商業出版のメリットとデメリット

記事
ビジネス・マーケティング
出版プロデューサーと称する人たちがよく使う言葉のひとつが「商業出版」です。
何を意味するかというと、
・書店やネット書店で流通している
・著者に対して出版社側がギャランティ(印税や原稿料など)を支払っている
・著者側は費用を負担しない(著者が自主的に発売日に数百から1000部ほどの購入があるケースは存在する)
およそ上記をクリアして、あくまで出版社側は「この本は売れるチャンスがある」と判断して企画承認して出版するというスタンスとなります。
要するに普通に書店で売られている本ということです。商売として成立するから商業出版という言葉が出るようになったと思われます。
これに対して「自費出版」もよく耳にするフレーズです。
何を意味するかというと、
・著者が料金(原稿料、表紙などのデザイン料、紙・印刷・製本代など)を負担する
・基本的には著者が「本にして残したい」というものを請け負った会社が本の形にする
・書店流通は基本的にしない(例外あり。後述します)
著者がお金を出して自分がつくりたい本をつくると認識すればいいでしょう。
商業出版と自費出版とは別世界のものと考えてください。目的がまったく違うからです。
・商業出版はあくまで売れるだろうという前提で読者の方に価値を提供して売り上げ・利益をあげる
・自費出版は言葉を選ばず書くと、自分の満足のために業者に料金を支払って本をつくる
住む世界が違うわけです。本講座は商業出版として本を出したい方へ向けてのものです。しかしながら商業出版と自費出版、さらにはカスタム出版と呼ばれる形態もあります。基礎知識として覚えておきたいポイントです。
商業出版のメリット・デメリット
皆さんが目指す商業出版のメリットとデメリットを解説します。
その前に、まずは基本的な情報からご説明しましょう。商業出版物の本には裏表紙にあたる部分の上段に必ず下記の表示があります。
POSレジで読み取るためのバーコード
ISBNコード
Cコード
定価
社名
がそれです。
右上にISBNから始まる番号が記載されています。
これは「ISBNコード」と呼ばれるもので、商品としての識別番号といった役割があります。
ちなみに、ISBN978-4 までは基本的にどこの出版社から出ている本でも同じです。その後は出版社に割り振られた番号です。
例えば、478がダイヤモンド社、413が青春出版社です。ちなみに1は岩波書店です。
ISBNコードを持っている出版社でないと書店流通する本は基本的に出せません。
持っていない会社(編集プロダクション)はISBNコードを持っている出版社と交渉して販売ルートを借りる形で販売します。
なぜISBNコードがないと書店流通する本が出せないかというと、物流の仕組みが原因です。
出版社は基本的に(例外があるので後述します)、トーハン(株式会社トーハン)、日販(日本出版販売株式会社)といった取次と呼ばれる卸会社に出版物を納入します。そして取次から書店へと配本されるのです。
ISBNコードを新たに取得するのは非常に難しいです。立ち上げて間もない編集プロダクションや資本力に乏しい企業が取得できる可能性は低いです。
自費出版を請け負う多くの会社ではISBNコード取得はほぼ無理と考えていいです。
ちなみにCコードは本のジャンル区分を表します。
【例外】
ディスカヴァー・トゥエンティワン、永岡書店、池田書店といった出版社は書店と直接契約を結び取次を通さず書店流通させています。
自社で物流機能まで行っているわけですので容易ではありません。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す