一級建築士が語る!家づくりの流れからこだわりまでのポイント~間取りのアイデア編1/3~

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どうもこんにちは。一級建築士の日向端です。
ハウスメーカー→工務店→設計事務所と経験を経て、二級建築士、一級建築士、設備設計一級建築士まで取得している現役の設計士です。

昨今、家づくりのレベルは全体的に上がってきていて、安かろう悪かろうだった分譲住宅でさえ、メーカーによっては注文住宅をしのぐ品質となってきています。

ただ、そんな中でも私が出品しているサービス

において、やはり多いのが家づくりのトラブルに関する内容です。家づくりの一般的な内容はネットの普及や街中の相談窓口で情報収集できるようになってきているものの、まだまだ問題は後を絶たないようです。

そこで、実際に現役の建築士の目線で、一般的な内容とは全く違った視点から家づくりの話をしようとしたのがこのブログです。

こんな時に専門家なら・・・、あんな時に建築士なら・・・どう考えて行動・設計しているのか?これから家づくりを考えている方や設計士になりたいと思う方の参考になればと思います。

今回は、前回の業者選択編
https://coconala.com/mypage/blogs/edit/367319
と前後してしまうのですが、

よく聞く間取りのアイデアや私が考えたアイデア10選を良かったと思うランキング形式で発表したいと思います。

一気に書こうと思ったら、結構な量になってしまったので、3回に分けています。今回は1回目。

【良かったと思うランキング第10位】リビング階段
まずは、よくアイデアで出てくるワードと参考例。
2階へ上がる際に使う階段の動線として、玄関→廊下→階段ではなく、玄関→リビング→階段というものです。
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謳い文句としては、玄関から廊下、階段では誰が2階へ上がっているのか分からないが、リビング階段なら誰が上がるか分かる。また、そこで顔を合わせるので、家族の会話が生まれる。などと言っていますが・・・。

ちょっと待った。

私はいつも本当かなぁ?といつも思う。
2階へ上がるのが分からないというのは、帰ってきた子供は一言も発せずに2階へ行くほど家族の仲が冷え切っているのか?足音も分からないほど殺し屋みたいなやばい歩行術を身につけているのか?

また、子供が思春期に入ってきたときに、友達を連れてくるたびにきったないリビングを見せ、お前ん家きったねーなと子供に恥をかかせないように毎日完璧に掃除するか生活感の無いリビングにするかのどちらか。子供の友達じゃ無くても知り合いが来たとき、急な来客の時、2階が応接室なんてあったらたまったもんじゃない。

もし、私が間取りを考えるときは、
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上図のような形にして、リビングと廊下の間に壁や建具は付けずに玄関から入ってきて階段に行く時に顔を出して声かけできるくらいがちょうどいいと思っている。これなら、いきなり階段に行こうとしても気配は十分感じ取れるのでは無いだろうか。

【良かったと思うランキング第9位】吹き抜け
次によく出てくるのが、この吹き抜け。
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確かに、開放感は出るし、窓で明るくなるし、良いことは多そうなのですが、デメリットもそれなりにある。まず、空調の光熱費がかかってしまうし、音や臭いも通じている部屋にはダダ漏れ。

全館空調(家全体を空調するシステム)だから大丈夫というのでも、結局家全体が空調で乾燥するので、冬は特に加湿が必要になるし、使わない部屋まで余計な光熱費を使うことになってしまう。

天井にシーリングファンがあれば・・・。と思っても、じゃあその掃除はどうするんだろう。脚立?相当高い脚立が無いと出来ない。

とはいっても、天井は高い方がやっぱり開放感があって良い。特にリビングなどみんなが集まるところは天井が高い方が快適性が上がる。
であれば、吹き抜けよりも勾配天井にして、高さをプラスすると良いとこ取りができて良い。
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【良かったと思うランキング第8位】室内物干し部屋
ほこりや花粉も付かないから、花粉症の方は嬉しい。何より、下着などを外に出さなくていいから、周りからも見られないし、安全。

洗剤も進化して、室内で干しても臭いが気にならなくなってきたから、室内物干し部屋が間取りでも多くなってきた。

でも、一つ気になるのは、部屋の大きさ。

大体が2畳程度の広さで、中には1畳しかない場合もある。予算が無くて仕方ないならしかたないが、洗濯を経験するからすると1畳のスペースは1人~1.5人程度の洗濯物しか干せないことが分かる。

2畳でも、結局人が入るスペースを考えると、使えるスペースは1畳と変わらない。
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最低でも3畳はないと家族がいる場合は厳しい。欲を言えば、6畳くらいの1部屋があってもいいくらい。たたむ作業も考えると、4.5畳は欲しくなる。
室内物干し部屋を考える際は、一部屋増えるくらいに考えるといいかもしれない。

とりあえず1回目はここまで。次回に続く。
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