【あなたの作品の○○は?】作品のオリジナリティを考える冴えた方法

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僕の小説感想サービスでは、感想文そのものに負けず劣らず、トークルームでのやり取りを大切にしています。

そんなやり取りの中で「作品のオリジナリティってどうやって見つけるんだろう?」という話題になり、僕なりの考えをお伝えしました。

今回はそのときの内容をシェアしますね。
(お客さまの情報は書けないので、僕がお伝えした内容のみをまとめます!)

以下は僕の小説感想サービスです↓

あなたの作品を書店に並べるならどんなアオリ文になりますか?

結論から言うと、作品にオリジナリティを生みたいならこれがベストだと思います。

「この小説が書店に並ぶとして、どんなアオリ文で宣伝するだろう?」

この”問い”の優れた点は、以下の2つと思っています。

①書店でのアオリ文(宣伝)という縛りにより、少ない文章(多くても数行)で考える必要があり、作品最大のオリジナリティを厳選できる。

②ありきたりな長所表現から離れることができる。

それぞれ説明していきますね!

そして最後には実際に販売されている書籍から、いくつかアオリの例も挙げるので参考にしてみてくださいね。

①その作品最大のオリジナリティを厳選できる

作家が作品に込める熱量ってスゴいものがありますよね。
ある種の執念染みたものだと思います。

大半の作家にとって「ぜひともここに注目して欲しい……!」ってポイントは一つや二つではないと思います。

「ここの伏線、我ながらスゴい発想だと思うんです! それから、このキャラは難産だったんですよ……! あ、ストーリーに込めたテーマも感じ欲しいんです。それから——」
↑こんな感じに、自作を宣伝しようと思ったらいくらでも挙げられるのではないでしょうか?

でも、一つの作品におけるオリジナリティ……、つまりその作品にしかないものっていうのは、いくつも生み出せるものではありません。

ぐっとこらえて細かな長所に目をつむり、その作品最大の見どころを厳選してください。
それが、その作品のオリジナリティであるはずです。

②アオリでの宣伝は、小説のどんな要素からでも考えられる

①でお話しした「オリジナリティを厳選できる」を補足する内容になりますが、アオリ文による宣伝を考えると、ありきたりでない表現で作品のオリジナリティを考えることができます。

以下は僕がトークルームでお伝えしたことです。

仮に自作を書店で並べるとしたら、どう宣伝するかをイメージすると分かりやすいと個人的に思ってます。
「優れた構成」とか「美しい文体」といった、ありきたりな宣伝をする作品はありませんよね。
(「あなたは最後までだまされる」とか「極上の料理に舌鼓を打つ文章」みたいな表現なら有りですが)
アオリ文での宣伝を考えることは、より深く作品を探ることになるので、「構成が上手い」とか「文体が美しい」といった、浅くありきたりな表現から抜け出すことができます。

また、”書店での宣伝”を考えることで読者の視点に立つこともできるので、作家の独りよがりになることなく、作品最大の魅力をオリジナリティとして見つけることができるはずです!

実際のアオリ文の例

お話ししたうように、アオリ文での宣伝を考えると「オリジナリティを厳選し、より深く作品の魅力を表現」することができます。

とは言っても、なかなかイメージしづらいと思うので、最後にプロ作品に付けられているアオリ文の例を4つ挙げておきますね。

上3つが過去にトークルームでお伝えした内容を推敲したもので、今回は最近読んだ小説から更に1つ加えておきます!

①『愛が、二人を切り裂いた』
(竜殺しのブリュンヒルド)
↑「愛を」でなく「愛が」で他の作品と差別化できていますし、なにより興味を惹かれますよね。内容もまさにこの通りの一冊です。

②『ようこそ、下町のレストラン〈ビストロ・パ・マル〉へ 絶品料理と極上の謎解きをご用意しております。』
(タルト・タタンの夢)
↑多少ありきたりですが、下町、料理、謎解きといったワードの組み合わせが面白そうです。作品の雰囲気・テイストをこの短文で打ち出しています。

③『人類の3分の1が、その日、絶命した。
老若男女区別なく、ランダムに。
後に『大いなる悲鳴』と呼ばれることになる、地球の悲鳴によって。』
(悲鳴伝)
↑これが物語の軸になるので、すごくキャッチーだと思います。
キャラや文体もすごく魅力的な作品なのですが、すべてはこの設定が土台となっているので、優れたアオリ文でありオリジナリティであると言えます。

④『タイトルはこれ以外ありえない!』
(名探偵に薔薇を)
↑本格ミステリーの小説なのですが、これは読んでみたくなるのではないでしょうか? タイトルには特に作家の想いが込められていると思うので、それがオリジナリティに繋がる場合も多いと思います。

いかがでしょうか?
どのアオリ文も、他の作品にはないオリジナリティが見えてくると思います。

おわりに:アオリ文を考えて作品のオリジナリティを追求しよう!

今回は「作品のオリジナリティを見つけるにはアオリ文を考えるのが適している」という話でした。

「これだ!」っていうオリジナリティが作品にあると、構成力や表現力、キャラ造形といった作家さんそれぞれの強みに更なるブーストがかかるはずです。

自作のオリジナリティに悩んでいる作家さんの参考になれば幸いです!

この度も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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