アナリティクスの「直帰率」で何がわかる?

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ビジネス・マーケティング
こんにちは。
ECサイト店長歴8年の松嶋俊です。

アナリティクスを見だすと
誰もが一度は疑問になる「直帰率」

直帰率は、どういう計算で算出されていて、
離脱率と何が違うのか。

またまた、直帰率の数値から何が読み取れ
対策に活かすことができるのか。

色々と疑問になっているかもしれませんので、
一度「直帰率」について勉強してみてはいかがでしょうか。

1.直帰率とは。離脱率と何が違う


まず、直帰率とは何を表す数値なのかというと、
1ページみて去った人の割合のことを言います

たとえば、A、B、Cの3ページがあるとします。
ユーザー遷移を元に説明します。


【例:ユーザーの遷移】

●太郎くん:Aページ ⇒ Bページ ⇒ Cページ ⇒ 「閉じた」

●渡辺さん:Aページ ⇒ 「閉じた」

●木元さん:Bページ ⇒ Aページ ⇒ 「閉じた」


3人の方がそれぞれページをみています。

太郎君は、最初にAページを見てからBページ、
そしてCページを見て閉じました。

渡辺さんは、最初にAページを見て、どこも遷移をせずに閉じました。
最後に、木元さんは、最初にBページを見て、その後Aページに遷移して閉じました。


もう一度直帰率について意味を理解しましょう。
アナリティクスの説明を見てみると。

ページで何も行われなかった 1 ページのみのセッションのパーセント数。

簡単に言えば、アクセスしたページを見て、次のページを見ずに去ってしまった割合のことです。先程の3人の動きを見てみると、直帰をしている人は、最初にAページを見て、そのままサイトを閉じてしまった渡辺さんが該当します。

「直帰率は?」

最初にAページを見たアクセスは、太郎君と渡辺さんの2人だから2アクセスです。そして、遷移をせずに閉じたのは渡辺さん一人なので、
直帰率は、1÷2×100=50%となります。


では、直帰率と似ている「離脱率」とは何のか?
アナリティクスの説明を見てみましょう。

サイト内の指定した 1 ページまたは複数のページからユーザーが離脱した回数の割合です。

直帰率は、最初に見たページに対しての数値でしたが、離脱率は、そのページがセッションの最後のページになった割合を示します。

例であげた、太郎君・渡辺さん・木元さんの行動で考えると、
Aページで離脱しているのは、木元さんになります。

また、渡辺さんはどうなるのでしょうか。

直帰率でも対象となりました。
離脱はどうなるのかというと、「全てのセッションが対象」になるため、
渡辺さんも含まれます。

Aページで離脱したは2人になるため、
離脱率は、2÷3×100=67%

各ページの直帰率と離脱率をまとめると、このようになりました。

1.png


2.どのくらいの数値であれば、正常?異常?


たとえば、僕が管理しているECサイトでは、
「TOPページ」の直帰率は、20~30%くらいになり、
「記事」でいえば90%くらいになります。

※ECサイト・メディアサイトであれば
 ジャンル問わず、このような数値になると思います。


この数値から大きく乖離がある場合は、何かサイトに異変が起きたのかと
注意して深堀りしていきます。

たとえば、直帰率0%になっている場合は、2重でタグを設置している可能性があり、正しく計測されていないので、タグの見直しを行ってください。

実際に僕もやらかしてしまったのですが、
2重でタグを設置している場合、直帰率とページビュー数が
異常値になります。

こちらがその時のデータです。


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5月の直帰率が明らかにおかしいでしょ?

また、このサイトは一人あたりのPV数が1.5くらいですが、
5月は3くらいになってたので、変だと感じタグの見直しを行いました。



3.使い方・見かた



直帰率は、「行動」⇒「サイトコンテンツ」⇒「すべてのページ」から
各ページの直帰率が見れますので、一度ご自身のサイトの各ページの状況を
みてみてください。

さて、ここからが本題です。
この直帰率の数字からどのような改善、施策に展開していくのか。



バケツの穴-300x300.jpg


直帰率が高いサイトは、上記の穴があいたバケツのように、
集めた水(アクセス)をだだ漏れ(逃している)にしている状況を示します。


何が問題なのでしょうか。


1からお客さんを集めるのって本当に難しくて、
長期的に費用をかけずに集めるなら、手間と時間をかけたコンテンツを
作る必要がありますし、費用をかけて短期間でアクセスを集めるのであれば
広告をかける必要があります。


費用と手間をかけた大事なアクセスを
気づかずに逃しているのですから、相当もったいない状況になります。

サイトには色々な目的があります。

 ・商品を購入してもらうこと。
 ・問い合わせをしてもらうこと。
 ・描いた行動フローに沿って遷移してもらうこと
 ・キャンペーン中であれば、専用のLPにアクセスしてもらうこと

記事であれば、

 ・関連記事に遷移してもらうこと
 ・紹介した商品にアクセスしてもらうこと
 ・SNSの登録をしてもらうこと

などなど。直帰率が高いというのは、
こちらが描いた目的に対して反応してくれていないので、
反応してくれるサイトに整えてあげることが必要。


たとえば、記事を例に改善策をあげるとすると。


一生懸命書いた記事の直帰率が98%だとします。内容によっては、
このくらいの数字になりますが、狙うワードによって直帰率が低い
場合があります。

それは、「知識を教える記事」ではなく、「行動を促す記事」

※例:「アクセスアップ 方法」など。
 これは、ノウハウを知りたいというユーザーと提案があれば、
 その方法を試したいというユーザーが含まれる。


行動を促す記事で直帰率が高い場合、
どのように改善をしていけば良いのか。

以下、対策方法としてあげます。


・切り口を変えたバナー・テキストリンクを設置
リンク先としては、商品、問い合わせフォーム、関連記事、アンケートなど

設置箇所として、上段、中段、下段など分けて設置してみる。
各リンクにはイベントタグを振り、定点観測をしてクリックの数を計測。


・ユーザーの動きを見てみる
アナリティクスとは別のツールになりますが、
個人的には重宝しているユーザーの動きが分かるツールがあります。

対象ページにきたユーザー100人程度をまとめてみて、
気になった動きをメモします。

そして、サイトに反映していく。
この繰り返しです。


後者のツールはあればよし。
無ければ、アナリティクスのイベントタグでざっくり判断ができます。

まずは、ユーザーの動きを知ることから始めると、
全くイメージできなかった対策方法が、ボヤッとですが、
イメージできるようになります。

そして、ページを変えてけば、
反応も変わるので、少しづつではありますが
改善に向けて進むかと思います。


僕の場合は、バナーの内容を変えただけで、
その記事から1件程度しか売れていなかったのが、
数十件売れるようになりました。


バナーを変えただけです。


変えようと思ったのは、アナリティクスのデータからです。


ぜひ、一度直帰率をみていただき、
高いページはイベントタグなどを活用して
PDCAを回してみてください。
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