「要約」に関するよくある誤解

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こんにちは、かとうです。
久しぶりのブログとなってしまいました。

今回は、課題文型の作文・小論文を書くにも欠かせない要素「要約」についてミニ講義ができればと思います。

課題文が与えられるタイプの小論文では、第一問として本題の前に要約を求められることがあります。(大学入試で多いタイプ)
また、「第一段落に筆者の意見を要約してから第二段落で自分の意見を述べよ」というパターンの出題があることもあります。(公立中高一貫中学校の入試に多いタイプ)

要約というと、なんとなく「短くまとめればいいんでしょ」という考えで、文章全体をまんべんなくピックアップしてまとめる答案が多いのですが、それは要約の意味をちょっと取り違えています。

文章全体をまんべんなくピックアップし、かつ元の文よりも短くまとめようとすると、全体がぼんやりした感じになりがちです。写真でいえば、全体的に解像度が下がった画像のようなイメージでしょうか。

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(軽井沢で撮った写真をガシガシ加工してみました!)

しかし、本来の「要約」の意味はちょっと違います。本来の要約は、「必要な場所にフォーカスを当て、それ以外の場所を削ぎ落とす」もので、字数を割いて説明する場所と、いっそ説明しない場所のメリハリを極端につけることなのです。
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またフォーカスを当てるのが「必要な場所」というのもポイントです。多くの場合は筆者の主張にフォーカスを当てることになりますが、設問によっては必ずしもそうとは限りません。
たとえば「資料1と資料2の異なる点を比較せよ」といった問題であれば、資料1と2の異なる点にフォーカスを当てて対比を明確にし、まとめることになるでしょう。
どこにフォーカスを当てるべきなのか、どこは思い切って削いでいいのか、設問文をよく読んで意図を捉えましょう。

慣れないうちは、フォーカスポイント以外の箇所を「思い切って切り捨てる」ことに不安を覚える方も多いです。しかし、入試の要約問題の制限字数は、フォーカスポイント以外も拾って盛り込めるほどの余裕があるはずがないと考えましょう。フォーカスポイント以外を拾えば拾うほど、肝心のフォーカスポイントにさける字数が減り、ぼやけていく。ここに危機感を覚えなくてはなりません。こればかりは添削を受け、「切り捨てて大丈夫」という感覚と自信を培っていくしかないですね。

志望校の出題傾向を確認し、要約要素が含まれるようであれば、ぜひ早めに対策を始めましょう。要約の力は、作文に関する様々なスキルの中でも、比較的短期間で身につけやすいものです。
独学が難しい方は、ぜひ一緒に頑張りましょう!

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