桜:占い師・なつたまの日記

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コラム
ある土地の夜は、桜と海の香りが混ざる。

散る花びらに美学を見出す桜、いつも満開になる前に雨が降るような気がする。日本の象徴の花でありながら、どことなく人間のためだけに咲いているようでもあり、散り際よりも自分は八分咲きの今が好きだ。

死の美学の体現、新しい季節を告げる花。
どこにでもあるからこそ努めて花見に行かずとも、温かい飲み物と共に一人で枝を見上げながら歩くと良い。

スマホを気にする人生になって、空を見ることが減った。

とある事情でApple製品の歴史について、デザインの側面から調べていたのだが、機械で踊ろうとした我々が、機械に踊らされて、そろそろAIに食われそうである。

では道具無き頃の人間が何をしていたかと言えば、狩って、描いていた。

世界最古の絵と呼ばれる壁画(ラスコー等)でのモチーフは、人間は獣と同化して、鹿の頭の人が多数見られる。また、自らの手を描いた跡があるが、これが上手い。凍傷のためか指が4本のものも多いのも特徴である。

道具が無くても人は作り、道具があっても人は作り、道具が無くても人は宗教を発明して、人外のものに畏敬の念を抱き、それを解明しようとしてまた道具を作る。

それは最早、産業革命で蒸気機関に支配してもらおうとしてやはり飽き足らず、コンピュータを発明し、今またAIを作り出し、人間はいつも自分の頭脳以上の奇跡を神に求め、神を非科学とするなら、技術を作り、技術が人間の手に負えなくなったら、神に祈る。自分で発明したテクノロジーの暴走に畏怖を覚えて、何だったらその発明者を神格化してしまう謎の生物が人間である。

わざわざ散る必要もないのにわざわざ花を散らす桜のような、
多くの他者の心と人生を奪い、不安にさせたり幸福を与えたり、
春が来るたびに繰り返すように、人は周期的に同じことを営み続ける。

今日は実現するかはわからないけど、アートイベントへのお誘いを頂いた。
どうしようかな。
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