一級建築士が語る!家づくりの流れからこだわりまでのポイント~間取りのアイデア編2/3~

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どうもこんにちは。一級建築士の日向端です。
ハウスメーカー→工務店→設計事務所と経験を経て、二級建築士、一級建築士、設備設計一級建築士まで取得している現役の設計士です。

昨今、家づくりのレベルは全体的に上がってきていて、安かろう悪かろうだった分譲住宅でさえ、メーカーによっては注文住宅をしのぐ品質となってきています。

ただ、そんな中でも私が出品しているサービス

において、やはり多いのが家づくりのトラブルに関する内容です。家づくりの一般的な内容はネットの普及や街中の相談窓口で情報収集できるようになってきているものの、まだまだ問題は後を絶たないようです。

そこで、実際に現役の建築士の目線で、一般的な内容とは全く違った視点から家づくりの話をしようとしたのがこのブログです。

こんな時に専門家なら・・・、あんな時に建築士なら・・・どう考えて行動・設計しているのか?これから家づくりを考えている方や設計士になりたいと思う方の参考になればと思います。

前回に引き続き、それでは2回目を発表していきます。

【良かったと思うランキング第7位】玄関木製建具
日本ならなじみのある木の建具で、京都や金沢、川越などの風情ある家屋がある家では玄関の扉が木製となっています。
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時間が経つにつれ、色が白→薄茶→茶と変化し、味わいのある良いものになってくるのですが、やや問題が多いのが難点。

まず、木が自然の物なのでメンテナンスが必要。雨で濡れたら拭く。ほこりがたまったら掃除をする。そうしないと、雨染みができたり、動かなくなったりと不具合が出てくる。それができるかどうかでお客様には提案したほうがいい。

また、気密性が既製品よりも悪い。隙間風がスースー入ってくる。木製だと湿気や状態でまっすぐではなくなるから、下手に隙間を埋めると開けるたびに扉を傷つけることになるから、ふさぐことも出来ない。

片引き戸や開き戸の1枚扉ならまだ良いが、引き違いとなるとその問題も倍増。引き違いを採用していた頃の自分が情けない。

ともかく、木製はメンテナンスが必須。まさにローマは一日にしてならずといったところ。

【良かったと思うランキング第6位】軒の長さを変える
敷地境界の問題もあり、軒を伸ばせない家があるかもしれないが、デザインが良いからと言う理由でなぜか軒が無い家が出来はじめた昨今。
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日本の家屋は昔から夏の暑さや湿気対策で考えられていて、隙間風が入ってくる窓もその対策の一つ。

昔は無かった24時間換気は、隙間風をふさげ~となった結果、室内に使用する接着剤などの化学物質がシックハウスを起こし、設置が義務となったのである。

今、軒が無いデザインの家は今後、大きな後悔をしていくだろうと思う。
その理由は、下図の通り。
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参考:AGC 窓ガラスの豆知識~適材適所~

日本の夏至と冬至の太陽高度はおよそ78°と32°になる。
軒の長さが通常の910ミリとなると、夏はぴったりと日射を遮り、室内が暑くなるのを防ぎ、冬はぴったりと日射を室内に取り込み、室内を暖める。

このことに気付いていた先人の知恵はすごいなぁとつくづく思っているのだが、これを無視して軒が無い家が多いのは残念。

また、軒が無いと雨の日は直接壁に掛かるから、汚れやすくなるし、雹が降れば、壁が傷つくから、簡単においそれと直せない。

ぜひとも日本の気候に合った家づくりをしてほしいと思う。

【良かったと思うランキング第5位】ハイサイドライト
部屋に光を多く採り入れる方法として、いろいろあるがその一つとしてあるのが、このハイサイドライト。
壁あるいは窓の上の方に窓をつけ、その高い位置からの光で部屋の奥まで明るくなるという手法。
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吹き抜けの窓同様に光が入るのだが、問題は掃除をしないといけないこと。上の方だから、ほこりなどそんなにたまらないのでは?と思っていたら大間違い。

他の水平部分と同様にほこりがまぁ~たまるたまる。中にはハエだの蚊だのなんでそこにいるねん!ってつっこみたくなるほど虫の死骸もある。

冬の寒い日は窓を開けないし、光が奥まで差すから良いのだけれど、暖かくなって換気したいなぁ~と思ったら大変。
掃除をしないと開けた瞬間一気にほこりや虫の死骸が室内へブワーっと舞い散る。

窓の高さの位置によっては、吹き抜けよりまだメンテナンスしやすいもののまだまだ問題がありそうなものだ。
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