空だって飛べるよ ~プロローグ~

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夜中にふと目が覚めた。

手が動かない。
起き上がろうとするが足も動かない。
頭がボーッとする。

薄明かりの中段々と周りが見えてくる。

白い天井、カーテンで仕切られたベッド。

そしてそのベッドに
私の両手、両足が縛り付けてある。
「誰かー」「誰かー」
虚しく響く私の声。

これがいつの記憶か分からない。

この後に優しい女の人の声が
「よく気付いてあげれたわ」
と言った記憶があるので
初めて手首を切った日かもしれない。

何度もこういう事があったし
今となっては記憶から消え去ってしまう位過去の話で
思い出せない。

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空だって飛べるよ ~はじめに~
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