昨年度に引き続き、今度は米寿のお祝いということでまた都内に住む祖父に会う機会がありました。
親戚の何人かも同席し、他愛もない話から今まで意外と聞けていなかった話まで、ゆったりといろんな話を聞ける良い機会でした。
祖父に会って改めて感じたのは、見た目も話し口も20年以上前からまったく変わっていないなということです。
ニコニコした笑顔でじっと見つめてくる姿は、私の記憶にいる祖父の様子とは、何一つ変わっていません。
祖父は元々白髪ばかりで髪型もまったく変わっていないとはいえ、なぜかテカテカしたような肌ツヤはむしろ若返っているようにすら思えました。
聞いてみると、普段から朝5時からの散歩を毎日続けているとのこと。
同居人の親戚もまったくそのことを知らなかったそうなのですが、年に負けないような頭や身体づくりをするためには、日々の習慣が不可欠なのだと改めて思い知らされました。
そして、日本酒を片手にたくさんの話を聞かせてくれました。
「わしらの時代のときはな、長男以外は15才になったら家を出ていかなきゃいけないんだ。自分の力で食ってかなきゃいけない。
だからわしも、頑張って手に職をつけていったんだ。
全部誰かに任せっきりにするんじゃなくて、自分の力で食ってけるようにならなきゃならんのよ。」
ここで初めて知ったのですが、なんと祖父は7人兄弟の末っ子。
大正生まれの長男とは20才も離れていたそうで、そこまで年が違うと話がまったく合わなかったそうです。
家庭の事情もありいろいろ苦難はあったそうなのですが、そんな中1級建築士を取得。
子どもたちが大きくなってからも、長男(私からすると叔父)と土木関係の仕事を長年務めていたそうでした。
私が子どもの頃にはもう引退してしまったそうで、祖父の仕事姿はほとんで見ることができませんでした。
ただ、実家の半地下にある機械や油の臭いの立ち込めていた部屋のことを思い出すと、きっと仕事に真剣に向き合っていたのだろうという祖父の顔が浮かんできます。
日本酒で頬を赤らめた祖父の話は、まだまだ続きます。
ーーー(続)ーーー