第69回アカデミー賞「視覚効果賞」で、日本映画「ゴジラ-1.0」が見事受賞しました!!
ゴジラは日本を飛び出し、今や世界的な人気を誇ります。日本語が全く出来ない外国人であっても「KAIZYU」は、通じるほど。
では「ゴジラ-1.0」のアカデミー賞受賞の、何が凄いのか?映画ヲタク歴30年以上の私、すず丸が解説します。
視覚効果賞とは?
出典:unsplash/Unlimited Motion Ltd
視覚効果賞とは、最も優れたVFXを用いた作品に贈られる賞です。
過去に視覚効果賞を受賞した映画は、語彙力が全てぶっ飛ぶほどの名作ばかり。
過去の過去のアカデミー賞において、最多11部門を獲得した3作品。「ベン・ハー」「タイタニック」「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」は、全て視覚効果賞を受賞しております。
SF映画の金字塔とも言える作品「2001年宇宙の旅」。現在も続くほどの大人気作である「スター・ウォーズ」も、視覚効果賞を受賞。
そんな名作に仲間入りをしたのが、日本出身のビッグモンスター「ゴジラ-1.0」だったのです。
はるか遠き東の国にある技術屋が栄光を勝ち得た
「ゴジラ -1.0」以外でノミネートされた作品は、全てILMが手掛けたものです。
インダストリアル・ライト&マジックを略して「ILM」。過去には「スター・ウォーズ」「インディー・ジョーンズ」「E.T」「ジュラシック・パーク」等、説明不要な名作を手掛けた制作会社になります。
「ゴジラ -1.0」を手掛けたのは、山崎貴が所属している制作会社「白組」です。
「白組」の実績は凄まじく、過去には「ALWAYS 三丁目の夕日」「Fukushima 50」「シン・ウルトラマン」を手掛けてきました。しかしILMと比べると、実績はまだまだな部分があるのは否めません。
そんな不利な状況下で見事受賞したのだから、お見事の一言です。
モンスター映画の新たなる道を開いた
アカデミー賞に好かれている映画と、そうでない映画があります。アカデミーから明確に公表されていないので、私の推測です。
しかし過去のアカデミー受賞作品を覗いてみると、好かれている映画・そうでない映画がハッキリと分かれています。
好かれている映画は、社会的な内容が描かれているものです。第96回アカデミー賞作品賞受賞の「オッペンハイマー」は、核について取り上げられています。第91回受賞の「グリーンブック」では、人種差別に鋭く迫った映画です。
逆に”そうでない映画”として筆頭に挙げられるのが、モンスター映画です。
過去にモンスター映画が、アカデミー賞を受賞した事例はあります。「シェイプ・オブ・ウォーター」に至っては、作品賞を受賞しました。
しかし先程挙げた「社会的な内容の映画」と比べた場合、数は圧倒的に少なくなっています。
「ゴジラ -1.0」は、典型的なモンスター映画です。アカデミー会員からは、あまり歓迎はされなかったのでしょう。しかしクオリティは、ハリウッドの大作映画クラス以上。
「ゴジラ-1.0」は、今後制作されるモンスター映画に活路を見出したのです。