プロセスをほめてみよう

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コラム
ある高校の硬式野球部の監督さんは、ほめ上手です。

たとえば選手がバントを失敗したとき、今までなら「何やってるんだ! ちゃんとボールを見ろ!」と怒鳴っていました。

しかし、ある時から「よし、ナイスファイト! よく怖がらないでボールに食らいついたな!」などとほめるようになりました。

その結果、選手たちはどんどん自信をつけていき、創部数年で甲子園に出場し、いきなり準優勝を飾りました。

しかも、勝った試合は、すべてピンチをひっくり返した逆転勝ちでした。それだけ精神的に強くなったということです。

ほめるな危険?

子どもや部下はほめて育てよう」という言葉をよく聞きますね。

しかし、この「ほめる」という行為、使い方によってはかえって困ったことになる危険もあります。

と言っても、ほめることがすべて悪いのではなく、「相手の行ないの結果だけを見て、その結果がこちらの気に入ったからという理由で、ご褒美としてほめる」ことが危険なのです。つまり、「報酬としてのほめ」ですね。

アドラー心理学では、報酬を使って子どもを育てることについて、次のような危険を挙げています。

(1) 褒美をくれる人と、くれない人に対する態度が露骨に変わるようになる
(2) 褒美の裏にある罰を恐れ、評価する人の目を気にして精神的に不安定になる
(3) 仲間との不健全な競争意識をあおりやすい
(4) だんだんエスカレートさせないと、効かなくなってくる
(5) 褒美を得るための、不正な手段を助長しやすい

プロセスに注目しよう

では、どのようにほめればよいのでしょうか。オススメの方法は、「結果だけを見て、それがこちらの気に入るか気に入らないかで評価するのではなく、結果(それが良くても悪くても)に至るプロセス(過程)に注目してみましょう」ということです。

この結果が出るまでに、相手どんな努力をしたでしょうか。どんな工夫をしたでしょうか。そのプロセスで、何か「これはこのまま継続してやり続けて欲しい」「伸ばしていって欲しい」と思う部分はないでしょうか。探せばきっとあるはずです。

そしてそこをほめます。あの監督さんも、プロセスをほめていらっしゃいます。

結果ではなくプロセスをほめるようにしてみてください。きっとすばらしいことが始まります。
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