大切な人へ気持ちを育てるメッセージギフト、HEART HUGを思いついたきっかけ

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コラム
40代になると、死について薄っすら意識するようになると言いますが、まさに私もそうでして。

メンタル超繊細で、すぐに生活に支障をきたす自分について改めて考えた時、私は、母との別離に耐えられるだろうか?と思いました。

漠然とした不安を持ちながら日々を過ごしていましたが、その頃マンションコンシェルジュとして勤務していた物件で、あるご入居者のご主人がお亡くなりになる、という出来事がありました。

程よい規模の物件だったため、入居者さんとの関わりが多く、心の距離も近い環境でした。

そのご夫婦は、いつも仲睦まじく、お二人だけで静かに暮らしていらっしゃいました。ご葬儀も、お1人で気丈にこなしておられましたが、お顔に浮かぶ暗い影から、強いご心痛が伝わってきました。

人の出入りが止み、元の静かな日常に戻った頃から、徐々に心配になってきました。普段の人となりを拝見していて、とても規範意識が強く独立独歩。できることは自分で何でもきちんとやる、という奥様で。細やかな気遣いをされる方でもあるので、遠慮して人に話せず、悲しさを全部1人で抱え込んでおられるように、見受けられたからです。 

静かな暮らしを常とされていたので、パーティなどの集まりはもちろん、あまり 出歩いたりもされない方で。目が虚ろで、前かがみで力なく歩かれる姿をお見かけする度に、大切な人を亡くした喪失感から、うつ病になってしまうのでは、と自身の闘病経験から、心配が募っていきました。 

お1人住まいになったので、一日中殆ど口をきくこともない、という状況にはハ ラハラして、見ていられなくなりました。奥様宛に手紙を書こうかと迷い、下書きを始めては消し、を繰り返していましたが、やはり後々後悔はしたくない、と思い。

グリーフケアについて聞いたことがあったので、ネット検索し、情報を探しまして。躊躇いつつ、ご参考までにとレターを残すことにしました。 

翌日、奥様から話しかけられて、お礼と、教えてもらったグリーフケアの講習会に行くとのご報告があり、さらに後日、講習会に出て、今のこの暗いトンネルにも出口があると感じられた、と感想を共有くださいました。 

孤独の深淵を彷徨いながら、大切な人を失った喪失感を癒し、そして同時に、
“その人と一緒に生きた自分”、“その人だけに存在した自分”も、徐々に閉じていく、丁寧な作業が必要なんだな、と感じました。

また、大切な人を亡くした後の苦悩を思った時、“後悔の重荷”についても考えるようになりました。

私は、父と長い間折り合いが悪く、最後の最後にほんの少し、心を通わせられたかと思えた頃に、あっという間に逝ってしまいました。 

関係改善の余地は、いくらでもあったのに、もっと伝えておくべきことがたくさんあったのに、と今でも悔やまれます。

この経験を通して、グリーフケアについて、より真剣に考えるようになりました。今日と同じ明日が来る、いつでもできることだと思っていることが、突然そうできなくなることがあります。 

漠然と空気で伝えている、相手への労い、感謝、尊敬といった、いろいろな想いを、時間をかけて改めて感じ直すという作業を行うことは、残りの人生の価値に大きく影響するのではないか、と思っています。 

インタビュー形式で、これまでの経験や、お相手の方のお人柄をお伺いする中で、忘れていた出来事や霞んでいた気持ちが、鮮やかに蘇ってくることがあるかもしれません。

…と、偉そうに書いている自分が、まだ母親に伝えられていないもので、自分で自分にインタビューをし、 とりとめのない気持ちに向き合って、HEART HUGを作ってみたいと思います。


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