【飛躍する企業】株価爆上げ企業の見極め方7選

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マネー・副業

第1章:野心は会社のために 第五水準のリーダーシップ


第一水準 有能な個人 才能知識スキル勤勉さによって生産的な仕事をする
第二水準 組織に寄与する個人 組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、組織の中で他の人たちと上手く協力する
第三水準 有能な管理者 人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する
第四水準 有能な経営者 明確で説得力のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を産み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える
第五水準 第五水準の経営者 個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって偉大さを維持できる企業を作り上げる
これらがしたから順にピラミッド構造に組み上がって行かなくてはならない。
第五水準の指導者は、自尊心の対象を自分自身にではなく、偉大な企業を作るという大 きな目標に向けている。 我や欲がないのではない。それどころか、信じがたいほど大きな 野心をもっているのだが、その野心はなによりも組織に向けられていて、自分自身には向けられていない。

第五水準のリーダーシップ
 ・第五水準の指導者は、熱狂的といえるほど意欲が強く、すぐれた成果を持続させなけれ 決して満足しない。偉大な企業への飛躍に必要であれば、どれほど大きな決定でも、どれほど困難な決定度も下していく。

・第五水準の指導者は次の世代でさらに偉大な成功を収められるように後継者を選ぶが、 第四水準の経営者は後継者が失敗する状況を作りだすことが少なくない。

・第五水準の指導者は徹底して謙虚であり、控えめで飾らない。これに対して比較対象企 業の三分の二以上では経営者の我が強く欲が深く、この点が会社が没落したり低迷が続く 一因になっていた。

・「第五水準」とは、企業幹部の能力にみられる五つの水準の最上位を意味している。 第 五水準の指導者は個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さという矛盾した性格 をあわせもっている。野心的であるのはたしかだが、野心は何よりも会社に向けられて いて、自分個人には向けられていない。

・偉大な実績に飛躍した企業はすべて、決定的な転換の時期に第五水準の指導者に率いら れていた。

・第五水準の指導者は職人のように勤勉に仕事をする。見栄えのいい馬より農耕用の馬に近い。

・第五水準の指導者は成功を収めたときは窓の外を見て、自分以外に成功をもたらした要因を見つけ出す。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える。比較 対象企業の経営者はその逆の態度をとることが多い。成功を収めたときは鏡を見て、 自分の功績だと考えるが、結果が悪かったときは窓の外を見て責任を押しつける。
・最近の傾向のなかでとくに害が大きいものに指導者になりうる人材を排除する傾向がある(とくに取締役会にこのような傾向が ある)。

・第五水準の指導者になりうる人材は、どの点に注目して探せばいいのかが分かれば、 周囲にたくさんおり、第五水準になりうる素質をもった人も多いとみられる。

予想外の調査結果

・非凡で有名な変革の指導者の招聘は、偉大な企業への飛躍とその持続と逆相関の関係 にある。飛躍を導いた十一人のCEOのうち十人は社内からの昇進であり、比較対象 企業は外部の人材を招聘した頻度が六倍も高かった。

・第五水準の指導者は成功をもたらした要因として、個人の偉大さではなく、幸運をあげている。

・我々は当初、第五水準のリーダーシップやそれに近いものを探していた訳ではないが、データの圧倒的な説得力によって、この概念に行き着いた。第五水準のリー ダーシップは事実から導き出された概念であり、何らかの思想に基づく概念ではない。


第2章 誰をバスに乗せるか

最初に人を選び、その後に目標を選ぶ

・偉大な企業への飛躍を導いた指導者は、まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適 切な人をバスから降ろし、つぎにどこに向かうべきかを決めている。

・この章の要点は適切な人材を集めることだけではない。 「だれを選ぶか」をまず決めて、 その後に「何をすべきか」を決める。 ピジョンも、戦略も、戦術も、組織構造も、 技 も、「だれを選ぶか」を決めた後に考える。 「だれを選ぶか」をまず決めて、その後に「何をすべきか」を決める。この原則を厳格に一貫して適用する。

・比較対象企業は、 「一人の天才を一千人で支える」方式をとっている場合が多い。 天才 的な指導者がビジョンを確立し、ビジョンを実現するために有能な兵士を集める方式 である。 この方式は天才が退けば崩れる。

・飛躍を導いた指導者は、人事の決定に厳格であって冷酷ではない。 業績向上の主な 略としてレイオフやリストラを使うことはない。比較対象企業はレイオフをはるかに 頻繁に使っている。

・人事の決定で厳格になるための実際的な方法を三つ見つけ出した。

① 疑問があれば採用せず、人材を探しつづける(関連する点として、成長の最大 のボトルネックは何よりも、 切な人びとを採用し維持する能力である)。
 ②人を入れ換える必要があることが分かれば、行動する(関連する点として、まず、坐っている席が悪いだけなのかを確認する)。
③最高の人材は最高の機会の追求にあて、最大の問題の解決にはあてない(関連 する点として、問題の部門を売却する決定をくだしたとき、優秀の人たちを一 緒に売り渡してはいけない)。

・偉大な企業への飛躍を導いた経営陣は、最善の答えを探し出すために活発に議論し、 方針が決まれば、自分が担当する部門の利害を超えて、決定を全面的に支持する人た ちで構成されている。

意外な調査結果

・経営陣の報酬と飛躍とを結び付けるような一貫したパターンは発見できなかった。報 酬制度の目的は、不適切な人びとから正しい行動を引き出すことにはなく、適切な人をバスに乗せ、その後もバスに乗り続けてもらうことにある。

・ 「人材こそがもっとも重要な資産だ」という格言は間違っている。人材は最重要の資産 ではない。適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ。

・どういう人が「適切な人材」なのかは、専門知識、学歴、業務経験より、性格と基礎的能力によって決まる。

第3章 最後には必ず勝つ


・偉大な企業に飛躍するためにまず行うべき点は、上司が意見を聞く機会、そして究極 的には真実に耳を傾ける機会が十分にある企業文化を作り上げることである。

・偉大な実績に飛躍した企業はすべて、偉大さへの道を発見する第一歩として、 自分が置かれている現実の中で最も厳しい事実を直視している。

・自社がおかれている状況の真実を把握しようと、真摯に懸命に取り組めば、正しい決断が自明になることが少なくない。厳しい現実を直視する姿勢を貫いていなければ、正しい決定を下すのは不可能である。

・偉大な企業に飛躍するためにまず行うべき点は、上司が意見を聞く機会、そして究極的には真実に耳を傾ける機会が十分にある企業文化を作り上げることである。

・上司が真実に耳を傾ける社風を作る基本的な方法が四つある。
①答えで早く、質問によって指導する
②対話と論争を行い、強制はしない
③解剖を行い、非難はしない
④入手した情報を無視できない情報に変える、赤旗の仕組みを作る。

・飛躍した企業は、比較対象企業と変わらぬほど逆境にぶつかったが、逆境への対応の 仕方が違っている。 厳しい現実に真っ向から取り組んでいる。 この結果、逆境を通り 抜けた後にさらに強くなっている。

・偉大さへの飛躍を導く姿勢のカギは、ストックデールの逆説である。 どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。 そして同時に、それがどんなものであれ、自分が置かれている現実の中で最も厳しい事実を直視しなければならない。

意外な調査結果

・カリスマ性は強みになると同時に、弱みにもなりうる。経営者が強い個性をもっているとき、部下が厳しい現実を報告しなくなりかねない。

・リーダーシップはビジョンだけを出発点とするものではない。人びとが厳しい現実を 直視し、その意味を考えて行動するよう促すことを出発点とする。

・従業員や幹部の動機付けに努力するのは、時間の無駄である。ほんとうの問題は「どうすれば従業員の意欲を引き出せるか」ではない。適正な人たちがバスに乗っていれ ば、全員が意欲をもっている。問題は、人びとの意欲を挫かないようにするにはどうすればいいのかである。そして、厳しい現実を無視するのは、やる気をなくさせる行 動のなかでもとくに打撃が大きいものだ。

第4章 単純明快な戦略


針鼠の概念とは?
情熱を持って取り組めるもの、自社が世界一になれる部分、経済的原動力になるものこの3つのかけあわせが大事

・偉大な企業になるには、三つの円 が重なる部分を深く理解し、単純 明快な概念 (針の概念)を確立する必要がある。

・その際のカギは、自社が世界一に なれる部分はどこか、そして同様 に重要な点として、 世界一になれない部分はどこかを理解すること である (世界一に「なりたい」 分野ではない)。針鼠の概念は目標ではないし、戦略でもないし、意図でもない。理解である。

・中核事業で世界一になれないのであれば、中核事業は針鼠の概念の基礎にはなり得ない。

・世界一になれるとの理解は、 カト・コンピタンス 中核的能力よりもはるかに厳しい基準である。能力があっても、ほんとうに世界一になれるほどの能力だとは限らない。逆に、世界一なれる事業があるが、現在はその事業について能力がない場合もある。

・経済的原動力になるのが何かを見つけ出すには、最大の影響を与えるひとつの分母を 探し出すべきだ(企業なら「X当たり利益」、非営利事業なら「X当たり年間予算」の Xを探し出す)。

・偉大な実績に飛躍した企業は理解に基づいて目標と戦略を設定している。比較対象企 業は虚勢に基づいて目標と戦略を設定している。

・針鼠の概念の確立は、反復の過程である。評議会が有益な手段になりうる。


意外な調査結果

・偉大な実績に飛躍した企業は針鼠に似ている。針鼠は単純で冴えない動物だが、たったひとつ、肝心要の点を知っており、その点から離れない。比較対象企業は狐に似てい。狐は賢く、様々な点を知っているが、一貫性がない。

・飛躍した企業は針鼠の概念を獲得するまでに平均4年かかっている。

・戦略を確立していた点だけでは、飛躍した企業と比較対象企業に違いはなかった。どちらの種類の企業も戦略計画をたてていたし、飛躍した企業の方が戦略の開発に時間 とエネルギーをかけたといえる事実はまったくなかった。

・偉大な実績を持続するためには、偉大な産業で事業を行っていなければならないわけ ではまったくない。飛躍した企業は、産業がどれほど悲惨であっても、卓越した利益を上げる方法を見つけ出している。


第5章 人ではなく、システムを管理する

規律の文化
・偉大な業績を維持するカギは、みずから規律を守り、規律ある行動をとり、三つの円 が重なる部分を熱狂的ともいえるほど重視する人たちが集まる企業文化を作り上げることにある。

・官僚制度は規律の欠如と能力という問題を補うためのものであり、この問題は不適 切な人をバスに乗せていることに起因している。 適切な人をバスに乗せ、不適切な人 をバスから降せば、組織を窒息させる官僚制度は不要になる。

・規律の文化には二面性がある。 一方では一貫性のあるシステムを守る人たちが必要だ。 しかし他方では、このシステムの枠組みのなかで、 自由と責任を与える。

・規律の文化は行動の面にかぎられるものではない。 規律ある考えができ、つぎに規律 ある行動をとる規律ある人材が必要である。

・飛躍した企業は、外部からみれば退屈だとか月並みだとか思えるかもしれない。しか 内部をくわしくみていくと、極端なほど勤勉で、おどろくほど徹底して仕事に取り 組む人たちが大勢いる(コッテージチーズを洗う人たちだ)。

・規律の文化と規律をもたらす暴君とを混同してはならない。このふたつはまったく違 ったものであり、規律の文化はきわめて有益だが、規律をもたらす暴君はきわめて有 害である。救世主のCEOが強烈な個性によって規律を持ち込んだ場合、偉大な業績 を持続できないのが通常だ。

・偉大な業績を持続させるためにもっとも重要な点は、針鼠の概念を熱狂的ともいえる ほど信奉し、三つの円の重なる部分に入らないものであれば、どんな機会でも見送る 意思をもつことである。


意外な調査結果
・宗教的ともいえるほどの一貫性をもって、三つの円の重なる部分に止まる規律をもつ ほど、成長と貢献の魅力的な機会が増える。

・「一生に一度の機会」であっても、三つの円が重なる部分に入っていないのであれば、 飛びつく理由はまったくない。偉大な企業になれば、そのような機会にたくさんぶつかるようになる。

・超優良に飛躍した企業では、予算編成は、それぞれの活動にどれだけの資金を割り当てるかを決めるものではない。どの活動は針鼠の概念に最適で、したがって集中的に 強化すべきか、どの活動は完全に廃止すべきかを決めるものである。「止めるべきこと」のリストは、「やるべきこと」のリストよりも重要である。どの活動は針鼠の概念に最適で、したがって集中的に 強化すべきか、どの活動は完全に廃止すべきかを決めるものである。

・「止めるべきこと」のリストは、「やるべきこと」のリストよりも重要である。

第6章 新技術に振り回されない

促進外としての技術

・偉大な業績への飛躍を遂げた企業は、技術と技術の変化について、凡庸な企業とは違った考え方をしている。

・飛躍した企業は技術の流行に乗るのを避けているが、慎重に選んだ分野の技術の利用 で先駆者になっている。

・どの技術分野に関しても決定的な問いは、その技術が自社の針鼠の概念に直接に適合 しているのかである。この問いへの答えがイエスであれば、その技術の利用で先駆者 になる必要がある。ノーであれば、ごく普通に採用するか無視すればいい。

・ 技術は適切に利用すれば業績の勢いの促進剤になるが、勢いを作りだすわけではない。 偉大な業績に飛躍した企業が、先駆的な技術の利用によって転換をはじめたケースは ない。しかし、三つの円を理解するようになり、業績が飛躍するようになった後に、飛躍した企業が開発した最先端技術を直接比較対象企業に無料で提供しても、比較対象企業は偉大な企業に近い業績をあげることはできないだろう。

・飛躍した企業は技術の流行に乗るのを避けているが、慎重に選んだ分野の技術の利用 で先駆者になっている。

・技術の変化にどのように反応するかは、偉大な企業と凡庸な企業の動機の違いを見事 に示すものになる。偉大な企業は思慮深く、創造性豊かに対応し、自社の可能性を実 現したいとの動機によって行動する。凡庸な企業は受け身になって右往左往し、取り 残されることへの恐怖によって行動する。

予想外の調査結果
・かつて超優良であった企業の没落 (そしてほとんどの企業が凡庸さから抜け出せない こと)が技術の変化を主因とするものだとの見方を支える事実はでてこなかった。たしかに技術面で遅れていては、偉大な企業にはなれない。しかし、その技術そのものが偉大な企業への飛躍や偉大な企業の没落の主要因になることはない。

・偉大な業績への飛躍を導いた経営幹部を対象に行ったインタビューでは、全体の八十パーセントは、飛躍をもたらした上位五つの要因のひとつとして技術をあげていない。 ニューコアのように、新技術の利用の先駆者として有名な企業でも、この点は変わらない。

・技術が急激に大幅に変化する時期にすらも、「這い、歩き、走る」方法がきわめて効果的になりうる。


第7章 劇的な転換はゆっくり進む

弾み車と悪循環

・偉大な企業への飛躍は、外部からみれば劇的で革命的だとみえるが、内部からみれば、 生物の成長のような積み重ねの過程だと感じられる。最終的な結果(劇的な結果)と 過程(生物の成長のような積み重ねの過程)を混同すると、見方が歪んで、実際には 長期間にわたる動きであることがみえにくくなる。

・最終結果がどれほど劇的であっても、偉大な企業への飛躍が一気に達成されることは ない。決定的な行動、壮大な計画、画期的な技術革新、たったひとつの幸運、魔法の 瞬間といったものはない。

・比較対象企業はこれとはまったく違う「悪循環」のパターンに陥っている。弾み車を 押しつづけて一回転ずつ勢いを積み重ねていくのではなく、準備段階を飛び越して一 気に突破段階に入ろうとする。そして業績が期待外れになると、右往左往して一貫し た方向を維持できなくなる。

・偉大さを持続できる転換は、準備段階から突破段階に移行するパターンをつねにたどっている。巨大で重い弾み車を回転させるのに似て、当初はわずかに前進するだけで も並大抵ではない努力が必要だが、長期にわたって、一貫性をもたせてひとつの方向に押しつづけていれば、弾み車に勢いがつき、やがて突破段階に入る。

・比較対象企業は、賢明とはいえない大型合併によって突破口を開こうと試みることが 多い。これに対して、偉大な実績に飛躍した企業は通常、突破段階に達した後に、すでに、高速で回転している弾み車の勢いを更に加速する手段として、大型買収を受かっている。

意外な調査結果
・偉大な企業への飛躍を導いた指導者は、「力の結集」「従業員の動機付け」「変化の管理」 にはほとんど力をいれていない。条件がうまく整えば、意欲や力の結集や動機付けや 改革への支持の問題は、自然に解決する。力の結集は主に実績と勢いの結果であり、 逆ではない。

・飛躍した企業の内部にいた関係者は、転換の時点ではその規模の大きさに気づかず、 後に振り返ってみてはじめて、大規模な転換であったことに気づいている場合が少な くない。転換の動きには名前や、標語や、開始の式典や、特別な計画など、何か特別 なことをやっていると思わせるものは何もなかった。

・短期的な業績向上を求めるウォール街の圧力は、弾み車の方法と矛盾しない。弾み車効果はこうした圧力のもとで発揮できないわけではない。それどころか、こうした圧力に対応する際のカギになる。

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