「ADR調停人」とは

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ADR (Alternative Dispute Resolution)とは、裁判外紛争解決手続き、裁判外紛争解決制度などと訳され、裁判手続きによらない紛争解決手法を指す言葉です。
通常、裁判は、ある当事者間の紛争について裁判所が最終的な判断を示すことによって、その争点に最終的な解決を与えます。
これに対し「ADR」は当事者間の自由な意思と努力に基づいた「話し合い」によって紛争の解決を目指すものとされています。
ADRを利用すれば、裁判に比べて簡易・柔軟・迅速な対応ができ、非公開のうちに解決することが可能です。
主に消費者トラブルの解決等を目的に、国民生活センター紛争解決委員会等の認証機関によって実施されています。
具体的には、民間事業者が行なうADRでは、当事者と利害関係のない公正中立な第三者が「調停人」として当事者の間に入り、専門家としての知見を活かしながら、話し合いによって柔軟な解決を図るよう定められています。
そしてこの調停人には、誰もがなれるわけではありません。
ADR 調停人となるためには、➀法律知識、➁紛争分野の専門性、➂ADR技術の3つの能力要件を満たす必要があります。 
実は、こういったADRは消費者だけでなく、不動産事業者にとっても有益な制度だといえます。
というのも、不動産事業者がトラブルの当事者の板ばさみになり、その解決のために多くの時間や労力を浪費してしまうケースがあるのです。
そのような場合にこそ、話し合いをベースに簡易・柔軟・迅速に、安く具体的な解決策を提案できるADRは非常に有効といえるからです。
不動産事業におけるADRとホームインスペクター
では、不動産事業におけるADRは、どのようにして手続き・実行されるのでしょうか?
不動産事業においては、ADR法(裁判外紛争解決手続きの利用の促進に関する法律)に基づき、2017年3月15日に法務大臣より認証を受けた紛争解決機関「一般社団法人日本不動産仲裁機構」の存在が知られています。
※平成19年のADR法の施行により、弁護士または弁護士法人でなくても法務大臣から認証されれば報酬を得て和解の仲介ができるようになりました。

もともと、弁護士以外の者が、調停や当事者同士のトラブル解決に踏み込むことは、弁護士法で禁止されている「非弁業務」に該当したのですが、今後は、ADR調停人であればトラブル解決まで合法的に携わることができ、規定に従った報酬を得ることもできる仕組みになったというわけです。
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