話も聴くファイナンシャルプランナーの佐藤彰です。
相談者さまとのお話でやはりメインになるのは、どの費用を節約するかというお話です。その際に大きな出費の1つが住居費です。
住居費は一度住んでから見直すのが比較的難しいのが特徴です。そして、住宅ローンを一度組んでしまうと後から節約しようにも方法が限られてくる側面も否めません。
そこで、住宅ローンを組む前に最低限おさえていただきたい点について今回は書いてみたいと思います。
住宅ローンの毎月返済額の目安
住宅ローンを組む際に金利を金融機関から金利を提示されます。しかし、金利だけでは返済金額のイメージがわきにくいです。ですので、金利よりも返済額で考えるのがベターです。
そして、住宅を購入するときのローンの返済額は、毎月の賃料と同じくらいまでならOKという話もよく耳にします。しかし、物件購入後にかかるお金もあります。
引っ越し費用、各種税金、手数料、火災保険等項目は多岐にわたりますが、一般的にその経費は購入金額の10%程度用意しておくことが必要です。
ここから毎月必要な諸経費を見積もって、「家賃‐毎月の諸経費=毎月の返済額」と考えるとよいでしょう。
もちろん、これはおおまかな算出方法であり、個々のライフスタイルや家計の状況によって例外もあります。1つの目安としての金額として考えてください。
購入時の頭金はあった方がよい?
住宅ローンを組むときは、頭金があった方が金利が優遇されるケースがあります。また早めに返済すること、ローン返済金額軽減のためにも、頭金を用意して購入した方がベターです。
ただ頭金を多めに入れるあまり、日々の生活資金がショートする事態は避けなくてはなりません。
一般に日々の生活に何かあったときに備える緊急資金としては、ここも専門家によって見解が分かれますが、手取り金額の6ヵ月は用意しておきたいところです。
ですので、手元にある資金を頭金に入れるあまり、手取り金額の6ヵ月は手元にないという事態は避けた方が無難です。
ボーナスに頼り過ぎない
ローン返済は毎月同じ金額にせず、ボーナスが出た時期に返済額を増やすなどの対応も可能です。
そう考えると、ボーナスの時期に多めに返済する分、毎月額を少なめに見積もって考えることもできます。
ただ、ボーナスがいくらもらえるかはそのときの業績によりますし、金利負担を考えれば、逆にボーナス返済を取り入れた返済の方がかえって金額がかさむケースもあります。
ですので、ボーナスに頼ったローン返済はおすすめできません。
そもそも購入が必要かも検討する
ここまでは購入する場合の家計管理の注意点について書いてきました。
ただ、そもそも本当に物件の購入が必要かの検討も必要だと個人的には考えています。
住宅ローンを組む場合は、数千万などの借金を一度にかかえることになります。今後のお仕事や生活状況によっては、返済に支障をきたす可能性もあります。
世帯主が亡くなれた場合は、団体信用生命保険に加入していれば、ローン返済はなしとなります。ただ、ケガや病気、そして今のコロナ禍のように仕事の環境が大きく変わる場合等では、十分な保障が得られるかというと難しいケースもあり得ます。
最初から購入と考えるのではなく、ライフスタイルや生活状況の変化に応じて賃貸物件で済ませるという選択肢も購入前に検討していただければと思います。