土地の記憶を呼び覚ます

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家系図とご先祖調査のふることやです。
数あるブログの中から、こちらにお立ち寄りいただきありがとうございます。
自己紹介を兼ねて、出店するまでのいきさつをぽつぽつと投稿しております。

ご先祖様について調べてみようと思い立ったら、まずはご先祖の元々の本籍地を知ることが大前提となります。今でこそ、実際の居住地に関係なく、自由に本籍地を決められますが、近代戸籍制度が導入された明治の初めの頃は、大多数のお家にとって、本籍地イコール実際の居住地と考えるのが普通だからです。 

なぜなら特殊な例を除いて、多くのお家は、相当な昔から、遅くとも江戸時代には先祖代々その地に住みついてきたからです。住処を自由に移せるようになったのは明治以降のことで、それまで庶民の移動は制限され、生まれた土地で先祖が耕し、手を入れ、守り抜いてきた田畑や山林、漁場を受け継ぎ、その地で産したものを食し、一生を終えることが当たり前だったのです。

当然、今とは比べものにならないほど、土地と家との繋がりが深かったわけで、土地の成り立ちや土地柄抜きにはご先祖様のことは知り得ないと考えます。特に、ご先祖様の生業(なりわい)の多くは、その土地土地に根差したものであって、例えば田畑なら、お祖父さん・お祖母さん、そのまたお祖父さん・お祖母さんが一生懸命耕し、苦労して年貢を納めてきた土地を基盤として、日々の暮らしがあったのです。

そのような土地に暮らす限りは、ことさら先祖のことを知ろうとせずとも、自然と伝わるものが日々の生活の中にあちこち散りばめられていたはずです。明治以降の近代化の流れで、都市部に居住地を移すケースが増えたことが、先祖について知る機会が大きく失われた要因の一つではないかと思えてなりません。

もちろん、個々人が時代の大きな流れに逆らうことは叶いませんが、たかだか150年ほど前のご先祖様の暮らしぶりが伝わらずにいることの方が、むしろ不自然なことではないかと思えてきたのです。

ひょんなきっかけで足を踏み入れることとなった先祖の地で、否応なく呼び覚まされたのは、ひょっとして私の中にも微かに残っていた土地の記憶のようなものだったのかもしれません。







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