとうございました。

                ☆メンタルヘルスナビゲーター☆濵野功一


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