TOEICに出てくる仮定法とはどんなものか? TOEIC質問箱

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こんにちは高橋です。

仮定法というと、その普通の文章とは違う「型」自体が問われることが多いはずですが、TOEICでは、その特殊の形を穴埋め問題などで問われることはほとんどありません。

TOEICに出てくるのは、例えばこういう文章のなかに入っている「仮定法」です。


“Did I drink a lot?”
“Quite a bit. I would have died.”


これは村上春樹の『風の歌を聴け』の英訳ですが、どこに仮定法が隠れているのかというとI would have died.の部分です。

これで「俺だったら死んでいる」という意味になります。

つまり正式な形は「If I had been you(もしくはIf I were you), I would have died.”」です。

この「If I had been you」という前提を抜いて「would」だけが残った形が会話では当たり前のように出てきますが、これがTOEICで頻出する「仮定法」になります。

特に注意しなければならないのは、リスニングです。

『公式問題集』でもこの前提を抜いた仮定法というのはちょくちょく出てきていて、しっかり認識できていないと妙な訳を当ててしまうことになってしまいます。

『公式問題集8』では、ノートパソコンを修理に出すようにすすめる定員と客の会話で、以下のようになっている部分があります。


店員:~But you should back up your data first.
客:I do have some important documents in my files.
店員:I wouldn’t risk losing those. Why don’t you take a few minutes to back them up now?


訳を当てるこうなります。

店員:~But you should back up your data first.→ただ、まず自分のデータをバックアップしたほうがいいですよ。
客:I do have some important documents in my files.→私のファイルの中には確かに大事な文書が入っています。
店員:I wouldn’t risk losing those. Why don’t you take a few minutes to back them up now?→私なら、それらを失うリスクは冒したくありません。数分お時間を取って、今からそれらをバックアップしてはいかがでしょうか?


仮定法はもちろん最後のI wouldn’t risk losing those.という文章です(つまりIf I were you, I wouldn’t risk losing those.というのが正式な形)。

この文章は「わたしはデータを失うリスクをおかしたくない」という風に「店員」が行為の主体になって発言しているのではなく、「『私があなたの立場だったら』そういう危険は冒しませんよ」とアドバイスしているわけです。

こういう風に「would」のみを使って仮定法の意味を表す表現がTOEICでは特に注意が必要です。

仮定法の文章の型を覚えたあとは、特に意識して「would」の文章を追ってみることを「私だったら」おすすめします。




●追伸
村上春樹のは『やがて哀しき外国語』のなかで

「アメリカで運転していて楽しいことのひとつに前の車のバンパーに貼ってある馬鹿馬鹿しいステッカーを見ることがある」

という風に言っています。

短い文章をつづってあるステッカーが車のバンパーに貼ってあることが多いそうですが、その実例の一つが「I’d cheat on Hillary, too」というものです。

これはクリントン元大統領がホワイトハウスの元インターンとの「不適切な関係」を暴露されたことがあり、それを受けての文章です。

意味は「ヒラリーが妻だったら俺でも浮気する」ということです。

もちろんここにも「If I were you」が隠れているわけです。

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