技術士・第二次試験 (24)

記事
法律・税務・士業全般
【R5建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋】
Ⅱ-2-2「再現論文:A評価!」/技術士第二次試験

【問題文】

 我が国では、毎年のように、水害や土砂災害等が発生し、甚大な人的被害や経済損失をもたらしている。こうした災害が発生した場合には、地域の1日も早い復興のために災害復旧を迅速に進めることが重要である。また、災害復旧を行う際は自然環境に配慮することが求められている。
 そこで、洪水や土砂災害、高潮によって自治体が管理する施設が被災した際に、あなたが災害復旧事業の申請から実施までに携わることとなった場合、河川、砂防、海岸・海洋のいずれかの分野を対象として、以下の問いに答えよ。なお、被災施設は、河川分野は堤防又は護岸、砂防分野は護岸工又は渓流保全工、海岸・海洋分野は堤防又は護岸とし、自然環境に配慮した設計を検討するものとする。
(1)災害復旧事業の申請に当たって、収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、その目的や内容について説明せよ。
(2)被災した直後から災害復旧事業の実施までの手順について述べよ。また、被災した直後から災害復旧事業の実施までの作業において、留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
(3)被災した施設を迅速に復旧するための支援を得るための関係者との調整内容について述べよ。

【評価】

(復元論文は、受講生さんの了解を得て、ここに掲載します)
 私は本論文を「A評価」としました。
 ・題意に沿って解答できている。
 ・箇条書きを駆使して読みやすい。
 ・シンプルさを追求したこうなるのか、と驚いた!
 もう「Simple is best」としか言いようがありません!
 ただし、他の問題もすべて箇条書きで書けばいいものではありません。たまたまこの問題では、箇条書き対応ができたまでの話です。

【復元論文】

 本論文では被災施設として砂防分野の護岸工を対象として述べる。
(1)収集・整理すべき資料・情報、その目的・内容
1)収集・整理すべき資料
 ・災害発生前後の護岸工の現地写真及び図面
 ・被災箇所の地形図
 ・被災状況の記録
 ・護岸工の設計図及び施工図
 ・護岸工の維持管理記録簿
2)収集・整理すべき情報
 ・護岸工の構造、材料、施工方法、維持管理状況
 ・護岸工が設置されている河川の水位、流量、河床の状況
 ・災害発生時の護岸工の被害状況
 ・護岸工の復旧計画、復旧工法、復旧費用及び復旧期間
3)資料・情報を収集・整理する目的・内容
 ・護岸工の災害復旧事業の申請に必要な情報を収集・整理すること
 ・護岸工の被害状況や復旧に必要な作業内容を把握し、復旧計画を策定すること
 ・護岸工の復旧に必要な費用や期間を算出すること
(2)被災直後から災害復旧事業実施までの手順及び留意点・工夫を要する点
1)被災直後から災害復旧事業実施までの手順
 ①被災状況の把握
 ②災害復旧計画の策定
 ③災害復旧事業の実施
2)被災直後から災害復旧事業実施までの留意点
 ①安全確保
 ②環境保全
 ③早期復旧
 ④費用対効果の最大化
3)被災直後から災害復旧事業実施までの工夫を要する点
 ①被災状況に応じた復旧計画の策定
 ②復旧事業における環境保全の配慮
 ③復旧事業における地域住民との協力体制の確立
(3)復旧支援を得るための関係者との調整内容
 ①河川維持管理技術者:被災箇所の詳細調査及び応急復旧対策について助言を提供する。
 ②地元自治体:被災箇所の現状把握、復旧計画の策定、復旧工事の実施、復旧後の維持管理計画の策定等に協力する。
 ③関係省庁:復旧事業に必要な予算の確保、復旧事業に関する法令の整備等について協力する。
 ④関係団体:復旧事業に必要な資材・機器の提供、復旧事業に関する技術的な支援等について協力する。
 ⑤地域住民:復旧事業に関する情報提供、復旧事業に協力することで、地域の復興に貢献する。
以上
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