不安を和らげるセルフレスキュー(感情調整の方法)

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今日は、「自ら癒す力を培う」援助をするための知識として「感情調整の方法」について、共有したいと思います。
【感情調整の方法】
~不安な気持ちやネガティブな気持ちが強い時に、気持ちを和らげる方法~
1.気持ちを和らげる(感情調整)
・ストレスがかかる状況にいると、特に不安やイライラなどの気持ちが強くなることがあります。
・そのような気持ちが出てくるのには理由があり、私たちの周囲で起きていることを知らせてくれています。例えば、不安な気持ちは「何か良くないことが起きそう」という状況で、準備をするように私たちを動かします。
・不安な気持ちに気づいて「不安になるのも当然だな」と受け止める、今できることをすることで不安は落ち着いてきます。しかし、不安が強すぎる時には、適切な行動をとることもままならなくなります。そんな時には気持ちを和らげる『感情調整』スキルが役に立ちます。
2.感情の3つのチャンネル
・気落ちを和らげるために、私たちの感情体験を「身体」「思考」「行動」の3つのチャンネルに分け、それぞれのチャンネルを通して感情が表現されると考えてみます。
■身体チャンネル:あなたが体で感じる事
■思考チャンネル:あなたが自分自身に言ってること、あなたの考え
■行動チャンネル:苦痛に対してあなたが実際にすること
3.3つのチャンネルごとの感情調整法
・気持ちを整える時には、チャンネルごとにできることがあります。
・3つのチャンネルは互いに関連し合っているので、1つのチャンネルをターゲットとした取り組みが、他のチャンネルにも影響を与えることが予測されます。
・人によって、取り組みやすいチャンネルは異なります。また、1つの方法が全ての人に役立つわけでもありません。様々な方法を試してみることで、あなたにとって最も効果的なスキルが見つかるでしょう。
4.身体チャンネル
・集中呼吸法が苦痛の身体的症状の軽減に役立ちます。他のリラクゼーション法(ヨガ、ストトレッチなど)も使えるでしょう。
・五感を使ってリラックスする方法もあります。たとえば、樹木や植物を眺める(視覚)、リラックスする音楽を聴く(聴覚)、アロマの匂いをかぐ(嗅覚)、誰かにマッサージしてもらう(触覚)、好きな飲み物をじっくり味わう(味覚)など、一つの感覚に集中することで感覚を和らげることが出来ます。
・セルフケアを意識することも役立ちます。身体的健康を改善させるために活動を考えましょう。運動をしたり、十分な睡眠を取ったり、身体によい食事を摂ることで、感情やストレスに対応しやすくなります。物理的環境を快適に整えることもできます。
5.思考チャンネル
・注意のシフトが効果的です。中止をシフトする活動の例は、家を掃除する。友人に電話を知る。休暇の計画をする。過去の楽しい出来事を思い出す、7つ飛ばしで後ろから数をかぞえることです。
・前向きなイメージを使うこともできます。この技法は、あなたを落ち着かせ、気分を良くするような(実際の、あるいは想像上の)状況や環境を思い浮かべることです。前向きなイメージから最大の効果を得るためには、その場所がどんなところか、どんなにおいがするかなど、出来る限り鮮明にイメージすると良いでしょう。
・前向きなセルフスタートメント(自分にかける言葉)も使えます。自分に対して批判的な時には、前向きな反応を考案し、否定的なセルフスタートメントに対抗することが出来ます。例えば、「私には何もできない」という思考に対しては、「私は自分にできることをやっている」「一歩ずつ確実に」などと自分に言い聞かせることが出来るでしょう。
6.行動チャンネル
・タイムアウトが役立ちます。タイムアウトとは、反応する前に苦痛を軽減できるよう、ストレスの強いまたは困難な状況から一定の時間離れることです。例えばあなたが家族と喧嘩していたら、その話し合いは一時間後にしましょうと相手に伝えてから、落ち着きを取り戻すために外へ散歩に出かけます。
・代わりの行動とは、過食や飲酒などの行動を、同様の効果が得られる他の(楽しいまたは中立的な)行動に置き換えることです。家の掃除、ジョギングコースを数回走る、車を洗う、縄跳びをするなどです。
・楽しめる活動を増やすことも大切です・有意義で楽しい活動を日常的に行うようにします。ポジティブな感情を増やすことは、ネガティブな気持ちを和らげる事にもつながります。
(出典:国立精神医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部 ストレス災害時こころの情報支援センター)
~私の考察~
私たち人間は感情の動物です。喜怒哀楽、その感情を司っているのは潜在意識と顕在意識の働きによって起こり、それに与える出来事によって変化します。現代のこのストレス社会。メンタルケアに於いては、他者療法に依存するのではなく、自己療法で「自ら癒す力を培う」ことが、あなたの本来の人間性を不自然なく発揮でき、心のレジリエンスやストレス耐性の強化にもつながります。
いきなり最初から、感情のセルフコントロールを出来る人はいません。感情を表に出さないまでも、心の中では様々な感情が蠢いているものです。それを客観的に見つめなおし、この「感情調整」のセルフケアができるようになったら、例え、大きなストレスになるようなことにあっても、感情の調整ができ、精神疲労を重ねることなく、平常心を保つことが出来ると考えます。
療法士様自身の感情調整は勿論のこと、クライアント様に感情調整の方法をアドバイスするに於いて、まずは療法士様ご本人がそれを体験し、自らの感覚や表現でクライアント様に援助を行うことが出来るのではないでしょうか。
最後までご高覧いただき、ありがとうございました。
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