“子どもたちがいつでも楽しく、没頭して学び続けられるように。”
こうした気持ちを胸に日々、現場指導にあたっているつもりではありますが、「ここだけは泥臭く頑張り抜いてほしいな」とどうしても感じることもあります。
主に挙げられるのが宿題と漢字練習です。
長年付きまとう大きなテーマだけあって、あっという間に解決してしまうような処方薬というものはありません。
毎年の面談でも絶対に相談を受けるこの悩み。
私たちが子どもだった頃も、実は本人の見えないところでお父さんお母さんも悩んでいたのかもしれません。
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こうした話をしていて思い出すのは、宿題などのコツコツ学習になかなか向き合えなかった5年生のNくんのことです。
先ほどまで「ふん!宿題なんかできなくたって別にいいしー!」とニコニコ笑顔を浮かべていたNくん。
授業後、他の子どもたちを見送って教室を振り返ると珍しく肩を落としてポロポロと涙を流していました。
隣で親身に声をかけているお母さまとのやり取りを聞いてみると、最近の宿題がまったくできていなかったことと、直近に控えた漢字テストのストレスに耐えきれなくなっていたことがわかりました。
お友達の前では強がっていても、やはり勉強にはなかなか向き合えない自分に悔しさを覚えていたのかもしれません。
Nくんの家庭は父母ともに理系専門職のご家庭で、週末には課外の理科実験イベントに出かけたり、オンライン授業の時期には大好きなカナヘビや小型ロボットをうれしそうに披露していたこともありました。
直接本人から聞いたわけではないのですが、もしかしたら両親のように、自分の好きなことを研究し続ける未来を夢見ていたのかもしれません。
ただ宿題のように面倒に思えるものは、絶対にやりたくない。
そんな考えのNくんにとって、漢字練習はとても苦しいものだったことでしょう。
そして、気持ちを落ち着かせたNくんに私から伝えたのは------