ヤンキー座りのススメ

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コラム
こんにちは。
身体と心を整えれば、人生が整う。
ハリハラ(張り肚)呼吸法とセルフ整体を提供させて頂いている、救急救迷士、すみびとです。

今回も、前回の身体についての続きです。

では、早速ですが、皆さんはこんな写真を見たことがありますか?


担ぐ女性2.jpg

米俵担ぐ女性2.jpg


昔の農作業中での光景だそうです。

私も含めて、今の成人の男性でさえ、1俵担げないか、
たとえ担げたとしても、やっとという方が大半のような気がします。

まぁ、そもそも、現在はこういう作業をすること自体、ほとんどないので、
無理もないかもしれません。

しかし、江戸末期頃の資料によると、「米俵1俵の重さの基準が決められた
のは、成人した大人なら男女問わず誰でも持ち運べる重さ」だから、
1俵=約60キロと定めたそうです。

〝男女問わず〟です。 
びっくりしませんか。

じゃあ、何故、現代日本人は昔の人と比べて、栄養豊富な食生活や、スポーツなどでそれなりに鍛えたりと、明らかに住環境でも恵まれているはずなのに、体力的に劣っているのか。

食事などもありますが、そのもっとも大きな原因の一つが姿勢・体勢です。
ん???姿勢???って思いますよね?


結論。
ヤンキー座りで「肚」をつくる。


明治という新しい時代の到来とともに、今日に至るまで、私たちの生活様式は
大きく変わりました。

欧米に追い付け追い越せと、いろんなものを吸収し、それらを独自に発展させていくことで、私たち現代の日本人が、便利で快適な生活を享受できていることは、とても評価できることだと思います。

しかし、同時に一方では、日本人本来の持っていた、強み、良さというものを失ってしまったように思います。

そういう流れの中で、私たち日本人の生活様式に注目してみると…。

まず、江戸時代までは日本人はナンバ歩き(右手右足、左手左足をそれぞれ同時に出す、両肩と両腰先を平行に結んだ二軸の歩き方)が普通の歩き方だったと言われています。

ところが、明治に入り、西洋式の軍隊制度や体育方式が取り入れられたことで、いわゆる今の片方の手が出たら、反対側の足を同時に出すという、身体の真ん中を通る一軸の歩き方が広まり、それが常識となってしまいました。

昔の飛脚は、1日に200キロ~300キロを走ってたそうなのですが、
その秘密がナンバ歩きにあるということで、陸上の北京オリンピック銀メダリスト、末續選手を始め、海外のトップアスリートがその動きを研究、応用して取り入れ、近年では成果を上げています。

が、残念なことに、もともと当たり前だった私たち一般の日本人の日常生活においては、忘れ去られてしまっています。

畳や縁側での生活がフローリングへと変わり、ちゃぶ台での食事からテーブルで椅子に座って食べるスタイルになりました。

以前にもお話したように、衣服も、帯を腰に締める着物から、洋服へと身にまとう形が変わりました。

寝床も布団からベッドで休むという形に変化しました。

トイレも和式から洋式へと変わりました。・・・etc.

これらの変化により、快適な生活を送れるようになったのは確かです。

お茶を入れたり、醬油をとってくるのに、いちいち畳から立ったり、
座ったりする必要はありません。

畳に敷いた布団から起きて、よいしょと立ち上がる必要もありません。

用を足すにしても、着物より洋服の方が簡単ですし、便器もしゃがまずに腰かけるだけで済むので、足の都合が悪い人にとっても、とても楽です。

ただ、これらは裏を返すと、下半身が、日常生活の中で自然と鍛えられていたのが、衰えやすくなったとも言えます。

しかし、単にそれだけだけではありません。

日本人がこれまで当たり前にしていた、座る文化が失われつつあるということは、「肚」の精神性も失われつつあるということでもあるんです。

分かりやすい例で言うと、今述べた、和式トイレでのウ〇コ座り。
別名、ヤンキー座り。

洋式トイレの普及もあって、現在ではしっかりと踵をつけてできる子が少なくなっているそうです。

この座り方、大っきいほうをするとき、お腹に力を入れて張った状態になりますが、これがまさに「肚」をつくるのにちょうどいい体勢なんです。

このお腹を張ったままの状態で、吸ったり吐いたりするの呼吸の仕方を、腹圧式呼吸(ハリハラ呼吸)と言います。

以前、着物の着付けの仕方でもお話したように、着物を身に付けていたり、
あるいは、和式トイレを利用していた頃までは、日常生活において、自然とお腹を張ることが、ある意味当たり前に取り込まれていました。

近代化される以前、米作りをはじめとした農作業の際、鍬や鋤で大地を耕してました。
その際、足腰の踏ん張りや安定性が必要となり、自然とお腹を意識した呼吸となっていました。

日常生活においても、薪を割ったり、水を井戸から汲んだり、竈の火をくべたりしていました。
当然、これらも腰や腹に力を込めている必要がありました。

武芸においても、同様です。丹田や腰を中心とする動きが重要視されていました。

このように、普段の生活において、足を踏ん張り、腰を落とすという、姿勢・体勢が自然と身に付き、その状態で呼吸をしていることで、無意識に「肚」を意識できていました。

それが、現代では、ほぼそういう機会が少なくなり、意識的に腹を張った状態をキープしないと、すぐに一般的な胸式呼吸に戻ってしまいます。

私たち日本人の精神性でもある、「肚」を意識し、つくるためにも、まずは少しの時間だけでも、ヤンキー座りをしてみては?

しゃがむだけなので、気軽に始められますし、「肚」を意識する感覚が、なんとなく掴めるようになります。

万が一、ヤンキー座りがうまくいかなくても、ご安心を。
焦らずに続けていれば、できるようになりますよ。













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