物語 第二話「僕は猫のドラ」

記事
小説
皆さんはペットを飼っていますか? 犬と猫のどちらがお好きですか?
少し前までは犬がペットの代表だったのですが、ここ数年で猫が犬を上回っているらしいですよ。
ペットを飼っている人は、脳の認知機能の衰えが少ないことも、わかって
来たらしいです。特に猫の気まぐれな行動が人の脳にいいとか?

       「僕は猫のドラ」

僕の名前は「ドラ」特に気に入ってる訳ではない。
今のご主人が勝手につけた名前です。
ちょうど1年前の3月の夜に、今のご主人と出会う事になりました。
前のご主人が急に亡くなって、居場所が無くなった僕は一週間ほど外で暮らしていました。僕はお腹がすいていて・・・・・・
道の向こう側のゴミ箱めがけて! 路地から勢いよく飛び出したとたん!

意識がなくなった!

男「おい!おい! 大丈夫か!」
僕「誰か呼んでる・・・」

そう、前のご主人が僕に、長い間、良く話しかけてくれていたので、
人間の言葉は、ほぼほぼ理解できる。

男「お~ 気がついたか! 良かった!」
僕「誰だ?この人?」
男「お前が悪いんだぞ! 俺の自転車の前に急に飛び出して!」
僕「そうか・・・こいつが僕をはねたんだ! あちこち痛いし許さん!」

男の自転車の前籠に乗せられ、古ぼけたアパートに連れてこられた。

男「今日は夜遅いし、明日病院につれていってやるからな。
  牛乳しかないけど、飲めるか?」
僕「牛乳?それも冷たそうだし、こいつ猫飼ったことないな。
  こんなの飲んだら、お腹ゴロゴロになるわ!」
男「飲めないのか? スポイトで飲ませてやるからな」
僕「スポイトって? いやいや、飲めないんじゃ無くて、
  飲みたくないだけだ! なにやら怪しい物持ってきたぞ?」
男「こうすると牛乳が」
僕「なるほど、これがスポイトか牛乳が吸い込まれていく。
  いやいや 感心している場合か、これはマズいぞ!」
男「おい、口を開けろ」
僕「いやだ! 絶対いやだ! おいこら! 無理矢理口を開けるな!」
男「ほら、旨いだろ、にゃーにゃーか うまいんだな」
僕「無理矢理! 冷たいし、勘弁しろよ!」
男「にゃーにゃーか 催促してるな ほれ、もう一杯」
僕「やめてくれ! 逃げたくても、身体が思うように動かん!」
男「旨いだろ、早く元気になれよ」
僕「明日はお腹ゴロゴロで、どうなるか?」
男「さて、名前を決めないとな」
僕「僕の名前はロミオ。前のご主人がそう呼んでたから、結構気に入ってる」
男「ドラ だな!、お前の名前はドラ! 決まり」
僕「え? そんな名前いやだ! ロミオにして! おい! 
  聞いてるのか? ロミオだ!」
男「ドラ、お前をここの住民にしてやるから、安心して暮らせよ。なドラ」
僕「無視してやる」
男「さて、おれは 仕事をするからな」
僕「知るか!勝手にどうぞ。 
  あ~お腹が・・・・・・ゴロゴロしてきた! 早すぎる腐ってたのか?
  何処ですれば? おい! トイレを用意してくれよ! おい! 
  聞こえないのか?
男「なんださっきから?にゃーにゃー 静かにしてくれよ。ここはペット禁止
  なんだ」
僕「トイレだ! トイレ・・・・・・あ~ しらない・・・・・・」
男「ドラ! お前なんて事を!」
僕「だから、いわんこっちゃない、僕は悪くないからな、早く処理して
  くれないか? 臭くてたまらん」
男「ドラ! 恩を仇で返し山やがって」
僕「恩? 僕に怪我をさせて、無理矢理冷たい牛乳を飲ませて。
  それを恩と呼べるのか? 身勝手な奴だ!」
男「この座布団気に入ってたのに・・捨てるしかないな」
僕「お気に入りの座布団だったのか、いやいや気を許しちゃダメだ!
  僕は悪くない」
男「ほれ、尻を拭いてやる   ちょっと待ってろ」

男は、濡れたタオルを持って来た。

僕「温かいぬるま湯で気持ちいい! 
  こいつ案外良い奴かも、しばらく様子見ながら世話になるのもいいかな」
男「仕事も一段落したし 寝るかな、ドラお前も寝ろ、お休み」
僕「はいよ お休み こいつの名前を決めないとな」

         終わり


こちらでは、貴方が主役の物語を描かせて頂きます。
物語の世界で色んな人生を楽しみませんか?
お気軽にお申し付け下さいね。
ビギナーズ特別テンプレのコピー (2).jpg

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す