前回は、漢字の「果」に囲まれたスマイル顔のりんご(または梨)の姿をデザインが特徴的な「果樹園」の地図記号について紹介しました。
次は、マツ、スギ、ヒノキ、イチョウのような葉が針のごとく細く尖っているのが特徴的な樹木「針葉樹林」の地図記号について紹介します。
従来の記号は、三角形に近く頂点が上に尖っているのが特徴的であり、調べてみると、スギの木を横から見た形が記号化にしたのが由来です。
この由来を知ってから、再びその記号をじっくり見たところ、以下のように疑問が湧きました。
「スギの木をイメージして記号化したそうであるが、初めて見た人からこれが『針葉樹林』の地図記号であると分かる人がどれぐらいいるのか?」
「記号の形が急な坂がある山にしか見えないのでは?」
「記号の形と実際のスギの木の形におけるイメージがかけ離れているのでは?」
「今の時代にあった、誰から見ても覚えやすいスギの木の簡単なイメージもしくはイラストを記号化にするというアイデアは誰も思いつかなかったのか?」
このように疑問に思った私は、次のように未来の地図記号として表現しました。こちらです。
全体的に「針葉樹林」の頭文字である「針」という漢字を描き、その右側に「針」を前面に出したスギの木のイメージを表現しました。
また、この地図記号を見ると、漢字の「針(はり)」と地図記号としての「針葉樹林」を同時に覚えることが可能であるという一石二鳥のデザインに仕上がっています。
これを見ると、地図記号に対して興味が湧く人が少しでも増えるのではないかと願うばかりです。