圧倒的な女神性が夢に現れた時、立ち上がるしかなかった。

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私が生命力が衰えているときだった。もう疲れた、あと数年はゆっくりしようと決めていた時だ。

夢にアテナ系の強い気配の女性が現れた。

初めて夢で出会った彼女は、私が乗る電車にふらっと入ってきて、肩をぐったり落として、落胆しながらこんな風に伝えてきた。

「強い女神性を持つ人々の末裔は二手に分かれた。

一つは、攻撃的な男性に狙われないように自分の気高い女神性を落としても、いつか女性性が復興するときまで血を絶やさぬようにする女性たち。

もう一方は私だ。代々に築き上げた気高い女神が放つ霊性を、霊的な世界で持続させる存在となることだ。

どちらも応援者が少ない。穏やかで優しい女性にしか受け入れられないほど男性は弱ってしまった。女性もまた、自分自身の気高い女性性を受け入れるに堪えられない。

私の応援なんて、話なんて、どうせ深く聞いてくれやしない。だから、こうして、さっと話して、どうせ聞いてくれないかもしれないが、話すだけでもと思って話して去るのだ」

なんて寂しそうな諦めた面影だろうか。私よりも気高く、強く、賢く、鋭い感性を持ち合わせているのに。

愚痴をだけこぼし、ついてこいともいわず、ふらっと出ていった。


私はふっと思う。

あなたを忘れない。あなたを思い出そう。あなたを知ってくれる人を増やそう。あなたのことを伝えよう。

互いにこのままエネルギーが尽きても、せめて最後は独りでもあなたのことを肯定的に思える人がいてくれたらいいと思う。

どうせ私は消えていくのだ、だったらあなたのような人の為に、この生命力を使えばいいのだ。どうせ私は消えゆくのだ、いくらでもあげよう。悔いはない。気持ち良く差し出す。



・・・・と、思ったのが後の祭りだ。

あれから何度も、何度も、強い女神性は私のもとにやってきた。

見たことがあるだろうか、感じたことがあるだろうか。気高い女神性の圧倒的なギラギラした愛のほとばしりを。

「あなたのやりたいことを何でもすべてを懸けて応援すると言っているのに。今、何もしないなんて、あたしを馬鹿にしてるの?」

これが恐ろしいったらないのだ。

食べ物がないから無駄に身体を動かす気になれないと言い訳すれば、ファンですという人から贈られてくる。

いつかキャンピングカーに乗れるといいなと想像に時間を使えば、限定で借りれるキャンピングカーが見つかる。

まだたくさん仕事ができないと思えば、出来るようなアイテムを見つけて始められる状況になる。

言い訳なんて許されない、願ったとたんに状況は揃う。

動き出す勇気なんて探している余裕はない。

夢を馳せている時間などもったいない、想像で遊ぶな、現実で遊べと現実に引き戻される。


彼女のような気高い女性の視線はライオンの数百倍だ。

今にして思えば、彼女のような弱った気高い女性に必要なものは、たった一人になっても私はあなたを愛するという覚悟ではないだろうか。

後になって気づくのは、人は迷ったり想像で遊び、楽しんでからじゃないと、幸せを嚙みしめるのがたやすくないということだった。

さすがに激しすぎるので、近頃は少し想像の遊びを入れることや、女神性の視点から現実に必要と感じたことがあれば教えてもらうようにしている。


なぜ、私を愛してくれるの?と時々不思議そうな気配を女神から感じる。

なぜこんな強くて気高い女性なのにと思ったし、肩を落とした美しい女性が元気になったらどんなことをするか、興味があっただけだ。

一瞬でも良かった、瞬間だけでも落ちた肩が上がった時を視たかった。

それが今じゃ・・・

「世の中の平和なんてもはや、どうでもいい。あたしはもう、強すぎる愛に燃え尽きてもいいという言い始めたあなた。あなたに興味があるのよ」


平和を捨てた女神は、全く末恐ろしい。

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