●イベントやキャンペーンを実施する目的って何ですか?
ほとんどの場合、目的は「見込み客集め」にあると思います。
多くの経費を使い、今後商品(やサービス)を購入してくれる見込み
のお客様を探すわけですね。
ひとりでも多くの見込み客を集める必要がありますので、あれこれと
様々な「メリット」や「特典」を提示して、興味を惹きつけます。
そのメリットが魅力的であればあるほど、消費者は惹きつけられ、イ
ベント会場に足を運ぶことになります。
…と、ここまでは、あなたも「販促計画」の段階で十分に熟考してい
ることでしょう。
しかし、そこから先もう一歩踏み込んだ計画を立てることで、その後
の成約率が大きく向上する方法をご存知でしょうか?
●このノウハウは、私が2年前に取材させていただきましたS工務店
さんからお聞きしたものですが、
数年前、神田昌典さんが火付け役となり、「DRM=ダイレクトレス
ポンスマーケティング」が一世を風靡しました。
広告でいきなり売りつけるのではなく、見込み客を集めるための特典
などを準備し、まずはリストを集めるという方法ですね。
工務店さんなどの場合、『損をしない家の建て方』といった小冊子な
どが多いですね。
この方法ならお客様も損をすることがありませんし、「売る側」とし
ても、見込み客の連絡先がわかりますので、その後何度でもアプロー
チできるというわけです。
この方法は、100年ほど前のアメリカで生まれた秀逸な手法で、こ
れが日本でも数年前にブレークしたわけです。
…ただ、たくさんの会社がこのDRMという手法を導入し、結果的に
どこも“似たような”販促策を展開するようになりました。
こうなると、お客様の反応も下がっていきます。
だって、どこも同じようなやり方なのですから…。
そういう状況で、私が取材したS工務店さんも悩んでいました。
しかし、ある日小冊子をお渡ししたお客様から、こんな問い合わせを
受けたそうです。
「この小冊子はとても勉強になりました。もっと住宅について勉強し
たいのですが、続きはありませんか?」と。
そうなんです!
お客様は何かモノを購入するとき、その商品について「勉強」したい
と思っているのです。
特に、家や車などの高額商品、保険などの継続商品に対しては、貪欲
に情報を集めようとしているのです。
これが大きなヒントとなり、S工務店の社長は「2段階式DRM」を
考案し、これを意図的に展開することで、成約率を2倍近くにまで伸
ばすことに成功しました。
その方法についてご説明いたします。
●普通の販売方法は、魅力的なメリットや特典で見込み客を集め、イ
ベント会場で懸命に売り込みます。
しかしそこで販売する商品が“高額”であればあるほど、たった1回
のイベントでは購入決定に至らないことが考えられます。
車や家といった高額商品を、その場で即断即決する人なんて、ほとん
どいませんよね?
そのような場合は、イベントで得られた見込み客リストをもとに、後
日個別訪問をし、アプローチしていきます。
しかし、この図式はイベント時の
【メリット提供】
から一転して、
【売り込み】
になってしまいます。
これをもっと自然な形にしたのが、
『メリットの2段階提示法』
です。
●先にもお話しましたが、住宅販売などの場合、イベント時のメリッ
トとして、『損をしない家の建て方』といった小冊子を配ります。
この小冊子を“2段階”にするのです。
イベント時に配る小冊子を「前編」とし、前編の最終ページに
「後編」があることを明記します。
※イベントの広告に「前編」などと書く必要はありません。
「後編をお読みになりたい方は、弊社までご連絡ください」
と記し、それを後日持参することを理由に訪問するわけです。
前編の内容も充実させなければいけませんが、後編はさらに中身の濃
いものを用意する必要があります。
見込み客に「どうしても続きを読みたい!」と思わせなければいけま
せんので。
この方法なら、イベント後の【売り込み】から、180度違う形で訪
問することが可能となります。
なにせ、お客様のほうから「来てくれ」とアプローチされるわけです
から。
この“違い”は大きいです。
●2段階のオファーは、「前編・後編」という名称でなくても構いま
せん。
後編の小冊子を「DX版」「有料版」「完全版」などとネーミングし
てもいいいと思います。
たとえお客様のほうからアプローチがなくても、訪問営業のアポ取り
の際の強力な材料として、使うことができます。
「先日お渡ししました小冊子には、実は続きがありまして…」
という営業トークも可能となります。
つまり、イベント時における「オファー」はその場で完結させる必要
はないということ、です。
その場で完結させるから、その後の営業がしにくくなるわけです。
…であれば、連続的にオファーを提示して、継続的に見込み客と接触
すべきです。
またそのほうがお客様も多くのメリットが得られ、喜びますし、どん
どん情報を提供することで、あなたの会社(商品)への信頼度が向上
してくのです。
さらに、接触回数が増えれば増えるほど、あなたに対する信頼感や安
心感も高まります。
つまり、「売れる確率」がどんどん高まっていくというわけです。
●2段階小冊子以外にも、イベント時に「今年の占い」を実施し、そ
の後それをもっと発展した「人生の占い」を提供する、なんて方法も
ありますし、
イベント時に見込み客の写真撮影をし、その後その写真をもとにした
「オリジナルラベルのワイン」プレゼントなども考えられます。
要は、イベント時にもらうメリット以上に価値のあるものを提供すれ
ばいいのです。
イベント時に与えるメリットを一過性のものにするのではなく、その
後の訪問の際に「武器」となるさらなるメリットを用意するわけです
ね。
そうすることで、自然な形で2回目の訪問を実現することができるよ
うになります。
1回目のアプローチでは購入決定してくれなくても、2回目では決定
してくれる可能性はかなり高まります。
2回目訪問時に「この前はどうも!」と挨拶するだけで、「知ってい
る人」になるわけですから。
●この「2段階販促」は、3段階・4段階でもいくらでも作ることが
できます。
また、そういった販促ツールがなくても、2回目訪問時には3回目訪
問のための「理由探し」を必ず行なうようにしてください。
3回目のときは4回目の…。
さらなる提案でもいいでしょうし、お客様からの不満や要望を聞き出
し、それに対する「回答」でもいいと思います。
それを繰り返すことさえできれば、何度でも訪問することができます
ので、お客様にとってもあなたが“無視できない存在”となり、成約
の可能性が究極的に高まるのは間違いありません。
その他にも、診断テストをして、その「結果」。
クイズやアンケートを書いていただき、そのプレゼントなど。
常に“次”を意識して販促ツールを作成するのです。
せっかく多大な経費をかけて実施したイベントを、たった1回だけの
アプローチに限定してしまうのは非常にもったいない話です。
ちなみに、S工務店の社長によると、まだこの方法を意図的に実施し
ている会社は住宅業界ではほとんどない、とのこと。
たしかに私も見たことがありません。
今一度、イベント・キャンペーンの「本当の役割」を見つめなおして
みてください。
そう。
イベント開催の本当の目的は、そこから先さらに個別訪問させてもら
うために実施すべきものなのです。
●ちなみに、この方法をある印刷会社に紹介したところ、そこでも高
い効果を発揮しました。
新規営業の訪問ツールとして、「前・後編」の小冊子を用意し、それ
をもとに営業活動をされたそうです。
その印刷会社では営業効率を高めるために、「後編」のお届けは郵送
とし、電話でフォローを行いました。
それまでの新規営業活動では最低でも5回以上の訪問がないと受注に
いたらなかったのですが、「2段階式DRM」を実施することで、2
~3回目での初受注の件数が圧倒的に増えたそうです。
さらに、先に有益な「情報」を提供した上での受注ですから、値引き
要請も減ったそうです。
●接触回数を増やせば、成約の確率は高まります。
情報を提供すれば、信頼感が向上し、成約の確率は高まります。
いずれも当たり前のことですが、これを意図的に行うことができるの
が「2段階式DRM」なのです。
あなたの業界でまだこの方法を採り入れている会社が少ないのであれ
ば、今がチャンスです。
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