きっかけは些細なことから

記事
ライフスタイル
家系図とご先祖調査のふることやです。
数あるブログの中から、こちらにお立ち寄りいただきありがとうございます。
自己紹介を兼ねて、出店するまでのいきさつをぽつぽつと投稿しております。

ひょんな事から、父方先祖が暮らしていたという長閑な農村を訪ねることになり、実際にその地に立って不思議な感覚が湧いたお話は前回いたしました。

その後、興味のおもむくままに戸籍を遡り、当時勤務していた図書館で、退勤後の時間にその地方の郷土史資料などにあたってみました。
最初はなかなかこれという情報が見つからず、「無名の一家族のことなんて載ってないよね」と、当時の新聞写真などを集めた資料をパラパラとめくっていたその時、ページの端に「あれ?」、一瞬祖父のフルネームが見えたのです。

これを糸口として、祖父がその地で製粉の仕事をしていたこと、所属組合から永年操業で表彰されていたことがわかり、後は関係資料にあたっていくことで、明治以降の曽祖父や祖父の時代のことがある程度判明したのでした。

気になったのは、戸籍の転籍記録によると、永年操業で表彰された僅か数年後に、なぜか一家で県内の都市部へ引っ越していること。当然、田舎での製粉という生業を捨てて…一体なにがあったのか。

「夜逃げして来たって聞いたことあるよ」
この時、弟が生前父から聞いたという言葉が、急に現実味を帯びて感じられたのです。
昭和の初め、5〜10年ぐらいの世相を思う時、昭和恐慌の荒波が田舎の名もなき一家にも否応なく押し寄せたであろうことは容易に想像がつきました。債権者のお立場からすれば、夜逃げは決して許されるものではありませんが、偶然見つけた資料がきっかけで、当時の一家の苦労、その後に生まれた父の境遇についていろいろと思いを馳せることとなりました。





サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す