マッキンゼーの1スライド1メッセージってどうなの?

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ビジネス・マーケティング
ビジネスクリエイティブの松丸です。
主に「ビジネス代行・コンサル・士業」で、ビジネス資料の作成を受け賜ってます。

今日は、世界的なコンサルティング企業・マッキンゼーアンドカンパニーの超有名プレゼンメソッド「1スライド1メッセージ」について書いてみますね。

素晴らしいメソッドですが、資料作成の立場からすると苦しめられることもしばしばだったりします。

1スライド1メッセージとは

「1スライド1メッセージ」は、必要な要素だけを集約して掲載するマッキンゼー発?のプレゼン作成手法です。
1スライドには1つのメッセージしか載せないというルールからこう呼ばれており、質の高いプレゼンテーションで使用される資料の基準として、多くの人に支持されています。
が、このルールを守ってプレゼンできる、資料が作れる人は少ないです。

コンサルティング会社だからこそのスタイル

忘れてはいけないのですが、マッキンゼーはコンサルティング企業、しかも世界的な、一流のコンサルティング会社であり、顧客はこれまた大企業の経営者・リーダー層ということです。

膨大な情報が集まり、そして常に決断をし続けている立場の人たちに

・新しい情報の必要性を訴える
・腹落ちさせる
・説得する
・ディスカッションさせる
・新しい視点を提供をする

ために「1スライド1メッセージ」に行き着いたのは当然というか、さすがというか。

ただこのメソッドは、世界最高峰のコンサルティング会社だからこそ成立する、ということを忘れてはいけません。

・コンサル契約したクライアントに対するプレゼンテーションである
・プレゼンターの経験値が一般に比べて非常に高い(と想像される)
・オーディエンス(聴衆)が経営者、あるいはリーダー層
・どんなテクニックですばらしいプレゼンを行っても、オーディエンスの記憶に残るのはせいぜい1センテンス。ということを経験上知りぬいている。

…から出来るのだ、という側面があります。
これ一般的なビジネスプレゼンテーションでは難しいですよ。

1スライド1メッセージが難しい理由

「1スライド1メッセージ」を実現するには、インパクトを大切に、不要な情報は載せないという覚悟が必要なのですが、この「必要な情報を載せない」ということが「1スライド1メッセージ」実現の難しさの原因になっていることが多いです。

本当にこれで情報が相手に伝わるか不安
きちんと、何度も、わかりやすく表現していないと、失敗した時に責められる原因になることも多いですね。

シンプルな画面を見ると寂しくて耐えられない
景気の良い感、楽しさ、わくわくする賑やかしさは一般的に喜ばれますし、
シンプル→寂しい→みすぼらしい→ビジネスにふさわしくない、と感じる人は多いです。

要素が少ないこと=自分が損をしている、と感じる
本当はすごく難しいし、むしろ高度だし、大切なことなんですが、一般的に削ること・止めることは評価されにくいです。
資料作成を依頼した場合などは、要素が少ない簡単なページを作成することを「デザイナーやプランナーが楽なだけで、自分はぼったくられて損しているのではないか」と感じる人はいて、「せっかくだからもっと作ってもらって」となることもあります。
払ったお金以上のものがたくさんもらえるお得感が嬉しい、という心の作用が現れてしまう場面は多いですね。
提案する側だけでなく、受け取る側にもこの作用は生じるので、シンプルを表現するときは覚悟がほんとに必要です。

結局のところ必要な情報がすべて載っている資料の方が勝率が高い
実際に成約が検討されるのは、プレゼンの後、まな板の上にすべての情報を載せてからです。
そうするとプレゼンテーション時の印象よりも、必要な情報が満遍なく掲載されている資料の方が有利に働くと考えられます。実際は失敗の理由はわからないんですけどね。

1スライド1メッセージを取り入れるなら

どんな提案であっても、必ず、相手にこれだけは絶対に伝えたい大切な一言があるはず。
それを表現する時に「1スライド1メッセージ」を取り入れることができると思います。資料のすべてのスライドで1メッセージを実現しなくていい。

説明を尽くすということは決して悪いことではありません。
また自分の気持ちに逆らうようなプレゼン、寂しいのではないか・みすぼらしいのではないか、と不安を感じながら行うプレゼンの方が問題です。

「1スライド1メッセージ」は決して「正解」ではありません。ただとても有効なプレゼン手法の一つというだけ。
そこにとらわれることなく、ご自分なりの、あるいは自社なりのスタイルというものを作ってみてください。

大切なのはプレゼンを通して機会を得ることですから😊


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