力学的エネルギー保存の法則を運用する手順

記事
学び
鉛直面内で行う円運動

「質量mの小球に長さrの軽い糸をつないで鉛直面内で円運動させる。
最下点で水平方向に速さv0を与える。

糸が鉛直下向きから角度θになったときの小球の速さvを求めよ」
練習問題2-1.jpg
これ、等速直線運動でもないし、等加速度運動でもない、等速円運動でもない。

こういうケースはエネルギーでいくしかありません。

それで、

力学的エネルギー保存の法則を運用するにはどうしたらいいのか?
力学的エネルギー保存の法則が成立する条件とはなにか?

ということが分かっていないといけませんね。

順を追って見ていきます。

①まず、運動の過程ではたらく力をすべて挙げる、図にする
練習問題2-2.jpg
はたらく力は、重力mgと張力Tですね。

②次は、今挙げた力が仕事をするかしないか判断する。

mgは、小球の高さが変化しているので、仕事をしています。
Tは中心向きで、円運動の速度は接線方向なので、常に運動方向とTの向きが垂直だから、Tは仕事をしていません。

③次、仕事をする力が保存力かどうか。

仕事をする力mgは重力だから保存力ですね。

④仕事をする力が保存力だけなので、力学的エネルギー保存の法則が成立しています。

力学的エネルギー保存の法則は

(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=一定

です。

式を立てると
img5.png

まとめると

①はたらく力をすべて図に挙げる
②はたらく力が仕事をするかしないか調べる
③仕事をする力が保存力かどうか調べる
④仕事をする力がすべて保存力なら力学的エネルギー保存の法則が使える
(保存力でない力が仕事をしている場合は「エネルギーの原理」を使う)

カンタンな問題だったら、なんとなくエネルギー保存なんだろう、でごまかせますが、難しい問題には、キチンとどういう理由でエネルギーが保存するのか分かっていないと太刀打ちできません。

力学的エネルギー保存の法則・エネルギーの原理を使いこなしましょう。


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