日本語のこと

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こんにちは。ライフ・キャリアコンサルタントShizuです。 
本業は就職・転職の支援や働く上での悩み事相談などですが、外国人留学生への進路指導経験から、日本語教師も兼業しています。
ところで。日本人ってとっても言語に柔軟だと思うんです。
下の例文を埋めてみてください。現在形で大丈夫です。
【あげる・もらう・くれる】のいずれかを 入れましょう。同じ言葉は1度しか使えません。
(1)アイビーは 私に マイクロカウンセリング理論を 
      教えて(    )。

(2)アイビーは 学生に マイクロカウンセリング理論を 
      教えて(    )。

(3)アイビーに マイクロカウンセリング理論を 
      教えて(    )。

そんな日を過ごしてみたいものですが・・・。
では、これはどうでしょうか。
【あげる・くれる】のどちらかを 入れましょう。1度しか使えません。

①アイビーは 私の今の彼(今の彼女)に サインを(     )。

②アイビーは 私の元カレ(元カノ)に サインを(    )。
多くの方が、①に“くれた”②に“あげた”を入れたのではないでしょうか。
これは、モノや行為を受ける相手が自分から見て心理的に近いと感じるか、遠いと感じるかで生まれる違いです。

“あげる”を丁寧に言うと、“差し上げる”
“くれる”を丁寧に言うと、“くださる”
“もらう”を丁寧に言うと、“いただく”
あげる、だけが自分から外に向かう行為に使われます。ソトに向かうエネルギーを感じる言葉なんですね。
今の彼(今の彼女)は、自分から見て自分のテリトリーにいる=自分にモノや行為が向かう、という意識が働くため“くれる”
過去の彼(過去の彼女)は、自分から見て自分のテリトリーの外にいる=自分側ではない外でのやり取り、という意識が働くため“あげる”を使いたくなるのです。
①と②の例は、その人の感覚によるのでどちらが正しいというものではないのかもしれませんが、日本人には“ウチかソトか”という概念は、非常に重要な感覚といえます。
 こんな微妙な使わけを無意識に行える日本人って、絶対言語に柔軟だと思うのです(^^)

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